小判鮫 論2

前回からの続き

あれほど気をつけていた小判鮫、ハイエナに

人生リセットのつもりで、
海辺の街の端の方に居を構え、
穏やかに静かに暮らすことを願っていた。

身体は元気だが、
まずは自分の心をもう一度整えて、
惑わされず、静かな生活を送ろうと。

ある女性との出会い〜

人は食わなければ生きていけない。
どちらかと言うと美味しいものを少しずつ食べること
が唯一の楽しみだ。

静かにしていればよかったものの、
海辺の街の反対側の繁華街に行けば、
美味しく素敵なお店が沢山ある。

人の人情にも触れて、
人との交流も
なかなか満更でもないと思うようになっていった。

そんな人情味溢れる人たちとの交流の中で、
出会ったしまった女性がいた。
人生の苦楽を味わって、一所懸命に生きている人のように私には思えた。

私の心が緩んでしまった瞬間だった。
あれほど小判鮫とハイエナには気をつけろ と自分に何度も言い聞かせ、多くの失敗をしてきたにもかかわらずだ。

馬鹿であった。

「小判鮫」と言うキーワードに過剰反応

そんな彼女とのお付き合いは、
急速に距離を縮めた。

ある時、私が初めて「小判鮫」と言う言葉を使い、
過去にあった出来事を話し聞かせた時のこと。
私はただ単にそう言う過去があって失敗しているので、今度は全てを曝け出して何でも話すね。
と言う軽い気持ちだったのだが、
異常なほどの過剰反応を示し、
彼女はプイッと怒って帰ってしまったのだ。

この時のリアクションで、私は気がつくべきだった。
彼女が、小判鮫どころか金の亡者であることを。

次回に続く。

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