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カップ焼きそば満足度ベスト3の顧客分析!皆の選ぶ基準は?

 こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。

 突然ですがカップ焼きそば、時々無性に食べたくなることありませんか?

 私は特にペヤングが大好きで、小学校時代の早帰りの土曜日のお昼などによく好んでペヤングを食べていたり、大人になってからも夜中にお腹が空いた時などペヤングをかき込んだりしていました。そんなペヤング好きなので、日本へ帰ると友人がお土産にペヤングを持たせてくれたりします。
 ついついペヤング一択になってしまう私ですが、種類豊富なカップ焼きそば。実際どのカップ焼きそばが人気なのでしょうか?

 今回はKnowns Bizを用いて、人気のカップ焼きそばについて比較分析してみます。

カップ麺(焼きそば)の満足度×認知度

Knowns Biz調べ:カップ麺(焼きそば)の満足度×認知度
Knowns Biz調べ:カップ焼きそばの満足度ランキング

 まずカップ麺(焼きそば)の満足度x認知度を調べると、認知度に関しては日清焼そばU.F.O.とペヤングソースやきそばが90%超えでした。
 満足度で見てみると
 1位:日清焼そばU.F.O.
 2位:ペヤングソースやきそば
 3位:明星一平ちゃん
 という結果が出ました。
 どれも一度は聞いたことのある、または目にすることが多い商品ですね。

Knowns Biz調べ:カップ焼きそば購入者のデモグラ

 カップ焼きそば全体の購入者のデモグラ構成比をみると20代後半~50代前半が多く、アンケート回答者全体(グレーのグラフ)と比較すると​​30代後半から50代前半が主な購入者となっています。
 性別では女性の方がやや多く、意外に感じました。
 今回は満足度でトップ3に入っている人気のカップ焼きそばについて見ていきたいと思います。

日清焼そばU.F.O.

引用元:日清食品グループサイトより 日清焼きそばU.F.O.


 1976年発売。焼そばを鉄板で炒めたときの香ばしいロースト感を再現し、旨味の詰まった食欲を刺激する香り高きソースが特徴。
 「ソースが食いたい!」そんな時に心もお腹も満足できる、旨さと香りの濃厚カップ焼そばです。
 商品名のU.F.O.は商品の特長である「うまいソース(うまい=U)、太い麺(ふとい=F)、大きいキャベツ(大きい=O)」を表しているそうです。


Knowns Biz調べ:日清焼そばU.F.O.の7Journey

 7Journeyを見てみると認知率、ブランド選好率が圧倒的に高いです。ロイヤル層も多く、リピーターが多いようです。

Knowns Biz調べ:日清焼そばU.F.O.の年代別比較

 世代別の分析を見ても幅広い世代に認知されています。特に25歳以降からの認知は90%以上、その中で35歳以上は95%超えの認知率をマークしています。 

Knowns Biz調べ:日清焼そばU.F.O.のデモグラ

 デモグラフィック分析も見てみます。「日清焼そばU.F.O.」は女性の購入者がやや多いようです。
 現在購入者の構成比をみると30代~40代が多いです。またカップ焼きそば全体(グレーのグラフ)と比べてみると、30代後半~60代にあたる購入者のほうが高く出ており、幅広い年代に選ばれています。

どんな人に選ばれる?

 では、どのような人が「日清焼そばU.F.O.」を購入しているのかサイコグラフィックを見てみましょう。

Knowns Biz調べ:日清焼そばU.F.O.購入者の個人価値観
Knowns Biz調べ:日清焼そばU.F.O.購入者の社会価値観
Knowns Biz調べ:日清焼そばU.F.O.購入者の消費価値観

 サイコグラフィックを見てみると、個人価値観は「物欲少なめ」「時間にシビア」「時間長者」な方が多いようです。
 時間にシビアと時間長者という正反対のクラスターが並んでいるのは、幅広い年齢や職業の方に購入されているからかもしれません。
 社会価値観は「現状満足」な方が多く、さらに自分の経験や得た情報を元に行動をする「ゴーイングマイウェイ」な方も多いのが特徴です。
 消費価値観は「良いもの良い価格消費」「リピート消費」が上位にあり、商品を選ぶ際には自分が気に入ったものをよりお得に購入したい傾向がありそうです。

Knowns Biz調べ:日清焼そばU.F.O消費者の声

 消費者の声を見てみると商品特徴でもあるソースのスパイシーさや濃さ、麺の太さに関する声が多かったです。他には商品パッケージや名前にインパクトがあるなどの声もありました。

 「日清焼きそばU.F.O.」は広報にも力を入れており、大人から子供まで楽しめるような取り組みも多くされています。

 東京都稲城市・川崎市の「よみうりランド」内、新遊園地エリア「グッジョバ!!」では日清食品のロングセラー商品「日清焼そばU.F.O.」をテーマにした工場の中で、「日清焼そばU.F.O.」の製造工程や調理工程をアトラクションに乗って体感できるそうです。

 「日清焼そばU.F.O.」が出来上がるまでの一連の流れをゴムボートに乗って体感し、まるで「日清焼そばU.F.O.」の麺になった感覚が味わえたり、自分でデザインしたパッケージと具材やふりかけなどを自由に選んで組み合わせた、見た目も味もオリジナルの「日清焼そばU.F.O.」が作れます。

引用元:よみうりランドサイトより スプラッシュU.F.O.

 6月4日の公式Twitterでは「#UFO入浴剤作りました」と、「日清焼そばU.F.O.」のソースにそっくりな入浴剤の写真をアップし、8万件を超えるいいねがつくほど話題になりました。
 入浴剤は非売品だそうですが「セガUFOキャッチャーオンライン」と「日清焼そばU.F.O.」のコラボレーションキャンペーン「オンラインUFOキャッチャー 必ずプレイできる! キャンペーン」で手に入るそうです。

焼そばの入浴剤…入るとお腹が減りそうですね…!

ペヤングソースやきそば

引用元:まるか食品株式会社サイトより ペヤングソース焼きそば

 1975年にまるか食品が発売した定番商品。本格的鉄板やきそばをイメージし、コシのある麺、飽きのこないまろやかな味のソースで好評のカップやきそばです。
 商品名のペヤングは当時は高価だったカップ麺を、若い男女が分け合って仲良く食べてほしいという願いをこめて、「ペア」と「ヤング」を組み合わせた造語だそうです。

Knowns Biz調べ:ペヤングソースやきそばの7Journey

 7Journeyを見てみるとU.F.O.と同じく認知率、ブランド選好率が圧倒的に高いです。離反は3つの商品の中で一番低く、他の商品よりも一定のファンがついていることがわかります。

Knowns Biz調べ:ペヤングソースやきそばの年代別比較

 世代別の分析では30歳以降からの認知は90%以上、中でも50代前半の認知が最も高いです。1975年の発売時に子供だった世代が多いようです。

Knowns Biz調べ:ペヤングソースやきそばのデモグラ

 デモグラを見てみると、購入者は少し女性が多いです。現在の購入者の年代では、カップ焼きそば全体(グレーのグラフ)と比較すると​​40代~50代の割合が高く出ています。

どんな人に選ばれる?

Knowns Biz調べ:ペヤングソースやきそば購入者の個人価値観
Knowns Biz調べ:ペヤングソースやきそば購入者の社会価値観
Knowns Biz調べ:ペヤングソースやきそば購入者の消費価値観

 サイコグラフィックを見ると個人価値観は日清焼そばU.F.O.と同様、「時間にシビア」「物欲少なめ」の方が上位に、また意外にも「健康志向」な方も多いです。
 他のカップ麺と違い、スープがない分罪悪感が減る=健康的?な気がするからでしょうか。

 社会価値観、消費行動もU.F.O.と似通っていますが、人との繋がりを重視する「マインドフリー」や、作り手や商品開発のストーリーに共感する「コレクター消費」が上位に来ているのがペヤング購入者の特徴です。

Knowns Biz調べ:ペヤングソースやきそば消費者の声

 消費者の声を見てみるとシンプルで昔から変わらない味、他商品に比べてあっさりしたスパイシーなソース味を理由に選ばれている方が多いようです。
 またサイズや味のバリエーション、コラボ商品などについてのコメントも多く見受けられました。

 ペヤングソースやきそばは「ペヤングソース超超超大盛やきそばGIGAMAXシリーズ」や、「ペヤング獄激辛やきそばシリーズ」など話題となる面白い商品も多く、2023年2月には私の大好きな「ウマ娘」とのコラボも。
 2023年4月10日にはペヤングとアパホテルがコラボした「アパ社長カレー味やきそば」を発売しています。
 アパホテル発祥の地金沢カレーをペヤングやきそばで再現した商品で、具材にはシャキシャキと食感の良いキャベツと牛肉を採用しています。
 また七味唐辛子、オニオンチップ、エビのうまみが効いた「特製ザク辛スパイス」を用意。ソースは金沢カレーをベースに、本格派ビーフカレーをイメージした味わいに仕上げているそうです。

引用元:まるか食品株式会社サイトより ペヤングアパ社長カレー味やきそば​​

 独特な商品開発やコラボ、これからも注目していきたいですね。


明星一平ちゃん

引用元:明星食品サイトより 明星一平ちゃん

 「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズは1995年発売。ソースの香ばしさとマヨネーズのこってり感が特徴。ソースねり込み麺と香ばしいソースの相乗効果で鉄板で焼いたような夜店の焼そばの味を再現します。
 「一平ちゃん夜店の焼そば」の代名詞でもある特製からしマヨネーズ・通称“マヨビーム”は最初から全部かけて味わうもよし、 途中でかけて味変を楽しむもよし、とのこと。

Knowns Biz調べ:明星一平ちゃんの7Journey

 7Journeyでは認知率は他2つと比べ低いですが、ブランド選好率はペヤングよりを少し下回る割合です。他の2商品に近づくには潜在顧客をターゲットに戦略を立てるのもよさそうです。​​
 
今後ペヤングを抜かすチャンスもあるかもしれません。

Knowns Biz調べ:明星一平ちゃんの年代別比較

 世代別分析では40代以降からの認知率は90%超え。10代・20代の認知率が他2つと比べ最も低いです。

Knowns Biz調べ:明星一平ちゃんのデモグラ

 デモグラを見てみると、購入者は既婚女性がやや多いですが、他2商品と比べると男性の比率も高く、バランスが取れています。
 現在の購入者の年代では、カップ焼きそば全体(グレーのグラフ)と比較すると30代後半~60代の構成比が高く出ています。

どんな人に選ばれる?

Knowns Biz調べ:明星一平ちゃん購入者の個人価値観
Knowns Biz調べ:明星一平ちゃん購入者の社会価値観
Knowns Biz調べ:明星一平ちゃん購入者の消費価値観

 明星一平ちゃん購入者の特徴は他2つの商品と同様「時間にシビア」「物欲少なめ」が上位に来ています。
 3商品ともこちらが上位にきているのは、焼きそばはスープがない分早く食べられる・時間が経っても麺がそれほど伸びないことが「時間にシビア」な方にとっていいのもしれません。
 また焼きそば以外のカップ麺ですと、“有名店監修”や“こだわり食材使用”など、値段が少し高めの上位互換の商品が多くバラエティに富んでいるのに対し、カップ焼きそばはそういった商品をあまり見たことがない(あったらすみません…)のでその素朴な?点も「物欲少なめ」に繋がるのかもと思いました。
 社会価値を見ると、「自分より家族優先」「ゴーイングマイウェイ」と家族を気遣いながら自分の趣味にも没頭している人物像がイメージできます。 
 消費行動は「良いもの良い価格消費」が上位にありU.F.O.と似通っています。自分が気に入ったものをよりお得に購入したい傾向があるようです。

Knowns Biz調べ:明星一平ちゃん消費者の声

 消費者の声を見てみると商品特徴でもあるソースの濃さや特製からしマヨネーズに関する声が多数でした。「甘いソースの濃さとマヨビームの相性の良さ」や「味に変化がつけられるのがいい」などなど。
 その他にも「CMが記憶に残る」との意見もありました。

 2022年には麺のソースねり込み量を現行品から1.3倍にアップするというリニューアルを行なった同じ商品名の「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」。   

 2023年7月3日にはさらに鉄板で焼いた「夜店の焼きそば」の味に近づけるため、液体ソースのコク感と香ばしさ、さらにふりかけのソースの風味も強化した商品へリニューアルをすると発表しています。

引用元:明星食品サイトより 明星一平ちゃんCMキャラクターの本田翼さん

 また2022年よりドラマ、映画、CM、ファッション誌など幅広く活躍する本田翼さんを明星の別ブランドチャルメラに続き一平ちゃんでもCMキャラクターとして起用しています。
 2023年2月にリニューアル発売した「一平ちゃん やみつき塩だれ味」のCMでは本田翼さんと国民的アニメ『クレヨンしんちゃん』のオープニングテーマとして人気を博した「ダメダメのうた」の替え歌がCMソングとなっており、毎度記憶に残るCMと話題です。

 替え歌CMは大人から子供までつい口ずさんでしまいそうですね!


まとめ

 日清焼そばU.F.O.消費者の特徴
・30代〜50代前半・女性が主だが幅広い年代に人気
・スパイシーでこってり、太麺派
・物欲少なめ、コスパ重視、自分の気に入ったものを買い続ける傾向

 ペヤングソースやきそば消費者の特徴
・40代~50代、女性にやや人気
・あっさり、スパイシー細縮れ麺派、変わり種好み
・時間にシビア、マインドフリー、コレクター消費

 明星一平ちゃん消費者の特徴
・30代後半~50代前半、男女差ほぼなし
・甘口こってり、からしマヨ派
・時間にシビア、U.F.O.と似た買い物傾向

 全体を通してカップ焼きそば選びに関しては「ソースの濃淡・甘辛」「麺の太さや食感」を基準に選んでいる方が多かったです。

 またKnowns Biz内のデータを使った今回の分析では都道府県別の差異はあまりなかったのですが、2014年に行われたJタウン研究所の調査によると、西日本はU.F.O.派、東日本はペヤング派が多かったようです。
 調査から約9年たっているので今では環境も変わっており北海道のやきそば弁当も、関東でもよく売っていますね。

 みなさんの推しカップ焼きそばは何ですか?

参考:Jタウンネットサイトより 都道府県別「好きなカップ焼きそば」 

筆者のひとこと

 みなさんは「カップ焼きそば現象」を知っていますか?
 桜場コハル先生の漫画「みなみけ」に登場する、「焼きそばを食べたい時とカップ焼きそばを食べたい時は別の時」という話題から、オリジナルの模倣品・代替品が、オリジナルとは別の魅力・需要を持ち、個性として確立してしまう現象のことを言います。
 例えば「カニ」と「カニカマ」、「バター」と「マーガリン」なども同じような現象になるかと思います。
 私も焼きそばを食べたい=カップ焼きそばを食べたいではなく、カップ焼きそばを食べた次の日に焼きそばを作るなどするタイプです。
(話は逸れますが「みなみけ」、漫画もアニメも面白いのでオススメです!)

 また今回記事を執筆して「なぜ私はペヤングが好きなのだろう?」と考えていたところ、Knowns Bizのペヤング消費者の声に私と同じく群馬県民の声
が多く…というのもペヤングは群馬発祥の商品で大きな工場も県内にあります。
 そのため「子供の頃から食べているソウルフード!」とコメントされている方も多く、私もそのひとりだったのです…!

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