過去で地図を作り、方位磁石で今の立ち位置を確認する

『君が心をくれたから』がとても大好き。
というか今期はとてもドラマが激熱なのだ。全部追っかけ切れていないほど激熱なのだ。

このドラマが始まった当初、なんか既視感を感じるなーと心の中がもやもやする。
けれども、一話の最後に斎藤工さんが演じる‘案内人’が出てきてから確信に変わるのだ。

「このドラマ宇山佳佑さんぽくね」と

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「君が心をくれたから 宇山佳佑」

…。

脚本家:宇山佳佑。ビンゴ。
何なら、モチーフにした作品が、読了済みの『この恋は世界でいちばん美しい雨』
ほら、デジャブ。
久保の大好きな恋愛ドラマ確定でした。

宇山さんの代表作としては、『今夜、ロマンス劇場で』があげられる。
『信長協奏曲』の脚本家の一人でもある凄腕の方で、皆さんがご存じの作品を手掛けている人でもあるのだ。

僕は一番『桜のような僕の恋人』が好きなのだけれども。
恥ずかしながら、小説読んで初めて泣いた作品で。
NETFLIXでも実写化されて、それでも号泣して。

何でしょうね、宇山さんは僕の心に刺さるんすよね。
恋愛にロマンスというか、ファンタジーとかがうまく組み合わさっていて。
それだけかと思うとそうではなくて。仲間や友人、家族愛についてもすごくじんわりさせてくれる。

心が温まる作品を書く、憧れの方です。
良ければぜひ作品を読んでみてくださいな。

閑話休題。

ドラマの中でも「過去」の思い出を描く描写がある。
高校時代の思い出を振り返りつつ、物語が進んでいくのだ。
それだけではない。「今」というものを受け入れながら、将来への覚悟を決めていく場面がある。とある事故がきっかけで、主人公の雨は五感を徐々に奪われてしまうのだ。

「過去」を振り返りつつ、「今」と向き合わなければいけない。
それはドラマ内だけではなくて、今の自分に置かれている状況でもあるのだ。

僕はとある南国の大学院で植物の研究をしている。
絶賛就活中でもあり、去年から藻掻いている最中である。
25卒の皆さんも、そろそろ内定を頂ける時期になり始めているのではないでしょうか。
その就活をして気づいたのが、「過去」の大切さと、「今」の方向性である。

就活は、自分の「好き」と「できる」に囚われがちである。
好きな福利厚生や環境、自分の強みや得意なことなどに目がいきがちだ。
それは自分の「今」であり、将来進む場所を示す「方位磁石」を選んでいる状態だと思う。
けれどそれだけで、社会に出る一歩目の就活へと進んではいけない。
「方位磁石」だけを持っていたとしても意味がないし、その「方位磁石」が自分に合ったものであるかもわからない。さらに言えば、「地図」が無ければ、たどり着くべき場所がわからないし、夢に到達できるとは限らないからだ。

では、自分の「地図」や「方位磁石」を手に入れ、たどり着くべき場所を知るにはどうすればよいのだろうか。
それは「過去」にたくさんのヒントが隠されており、「今」の立ち位置で決まってくる。

自分はこの就活地獄でたくさんの「過去」を振り返り、「今」についてとことん向き合ってきた。
自分は将来何がしたいか。
正直、12月ごろまではっきりしていなかった。
失礼ではあるが、インターンに行ったとしても心が躍ることは無かったのだ。

”エントリーシートを提出して受かった企業の研究職でも就くかー”
”結局行ってみないとわからないよなー”
”いわゆる「大人になれよ」なんだろうなー”

と、そんな感じで就職活動をしていたのだ。
面接も本心が出にくい状態でしたし、世の中を斜に構えている自分をどのようにして押し殺すかが問題でもあった。

けれど思うのだ。
多分、今の気持ちだけで突っ走ってしまうと迷子になってしまう恐れがある。
思い描く目的地への場所も分からず、向かうべき方向も定まっていない危ない状態。

もちろん迷子になった先でも、藻掻いて幸せに近づく人だっているかもしれない。
しかし、自分はそうではない。
自分らしさが失われた状態だと、かなり危険なのだ。

いくら業務ができたとしても、自分は「人財」ではなく、「人罪」になってしまう。
それは企業に迷惑をかけるだけでなく、自分自身の衰退にもなる。
結局、自分ってなんなのだろうと陥ってしまうのが目に見えているのだ。

このままではだめだと、「過去」の自分を振り返る。
そうすると自分らしさというものがくっきりと形に現れてくるのだ。
それは、ある程度自分らしさを失う環境と、全開な環境というものを理解しているつもりだからだ。

僕は、周りの人たちや環境次第で考えや行動が変わってしまいやすい質である。
感受性で変化するメタモンみたいな感じ。
ギスギスして忙しい環境であれば、自分もてんやわんやし、成果にとらわれてしまう。
周りが明るく楽しい環境であり、尊敬できる人たちや環境に恵まれれば、自分も自ずと幸せをふりまいているのだと思う。
もちろん、自分は褒められまくると調子に乗りやすいから、鼻をへし折ってくれる仲間がいなければいけないのもある。

諸刃の剣である「感受性」をこしらえている僕は、環境に振り回されやすい。
だからこそ、環境には常に配慮しなくてはならない。

このように、「過去」に体験した何かがあるから、自分が今後どのような環境に赴けば、自分らしさを全開にすることができるかを理解することができる。
ゲームでいう未踏の地に踏み入れた時に明らかになっていく「地図」のような感じ。
自分にとって生きづらい環境というものがある程度鮮明になっている。
その逆もそう。嬉しいこと楽しいこと。自分が生き生きとしている環境もそうである。
それは様々な体験をさせていただいたこともあるし、いろんな方々と出会えたからだと思う。いろいろな感情や体験を得ることができたからだと思う。

自分の過去を振り返ると、おのずと向かうべき場所というものが鮮明になっていくものだ。
「過去」という「地図」を手に入れることができるはずだ。

では「今」はどうだろうか。
ちょっと前の自分は、将来の方向性について世の中を斜に構えながらも、今やっている研究を生かすことができる仕事としていただろう。

けれども現在はそうではない。
自分という人間で、鹿児島をさらに良くしたい。誰かの希望や憧れとなる存在になりたいという方向性になっている。

おい、その間に何があった!と思うかもしれない。それは過去の記事を読んでくださいな。

そんな感じで「今」という「方位磁石」を手にしている。
地図と方位磁石があれば、あとは夢や在るべき姿に向かって進むだけだ。
その状態になれば、就活の始まりと比較して、うんと楽しい人生を送れていると実感している。面接すらも、ちょっぴし緊張しながら楽しめている。
命の回転が良好である。

将来に不安や心配はつきものだ。
けれども、「地図」と「方位磁石」があればそうでもない。

ドラマは悪い方向に進んでいるけど、宇山さんは究極のロマンチスト。
宇山さんの描く物語の主人公に過酷なバッドエンドは待ち受けていない。
きっと主人公の雨は幸せになれる。

自分も含め、世の中の主人公たちが幸せになれるよう願いを込めて。
冒険はまだ終わってない。

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