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オラクルカードのこと

わたしは大学生の頃、お互いに初めての恋人として付き合い始めた彼氏がいた。わたしにとって相手は大親友とも家族ともいえる信頼ある存在で、お互いに自然と「結婚したいくらい好き」と口にするような、そしてそれを確信するような満ちた関係だった。

あるとき大学の友人にオラクルカードをする人がいて、わたしと彼のことを占ってもらうことになった。

特に彼との関係で悩んでいたわけではなく、オラクルカードへの興味からぱっと思い浮かんだ占ってもらうためのテーマとして「彼とのこと」を選んだのだった。

友人はヘキサグラム(六芒星)の並べ方で占い、カードをひらいて結果を見た。

結果は、総合的な結果の位置に「結婚」のカード。占った友人もわたしもまさか40〜50枚のカードのなかからこんなにぴったりな結果が出るなんて、という驚きでいっぱいになった。

もちろんわたしのなかでは、彼との結婚について確信めいたものがあったことは断言できる。でもカードがそれを表出する結果になったことには、さすがに驚きを隠せない。

特にカード占いを信じていたわけではなかったけど、自分の心持ちに光をあててくれる感じがして、とても心地よい体験として心に残った。

それから数年後、わたしと彼はお互いにやりたいことがあり話し合いを重ねて円満に別れた。つまり、結局のところ結婚はしなかった。

だけど、単純に「オラクルカードが外れた」などとは思っていない。

あのときのわたしたちにとって「結婚」のカードは確かに真で、わたしたちが結婚するというもとからあった確信めいた予感に花を添えてくれたものだった。

そして、これは素晴らしい副産物だと感じているのだけど、未来は変えられるということも実感した。あれだけ確信に満ちていた結婚でも、自分の意志で道を切り開いたことで別の世界線に進むこととなった。

オラクルカードは高次元の存在や自分の神性とつながるものらしい。それは自分の現状に対して花を添える、後押ししてくれる、注意深くなるよういさめてくれるようなものだと思う。なんにせよ、自分の受け取り方がとても大切だ。

いくら高次元の存在や自分の神性とつながったとしても、自分の在り方や受け取り方によってはいいものにも悪いものにもなる(いい悪いの二元論で表現するのは本意ではないけど、便宜的に)。それはちょうど、目の前に人がいても自分の振る舞いや相手を理解しようとする姿勢次第で、相手からの反応や受ける影響が変わるのと同じようなことだ。

占いは単純に当たり外れで判断できるものではないし、それでは振り回されるだけでつまらないものだと思う。

自分のことを見直したい、本心に光をあてたい、新たな視点を得たいというタイミングで、生活に添えるようにカードを手にとってみるのがいいのではと思う

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