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不動産購入資金を借入する際には銀行の思考を理解しておこう

不動産は大きな買い物です。

個人がマイホームを購入する際には、現金一括で購入できる人もいますが、大多数は借入(住宅ローン)をして不動産を購入します。

収益物件を購入する場合も同じです。現金一括で収益物件は購入せず、銀行から購入資金を借入します。資金調達としての借入金はレバレッジです。利回りを上げるために利用できるからです。

不動産購入時の借入金は、投資家が利回りを上げるためにレバレッジとして利用する場合、個人が不足する資金を調達する場合のどちらかです。

銀行から資金調達するためには、銀行の基本的な思考(考え方)を知っておいた方がいいでしょう。

今回は借入の際の銀行の思考方法について解説します。

・住宅ローンは特殊な融資である


投資家が収益物件を銀行借入で購入する場合、入居者から受取る賃料をもとに借入金の元金・利息を支払います。

例えば、100%銀行借入で物件利回り3%の物件を購入した場合、借入金利がゼロでも返済に33年掛かります。
実際には借入金利はゼロではなく、設備投資(CAPEX)も必要です。また、賃料収入から発生する収益に対して税金も掛かります。これらを考慮すると、借入金の返済には50年くらい掛かるでしょう。

銀行が収益物件を購入するのに返済期間50年間の融資をすると思いますか?

答えはNoです。銀行は超長期の融資はしませんから、物件利回り3%の物件を100%の借入れで購入すべきではありません。

個人がマイホームを購入する場合、住宅ローンを利用します。
この住宅ローンは最大35年などの長期返済も可能です。投資家が収益物件を購入する際に利用する銀行借入と比較すると、返済期間が長い傾向があります。

住宅ローンの返済期間が長いのは、銀行が「自分の家を守るために、何とかして払うだろう」という期待を込めた長期融資だからです。

収益物件の場合、新築から35年も経過すれば大規模修繕も必要になります。賃料も新築当初に比べると大幅に減るでしょう。
収益物件は賃料が入ってこなくなると価値はゼロです。投資家がその物件に住んでいるわけでもありませんから、真剣に借入を返済しようとしないでしょう。

だから、不動産投資ローンの返済期間は、住宅ローンの返済期間よりもずっと短いのです。

銀行は、融資先の状況を定期的にチェックします。これを自己査定といいます。
借入金の返済年限は自己査定の重要なチェック項目です。つまり、銀行は返済期間の長い融資ができない仕組みになっているのです。

銀行は長期の不動産投資ローンを融資できない、ということを予め理解しておいた方がいいでしょう。

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なお、不動産ファイナンスについて詳しく知りたい人は、下記を参考にして下さい。


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