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Having(24歳でほしいものが無い)

Havingが埋まらない…。
友人から頂いた『絶対内定2025』の本を片手に自己分析を進めている。
とうとう就活も終盤に差しかかっているところなのだ。

Being・Having・Giving
夢を構成する三つの要素。

Beingは、どんな人でありたいか。
僕はこの欄をスラスラと書くことができる。
ご縁を大切にし、誰かの希望や憧れの存在になること。
この24年間で出会った方々にたくさんの物を頂いたからこそ、恩返しをたくさんしていきたい。それだけではなく、過去と同じくらい将来の人にもよりそい支えていく存在になりたい。なんてことを思いながらスラスラと書くことができるのだ。

Givingは、社会にどのような影響を与えたいか。
Beingと同じように「これ」というものがある。
それは、誰かにとって人生に夢や生きる希望を持てるような「きっかけ」の場を生み出し続けること。
あと一歩踏み出せない誰かにとって。
人生に生きづらさを抱える人にとって。
愛や勇気が足りていない人にとって。
年齢や性別、国籍関係なく、過去にあの「きっかけ」があったから今の幸せがあると思っていただけるような場所やイベント、仕組みづくりをしていきたいと思っている。

Havingはというと、何を手に入れたいかということだ。
それが僕にはピンとこないのだ。
「鹿児島を引っ張ってく一人のリーダー」が当てはまると思うけど、それはもう心の中で恥ずかしながら意識し続けているもの。表面上の名誉というものにはそんなに惹かれない。
これだ!っていうのがピンとこないのだ。

この本を頂いた友人とも、何回か就活の話をしたことがあるのだけれども、友人はこのHavingをしっかりと持っていた。
生活の質を高く、プライベートを充実させる、だったけな。そんな感じだったと思う。当時の僕は、それにもピンときていなかったのだ。生活の質は、必要なものだけあればいいしなーと考えるのをやめていた気もする。
こういうことを恥ずかしげもなく書いているけど、結構ピンチなのでは!と危機感を抱いている自分もいるのだ。まだ24なのにこんなに無欲だとは。心の年齢がジジイなんだよな、と。

話は変わり、先日後輩の卒論発表会があった。
自分は座長を務め、彼らの大学生活最後の単位イベントを見届けたのだ。

今年に入って各々卒論と奮闘していた。
時には後輩たちみんなで集まり、発表の確認をしあっていたほどに。
僕の代はと言うと、そんなに仲がよろしくなくて(間違いなくそう思っている僕が、どうにかできなかったのが問題だけど)、後輩たちが自分だけではなくチームで卒論に取り組んでいるのを見て嫉妬してしまうほど羨ましかった。

頑張っている人を見ると後押ししたくなるもの。
彼らの成功や幸せを願い、自分にできることを何でもしてしまいたくなるもの。
僕も自分にできるサポートを精一杯させていただいた。

僕は間違いなく、その時が一番心地いい。

発表会当日。年末の中間発表と比較して、彼らのスライドは見違えるほど見やすくなり、カンペも見ずに自分の言葉で堂々と話していた。

声が震えて小さくなる後輩。
営業マンみたいに堂々としている後輩。
天敵の先生の質問におどおどしている後輩。
レーザーポイントを持つ手が震える後輩。
言葉の接続語や語尾がギャル語になる後輩。
質問の回答をしている時、演台から身を乗り出しながら回答する後輩。
各々が緊張と戦いながらも見事やり遂げた姿で、僕の心は感動で満たされていた。
かっこよくて自慢のできる後輩たちだ。

発表が終わった後輩たちの笑顔を見ていて、嬉しくもあり寂しくもあった。
彼らは一足先に社会人となる。誰かを見送るのは何度目だろうか。

来年は自分がここから去る番。
残りの一年僕がいた痕跡をたっぷり残して、残る方々の憧れにならなければいけない。
社会人になる前に、学生時代への恩返しをいっぱい返していかなければ。
そう思いながらふと思ったのだ。
僕が一番欲しいもの。僕のHaving。
それは、心の支えになる存在や居場所だ。

今まで自分らしさを持てたのは、間違いなく信頼し大好きな存在なのだ。
心が満たされるような環境が欲しいのだ。
大学院生活が有意義になっているのも後輩たちのおかげである。本当にありがたい存在なのだ。
そういえば前に、死ねるほどの縁とか感動が欲しいって言っていたっけ。
それもその中に入ってくると思う。

就活ノートのHavingに「心の支えになる存在・居場所」と書き込む。
書き込みながら、そんな存在もいつかは去り、無くなるんだよなとしみじみ思いながら。
それでも思い出として心に残り続けるもの。自分の大切な宝物。

「結局、もらってばっかりでこのHavingも満たされているんだよなー」

誰もいない空間で独り言をつぶやく。
そういえばジジイになると独り言が多くなるらしい。

「やっぱ足りないのは青春かな」

後ろにでかでかと『青春』と書き込んだ。


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