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いろんな花が咲いていい

『世界に一つだけの花』の歌をご存知の方は
多いかと思います。
私の推し活が1番長かった SMAP の楽曲で、
音楽の教科書に載るほどの有名な曲。
私は今も個々のファンクラブに加入している位
大好きなSMAP。
今回はSMAP愛は語らずに横に置きます。

" 世界に一つだけの花 "の歌詞には
「NO.1にならなくてもいい もともと特別な   Only one」
とあります。この歌詞で
SMAPのメンバーの振り付けは
指先を前へ出し、自分を中心に左から右へ
花を1輪ずつ数えるような仕草をし、
最後は頭上に指先を掲げます。
それぞれが誰かを真似するでなく、自分らしく
自分の花を咲かそうよ、と言ってくれていると
私は捉えています。

私は毎日様々な赤ちゃんと対峙しています。
その赤ちゃんを取り巻く環境は様々。
・出産後直ぐ母親を放棄し、
 赤ちゃんの引取りを拒否する、
・出産後障害が判明し、身内に障害なんて
 言えないと赤ちゃん引取りを拒否する両親
・迎えにいきます、と指定した退院日に来ず、
 連絡を断ったままの保護者
勿論、ほとんどの場合 保護者さまは、
赤ちゃんをそれはそれは大切に、大切にされ
笑顔と涙で退院されていきます。
一方で、真逆の立場の赤ちゃんもいる現実。

忘れられないケースの2つを記載します。

非常に裕福なご家庭で育った母親は16才。
地元で有名な資産家が通う私立高校生。
出産後の赤ちゃんの面会で、
1回目は母親の母(赤ちゃんから祖母です)と
2人での面会でした。
16才の母親は長い髪を1つに結んでいて
何処にでもいる高校生に見えました。
母に支えられて面会に来たのです。

赤ちゃんは寝たままで、静かでした。
2人は5分もその場にいたでしょうか。
赤ちゃんには一切触れず、2人はじっと眠る
赤ちゃんをみつめて無言でした。
その後2人は母親が入院する病棟へ戻りました
10分程して出産した母の母(祖母にあたる)が
師長に面会に来ました。
内容は2つ。
1、娘は退院後、海外留学する。子供は引き取らない。
2、娘は面会には一切来させない。
万が一、来たら追い返して欲しい。
と。
ところが16才の母親は、
自分の退院日の前日夜に赤ちゃんに
最後の面会、として2回目の面会に来ました。
たまたま師長は休み。
係長級の方が、"本人の希望が強いから"と
面会を許しました。
16才の母親は泣いている赤ちゃんを抱っこし、
何かちぃさな声で赤ちゃんに語りかけ、
10分ほど抱っこし続けて、帰りました。
帰り際、私たち職員に一礼して去りました。

別のケース。
歳を重ねたご夫婦の待望の赤ちゃん。
高齢出産のためリスクを考え、私の勤務する
病院で出産。
出産後、一旦赤ちゃんは入院に。
医療従事者は、赤ちゃんを見て直ぐ
疾患がある赤ちゃんかな?と分かりました。
ご両親は知識はなく、大きく元気な赤ちゃんを
早く退院させて欲しい、と懇願。
しかし、病院としては疾患の疑いがある事を
伝え、血液検査の了承をご両親にいただき、
結果が出たら退院、となりました。
ご両親は疾患はあり得ない!と憤慨。
退院するため、と検査を了承。
結果が出るまで毎日面会にいらして、
赤ちゃんを抱っこされたり愛情をたっぷり
注いでいらっしゃいました。
日を置いて、
検査結果は疾患あり。
ご両親は泣き崩れ、当日泣く赤ちゃんをじっと
見つめたまま、抱っこされませんでした。
翌日ご両親から、引取り拒否の連絡が。

2つのケースを書きました。
1つ目のケースは、
里親希望の方がいらっしゃり引き取られました
2つ目のケースは、
公的機関に引き取られました

赤ちゃんは、自分から望んで
産まれてくることは ありません。
産まれた赤ちゃんに、何ら意見は言えません。

私たち医療従事者の手助け出来る部分は
ほんのちょっとだけ。
自分に出来ることは、目の前の赤ちゃんに
たっぷり愛情を注いで寄り添うこと。
思うことは沢山、沢山あります。
赤ちゃんは何も分からず、泣いたり
笑ったりしています。

退院するまで、私は
笑顔の多い赤ちゃんになって欲しい、
と入院する赤ちゃん皆に平等に接します。
でも、、、
ひとりぼっちの赤ちゃんには、保育士は
何倍も何倍もその子に時間をかけて
お話したり歌を歌ったり、抱っこを惜しみなく
しています。

それぞれみんな、辛いことはあるでしょうが
笑顔の花を咲かせて欲しい。
心から願い、私は笑顔で寄り添います。

今日も1日が始まります。
自分の機嫌を取り
気持ち良い1日を過ごします。

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