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こういうのは、他にもっと上手い人がたくさんいるから。

瀬戸の窯業訓練校を出てまだ間もないころ、あるギャラリーさんでグループ展をさせていただく機会があった。
そこで私は訓練校で学んだ古典的な染付柄をアレンジしてソバチョクを出していた。

まだまだ上手くはないけど、独自の文様を編み出したいと思って、古典的な染付の手法で、ちょっとユーモアある文様を考えたものだ。

10年ほど前の過去作。
サギと青海波を組み合わせたり、
松の文様をポップに並べてみたり

それに関してギャラリーオーナーからいただいた言葉が表題。文様アレンジはこれからも考えたいけど、なるほどと思わせてもらえた、気づきの言葉でした。

こういう古典的な染付で、しかも古典的なモチーフは、アイデアは良くても、もっと上手い人がいくらでもいる。つまり、技量がないと技の未熟さが目についてしまう。

訓練校出たばかりで、やってみたかったというのもあるが、出たばかりの技術力だと難しいものがあるのね…まだ釉と顔料の研究も足りないか。
ということで、私は一旦、あっさり古典アレンジ染付を離れた。

独自性はどこに生まれるのだろう。

染付で、アンティークな趣きのかっこいい陶磁器を作る作家さんは多いけど、いいな!と感じる絵柄には必ず独自の工夫、味がある。ストーリー性だったり、洒脱なタッチだったり、色合いだったり。上手さもあるけど、それだけではない。
どうやれば強い作品になるのか。模索はつづく。


私独自の文様と言えば、けっこう前からではありますが、本で見つけた「釉象嵌(ゆうぞうがん)」という手法を使って、フェンネル花文、フェンネル葉文というのをデザインしてみたりもしました。茴香花文と言ってもいいかも。

釉薬を針でガリガリ彫って、別の釉薬を筆で埋めているので、線がにじみトボトボとした線になります。
線と点だけのシンプルな柄ですが、技法とポエティックなデザインがうまくマッチしたかなぁと思います。

フェンネル花文大鉢、るり。しろもあります。

こちらはわりと好評をいただいており、アイテム増やしたり無くなったりもしています(型が壊れたりしたので)。

他にも、HANAスープマグというのもありましたが、手元にあるものが無くなったので、久しぶりに制作してます。右手よ、難しいんだが思い出してくれるか手描き技のコツを。たのむ。


2024立春も過ぎて久しぶりの投稿になりましたが、少しでもいい事を思い出した時に記しておきます。
写真が雑でごめんなさい。
ではまた(また間が開くとは思うけど)。