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脊髄損傷当事者のための学会「Walk Again 2022」まとめてみました➀

日本せきずい基金さん主催の「Walk Again 2022~いよいよ動き始めたiPS細胞を用いた脊髄損傷の再生医療~」に参加して参りました。
「Walk Again」でのお話は、脊髄損傷当事者の方、ご家族はもちろんですが、私たちのように脊髄損傷の方々に関わる者にとってもとても気になる、楽しみにしている学会です。

今年は会場でのリアル参加Live中継でのオンライン参加、そしてアーカイブ映像を視聴することができます!

勝手ながら、「Walk Again 2022」の気になるハイライトをまとめさせていただきます。動画でのだいたいの時間も記載させていただきます。
まだご覧いただいていない方は、ぜひ、動画も合わせてご覧ください!

岡野栄之先生(慶応義塾大学医学部)による「イントロダクション」

(09:50- )から始まります。

14:00- 「神経系の再生医療」とは、どんなことをやっているのか?というのをわかりやすく説明されています。
iPS細胞を用いて通常の神経の自然な流れ正常神経発生の現象を再現する。というのが再生医療の方法のようです。もちろんそれには、術後のリハビリも含まれています。”手術すれば治る!”ではないのです。

20:00- 慢性期の脊髄損傷治療の開発について
最近注目を集めている「遺伝子導入」し細胞を入れる方法や慢性期の脊髄損傷にみられるグリア瘢痕の対処(22:00-)についてお話されております。

26:30- 次世代の神経機能再生医療(リハビリ)MITとの連携を紹介

そして、岡野先生から各先生のご紹介があり、それぞれの先生方にバトンタッチされます。

小林喜臣先生(村山医療センター 整形外科)

「脊髄損傷治療の基礎から臨床に向けた取り組みと実際の臨床経験」

30:00 アメリカでの研究や現在の村山医院センターの今についてご紹介くださいました。
35:00 凍結した細胞も凍結してない細胞の移植と変わらない安全性と結果がでることがわかったが、細胞は準備できるのに腕のいい医師しか手術ができないのでは、多くの人に医療が届けられない。そこでアメリカで”誰もが安定・安全な治療を受けられるための新しい医療器具の「マグネティックニードル」”を開発されたそうです。
41:00 さらに胎児由来の幹細胞移植の実例について
手術により、患者により違いがあるが感覚や動き、疼痛の改善がみられている方の結果も。ここでも「マグネットニードル」が使用され安全に、確かな手術が行われたそうです。

46:30 現在勤務されている東京都にある”村山医療センター”では、
多くの脊髄損傷の方が入所しています。しかし、入院時のサポート(国の制度)が十分に整っておらず、受け入れれば受け入れるほど、病院やスタッフにとって負担が増す(費用/労働など)というのが現状の問題となってしまっているそうです。制度の改善に期待しつつ、今後も多くの脊髄損傷の方を受け入れていただきたいです。

坂井宏旭先生(総合せき損センター 整形外科)

「脊髄損傷データベース~Real World Date(RWD)としての活用を目指して~」

データベースの活用が”患者さんに本当に良い治療法を届けられる!”
53:00 データから分かる「4・4・8の予後予測」

「4・4・8の予後予測」とは、
受傷後すぐの状態にて
・完全麻痺の方の4%
・下肢に感覚のある方の40%
・下肢に動きのある方の80%
が退院時に、自身の脚で立てるようになる。

と言われているそうです。
さらに今日まで約10年かけて、現場で働く理学療法士さんたちの毎日の細かい項目データの積み重ねによって、実際の臨床にて大量なデータを集めることができ活用に繋がっています。
※ここではさらっとお話されていますが、後ほど、このデータ管理、積み重ねが大変で素晴らしいものか、、中村雅也先生が熱弁してくださいます

山中伸弥先生(京都大学iPS細胞研究所)より

「iPS細胞技術を当たり前の医療に」

1:17:00- 今回、山中教授はビデオメッセージでご参加されました。
血液や皮膚の細胞から作り出した”iPS細胞”は、どんどん増やすことができ、様々な細胞を作ることができる。iPS細胞によって、「再生医療」や「薬の開発」をすること。
1:25:00- 京都大学iPS細胞財団の細胞製造施設「FiT(フィット)」では、iPS細胞のストックを作っている。ストックは拒絶反応の少ないされる「iPS細胞ストック」、世界の大半をカバーできるとされる「ゲノム編集のiPS細胞ストック」、自身の細胞から作る「自家移植のiPS細胞」の3つをいつでも提供できるということを目指し活動されているとご紹介くださいました。

中村雅也先生(慶応義塾大学) 

「いよいよ動き始めたiPS細胞を用いた脊髄損傷の再生医療」

1:30:00‐  について、この会への意気込みを熱く語ってくださり、聞いているこちらもワクワクしてくる内容でした。現状の脊髄損傷の治療と回復について、そして現在の臨床研究の実態を語ってくださいました。
1:53:00 実際の手術の様子や細胞がどのようになっているのか資料をみせながらお話くださいました。
1:59:00 現在は、安全性や有効性をみるために特定の条件の方にしか手術をしていないが、今後の目標はもちろん慢性期脊髄損傷の方たちにも再生医療が受けられるようにしていきたい。していく!とお話くださり、再生医療が受けられる人の条件は、リハビリができる人。関節が拘縮せず、よりよい状態で身体を維持できている方。というのを強く仰ってました。

後半のパネルディスカッションに続く


サポートよろしくお願いいたします。サポートくださったお金はすべてJ-Workoutでトレーニングをしてく脊髄損傷の方々のトレーニング費用として還元させていただきます。