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組織にインパクトの考え方を浸透させる手法 〜キッズドア様へのご提供事例〜

はじめに

「インパクト」の考え方は徐々に注目を集め、その意義や有効性についての関心も高まってきています。
一方で、インパクトの考え方にご関心を持たれた方からは、この考えを社内に浸透させることに苦労するというお声もお聞きします。
今回は、インパクトの考え方を組織内に浸透させる手法「トレーニング・オブ・トレーナーズ(Training of Trainers)」の一例をご紹介します。

トレーニング・オブ・トレーナーズ(Training of Trainers)

トレーニング・オブ・トレーナーズ(以下、「TOT」)という手法は、組織やコミュニティの中で知識・知見などを広める・共有する役割を担う少数の「トレーナー」を、対象の組織・コミュニティのなかで育成し、育成されたトレーナーを通じて段階的に知見の「浸透」を行うものです。

この手法には、

  1. 学び手(トレーナー)が「伝える側」にまわることで自身の知識を深めることができる

  2. トレーナーは(外部者よりも)伝える相手を良く知っているため的確な伝え方ができる

  3. トレーナーが組織内で継続的に知見の浸透を行うことができる

などのメリットがあります。

インパクトの考え方の発祥の場でもある途上国開発の現場では、支援先のコミュニティの特定のグループに対し、保健、教育、組織運営などに関する研修を実施する際、しばしばこの手法が用いられています。

2022年7月から2023年2月にかけて認定NPOキッズドア様(以下、「キッズドア様」)に当社のインパクト・アクティベーション・プログラム(以下IAP)を提供させていただいた際、この手法を活用しました。


認定NPOキッズドア様の事例

キッズドア様は、「すべての子どもが夢や希望を持てる社会へ」をビジョンとし、経済的に困難な状況にある家庭の子どもたちへの無料学習会の運営を中⼼に、居場所⽀援、社会問題に対する啓発活動や政策提⾔、地⽅創成等、多岐にわたる活動を展開しているNPOです。

近年の急速な組織拡大による職員の増加やステークホルダーの多様化を受け、組織のビジョン・ミッションを全体に浸透させるという新たなチャレンジに取り組まれていました。
インパクトの考え方を組織内で共有していくことにより、現場を持つ職員たちが日々の仕事を組織のビジョン・ミッションと紐づけた長期的視点で考える力を強化し、組織全体が同じ方向を向くことを目指して当社のIAPを受講されました。
(キッズドア様へのIAP提供の詳細については、こちらをご覧下さい。)

インパクトの考え方を効率的・効果的に習得・共有していただけるよう、プログラムの参加メンバーの中から「コアメンバー」を選定していただき、そのコアメンバーにプログラムを実施した後、コアメンバーから残りのメンバーに対して学んだことを共有してもらう、という形を取ることにしました。
プログラムの一環として、コアメンバーが他のメンバーに対して、何の情報をどのような形で共有するのかを整理・計画する時間と、実際の共有の場を設けました。

プログラム参加者の声

プログラムに取り組まれたチームの方たちからは、下記のようなお声をいただきました。

  • コアメンバーが準コアメンバーにTOTを通して伝えていくことで学びを実践的に扱える手法を獲得できた

  • 当初目標としてきた準コアメンバーにまで「社会的インパクト」、ロジックモデルの作成手法までを理解してもらうことができ、次年度運営体制の基盤強化へつなげることができた

  • TOTの経験が自信になった

今回プログラムでご一緒したキッズドア様のメンバーが、プログラムでお伝えしたことを自らの言葉で他のメンバーに対して分かりやすく語ったり、今後のアクションプランを自主的にリードを取って作成したりする様子はとても頼もしく、求心力が感じられました。

当社がご提供したインパクト設計・マネジメントの知見が、キッズドア様の組織内で効果的に活用され、キッズドア様がこれまで以上に社会にインパクトをもたらされるだろうことを確信しております。

おわりに

今回は、組織にインパクトの考え方を浸透させる手法のひとつ、「トレーニング・オブ・トレーナーズ(Training of Trainers)」について、その概要と事例をご紹介しました。
インパクトの考え方にご関心がある方、それを社内で広めたい・浸透させたいという方は、ぜひお気軽にこちらのお問い合わせフォームからトークンエクスプレス株式会社までご連絡ください。

さらに知りたい方のために…

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