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60日後にタクシー運転手を辞める男の話2日目 タクシー運転手の面接はクソ簡単。

当時は、コロナ禍の影響も尾を引いていたためか、リモート面接だった。
履歴書等は転職サイト上で作れるようなデータで良かったため、お手軽である。

軽いトークを2,3挟んだ後に、
「では、志望された動機とかありますか?」

とか?とかありますか?とな。
なんか緩い雰囲気やな?とは感じたが、そういうこともあるだろう。

「えーっと、求人を見て、面白そうだなと思ったからです。車の運転好きだし。」
「他府県からの初心者も多いって書いてあって、始めやすいかなと思いました。」

今振り返ると、志望動機としてはゴミカスであった。
もっとこう、会社にどう貢献したいかとかさ、将来の展望とか、あるじゃんね!
しかしタクシー運転手は働きアリ。会社はアリを出来るだけ雇い入れて、稼働してないタクシーを稼働させ、1銭でも多くの金を持ってこさせることが使命。

であるならば、志望動機なんて実際はどうでもよいこと。
要は、問題なさそうな人間ならなんでもいいのである。
893と絡みがないか。健康そうか。事故違反やってないか。
頭の良さやこれまでの経験なんてそう関係ない。
決められたコミュニケーションの型を実行できて、車を走らせることができたら誰でもよいのだ。

「そうですか。わかりました。そういう方多いですよ。じゃあここで内定ということにしたいんですが、いいですか。」
「わかりました、ありがとうございます。よろしくお願いします!」

当時は、日々のスーパーハードワークで心身共に弱っていた。
こうなれば判断力も鈍くなる。
これが正解だと思っていた。
これで人生好転すると思っていた。

しかしここは約70億人が同時にプレイする大規模MMORPG「人生」
非常に上手くできているようだ。
そう簡単ではなかった。甘くはなかった。

今の私が、当時の私にアドバイスできるならこう言ったろう。
「心身共に疲れているのはわかる。だが、良く考えろ。その仕事は、実際の所どんな大変なことがあるのかを。他の求人を見てみろ、もっと良い待遇の、面白そうな仕事もあったんじゃないか。」と…。


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