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陸軍中野学校実録

『陸軍中野学校実録』 日下部一郎 (2015/07)

昭和41年に刊行された『謀略太平洋戦争 陸軍中野学校秘録』の再刊となり、かつて日本にあったスパイ養成機関、中野学校の一期生であった著者の回顧録。

以前、中野区に住んでいたこともあるが、中野学校の教育機関として在り方、カリキュラムに興味が尽きず、関連書にはまず、目を通すことにしている。

歴史にifはないが、中野学校のような教育機関がもっとはやく、もっとこの日本の地に多くできていれば、日本は戦争に負けていなかったのではないだろうかと考えてしまう。

そして、また、今の日本が真に必要とするのは中野学校のような教育機関ではないではなかろうか。

世界最強といわれる諜報機関モサドを持つイスラエルには「タルピオット・プログラム」と呼ばれるエリート教育プログラムがあるのだが、中野学校でもこのように特別な教育プログラムがあったに違いないと考える。

本書ではその教育内容には詳しく触れられていなかったのが残念であったが、中野学校の理念、そして、その息遣いは、わずかながらも感じることができた。

「強い人ほど優しい。強い人は余力があり、弱い人を助けたくなる。誰でも『他人のために働きたい』とは思っている。それには強くならなければ」

小野田寛郎


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