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中年オジサンが二人、某デパート1階化粧品売り場をうろつく。

冬の季節も終わりに差し掛かり、そろそろ暖かくなってきた頃の出来事です。

米国から来日した60代のオジサンが、帰国前に家族のお土産を買って帰りたいと言うのです。孫にオモチャを買いたいと言うので、私はヨドバシカメラを案内しました。
要件を済ました客人は、妻に香水を買って帰りたいとのこと。ヨドバシカメラの香水売り場に行くと、「日本製の香水がいい。」というのですが、さて困りました。見渡す限り輸入物の香水ばかりなのです。
日本製の香水、しかも女性用ともなると私が知っているワケがないので、とりあえず某有名デパートに向かうことにしました。

そして辿り着いたのは有名デパート1階の婦人雑貨・化粧品売り場だったのです。

一応言っておきますが私は中年のオッサンです。その横にいる客人は私よりも年上のオッサンなのです。化粧品売り場にこの二人はとても目立つ・・・(汗
そこはとても清潔感のあるキレイなフロアで、お客さんも店員さんもオシャレをしています。そして化粧品のテスト?なのか店員さんから化粧をしてもらっているようです。

これってオジサンが見てもいいものなのか、、、(汗

ここは男子禁制なのではないのか?女性専用車両に間違って乗り込んだオジサンが白い目で見られているような状況と何か違うのか、、、(汗
異世界に迷い込んだ私、オジサンは動揺を隠せません。
ところが米国人のオジサンは気にする様子もなく、「どれが日本製なんだ?イブサンローランやシャネルは持っているから、日本製だぞ。」と全くブレていません。なんという強メンタル。。。
客人は日本語は全くできないので、私が聞くしかないのです。何店舗か確認した結果、ようやく出会ったのがDECORTÉという店でした。店頭には香水のテスターが置いてあり、実際に試せるようです。
私はさっさと選んでもらい、さっさと撤収したかったのですが、客人は「あの女性店員さんのおススメを聞こう。」とか言い出すのでした。

私は勇気を振り絞り、客人の希望に応えることにしました。ですが物には順序があるらしく、整理券を渡され並んで待つ仕組みでした。。。早くしてくれー(泣

そして15分くらい待った後に番号が呼ばれてカウンターに座ったのです。
それからは店員さんのご対応がもう素晴らしいこと。お若い店員さんでしたが、場違いなオジサン二人をお客として丁重にもてなしてくれました。落ち着いた笑顔でしっかりと時間を取ってくれたのです。
米国のオジサンは大変満足したようで、気に入ったものを購入していました。私は肩身が狭く落ち着かなかったのですが、店員さんと品選びをしている最中は恥ずかしさを忘れてよい時間を過ごすことができました。
オジサン二人は丁重にお礼をしてから堂々とその店を後にすることができました。

ということで米国のオジサンは日本のお土産を買って帰国していきました。国籍の違うオジサン二人は良い関係を築くことができたのです。

文+イラスト : ケーモティック


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