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明日、ひとりぼっちになるのは私かも。

私が運営しているシェアスペースひらくでは、不定期に「ごはん会」を開いています。
10~15人ほどの同世代が集まり、みんなでご飯を食べるだけのごはん会。

はじめるきっかけになったのは「平日の夜、一緒にご飯を食べてくれる友だちがいない」という、友人からの一言でした。
学生のうちは、学校に行けば友だちに会える環境があるけど、社会人になってからは、ライフスタイルも暮らす地域も少しずつ変化して、会いたいけど会えない、という状況が生まれやすくなる。
社会人になってから、会社の同僚以外で新しい友だちをつくるにも、出会いもないし、難しい。
周りを見ると、意外と同じような悩みを持っている同年代が多いことに気づき、じゃあみんなでごはんを食べようか、とごはん会をはじめました。

立場も、年齢も、地域も関係ない、みんな平等の場所

大切にしていることの一つに、名刺交換をしないことがあります。
社会人になって、異業種交流会みたいな場に行くと、名刺交換からはじまることが多いと思うんですが、ごはん会では〇〇会社の〇〇ではなく、その人としてその場にいてほしいから、名刺交換しなくてもいい雰囲気になるようにしています。
というより、そもそも名刺持ってこない人の方が多いかもしれないな。

準備は私や、ひらくのメンバーでやることが多いですが、片付けはみんなで。
「そろそろ片付けするよ~」と声をかけると、皿を洗う人、拭く人、テーブルを片付ける人…とそれぞれが片付けをしてくれます。
些細なことだけど、ただ話すだけじゃなくて、一緒に共同作業することで、ちょっとだけ仲間意識が生まれるというか、みんなでなにかやった感をみんなで感じると、なんとなくその場がいい雰囲気になる。

年齢や立場はひとまず置いておいて、目の前にいる人と、いろんな話ができる。会社でも家族でもないもう一つの居場所を持つことが、社会の荒波を生き抜くためには必要だけど、なかなかその居場所をつくることは難しい。
ひらくのごはん会は、そんな居場所の一つにもなってくれたらうれしいな、と、細々と続けています。

孤独を感じることは誰にでもある

会社のちょっとした愚痴を同僚にいうと大げさに捉えられてしまうこともあるし、家族は過度に心配してしまう。
そこまで大きなことじゃないのに、周りに気を遣って言えない状況が積み重なると「誰にも言えないんだ」と、どこかで孤独を感じてしまうこともある。

寂しがり屋だから、家族が近くにいないから、友達がいないから。
そういう人たちだけではなく、誰にでも孤独を感じる瞬間は必ずある。

家族でも会社でもない居場所を持ち続けていないと、いつかひとりぼっちになってしまうかもしれない。
そう思わなくていいように、私は居場所を持ち続けています。他愛のない話を、どこかに所属している私ではなく、なにも肩書きのない私で話せる居場所を。

大切にしたい、社会的処方

私が所属してるNPO法人市民協働ネットワーク長岡が大切にしている「社会的処方」。

日本では現在、精神的に不安定な人に処方されるほとんどは、精神安定剤などの”飲む薬”ですが、薬で患者さんの問題を解決するのではなく、「地域とのつながり」を処方することで問題を解決するというもの。

また、詳しく書けたらいいなと思うのですが、私はこの社会的処方が生きていくためには大切だと思っています。

社会的処方という考えが、病になってしまった後の薬としてだけでなく、予防として誰にでも必要であることが、広く深く理解されていくといいなと。

そのためにも今は、関われる場所で伝えられることに尽力したい◎
それと同じくらい、誰かが出入りできる、自由な居場所も作り続けながら、繋げながら、人生を豊かに過ごしたいと思っていますし、それが私にできることなのかもしれません。

ひらくのごはん会がこれからもゆるく長く続き、誰かにとっても社会的処方で在れますように。

社会的処方については、ぜひ、所属NPO法人のコンテンツをご覧ください◎

▼冊子/ながおかの社会的処方箋

▼YouTube/つながりを処方する|学びの場

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