20230415

 小川洋子の作品に絞り読書会をやる「小川洋子読書会」を昨年から不定期で開催している。今回の作品は『ことり』(朝日文庫)だった。〝ことりの小父さん〟と呼ばれる孤独な男性の生涯を描く。ポーポー語という独自の言語で小鳥たちと話す兄と過ごす幼少期を経て、両親を早くに亡くし、二人でつつましく暮らす日常。兄が亡くなってからは幼稚園での鳥小屋清掃、図書館の司書への片思い、鈴虫を特殊な虫箱に入れて歩く老人、窓に頭を打ちつけて傷ついたメジロ、鳴き合わせを行う集団、と様々な人々との出会いの中で少しずつ成長する過程を丁寧に綴っていく。読書会では毎回いろいろな読みを聞きながら、小川洋子の閉じられながら奥深い世界観に毎度驚かせられる。次回はどのような世界を見せてくれるのか、楽しみだ。

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