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バスオールを見つけた話


唐突ですがこれ、何か分かりますか?


現役(らしい)バスオール

答えは………家庭用ユニットバス、つまり「風呂」です。
北海道のほくさんという会社が開発した「バスオール」という製品名?がついているようです。

場所は岡山県某所の団地。一棟につき6~7部屋に備わっていました。たまたま外に出ていた住人に話を伺うと、現役で使っているそうです。
バスオールの大きさは発売時期によってまちまちですが、かつて間近で見た初期のモデルは高さ2メートル、幅90センチ、長さ1.4メートルといったところ。初期のタイプは浴槽のみでしたが、調べたところ写真のタイプは昭和50(1975)年に発売された洗い場・浴槽一対タイプのモデルに近いですね。

バスオールの発売は東京オリンピック前年の昭和38(1963)年。風呂と言えば銭湯で、団地であっても家庭に風呂がある家はなかなか珍しい時代でした。そんな時代にサラリーマンの給料1か月分で買えるバスオールは人気を博し、関東・関西の都市圏を中心に全国へ広がっていきました。

最初期のバスオール

バスオールが最も売れたのは大阪の千里ニュータウンだったようで、上の写真は南千里駅近くで万博関連の展示をしていた際のもの。このときはじめて「バスオール」という存在を知りましたが、感想としてはとにかく狭い。しかもこれ、当初は台所に置くことが想定されていたため、展示ガイドの方によると湯船から水があふれた際には部屋中水浸しになることもあったとのこと。のちに湯気や換気の問題からベランダ置きが主流になったようですが、、、そらそうだ。

内部にはシャワーにカラン、手すりやミニ鏡も

1980年代以降になると団地の改良が進み、風呂を増築する家庭も増えたことでバスオールは次第に役割を失います。それでも平成18(2006)年まで生産が続けられたのは一定の需要が近年まで存在したということでしょうか。ユニットバスそのものが苦手な私にとっては「銭湯の方が広くていいじゃん」と感じるのですが、半畳ほどの大きさのバスオールからは部屋が狭くても自宅に風呂を設置しようという当時の技術者の執念みたいなものを感じます。さすが風呂好き民族。テルマエ・ロマエの阿部寛もびっくりですね。

ちなみに吹田市立博物館には歴代のモデルが展示されているようです。見に行きたい。

というわけで、最初の雑記帳はお風呂の話でした。またねノシ

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