20231106

 曇りで風の強い一日。気温は高く、むしろ風は気持ちいいくらいだった。ラーメンフェスタも終わり、近所の公園では撤去作業を行うトラックが何台も列を連ねていた。それぞれの日常は交わることなく過ぎているが、お互いに知り得ぬところで支え合っている。こういう情景を忘れないようにしたい。
 TBS系『下剋上球児』の最新話を観た。鈴木亮平演じる南雲が副監督としてベンチ入りし、教員を辞める覚悟を決めた彼は最後の地区予選に出場する。先制するが、後半にエースのモトキ・ナカザワ演じる犬塚翔がスタミナ切れし逆転を許し、そのまま敗退して彼らの夏は終わる。幽霊部員ふくめ、たった一人で練習を続けてきた三年のキャプテン、菅生新樹演じる日沖誠は直前に起こした暴力沙汰の責任を取り、最後まで出場せずに引退する。小林虎之介演じる日沖の弟・壮磨は頑なに野球部に入ることを拒んでいたが、暴力沙汰の原因を作った自分の責任と、ずっと練習していた兄の姿を思い返す悔しさとで野球部入部を決意し、トレードマークだった赤髪を丸坊主にする。この場面は涙ものだった。そして、この回のクライマックスは南雲が出頭する場面で終わる。当初、甲子園出場のかかった決勝戦で勝てる試合でなく、自分たちの野球をやらせてほしいと嘆願して敗れたという過去を持つ、南雲の恩師である松平健演じる賀門英助が南雲の卒業証書偽造の事実を突き止める、デミアン・チャゼル監督の映画『セッション』のような後味の悪すぎる復讐劇になると思っていたが、この早い展開にますます驚いている。やはり実話ベースの話は、テレビドラマの媒体に向いていると思う。

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