新エフェクターボード 大解説

 おう!無職の健太だ!近いうちに無職を脱するのが目標だ!
 その目標の第一歩として年末年始スーパーの鮮魚コーナーで短期バイトをしてきました。マジキツかったです。労働って大変だな。でも意外とできて自信になりました。俺やりゃできんじゃん。働きが良かったのか最終日に「盆も来てね」と言われました。行かないように頑張ります。

 バイトの前の時期にメルカリにハマりまして。ハマると言っても出品する方ですね。最初はエフェクターを売っていたのですが、次々にギター、ゲームソフト、コントローラー、ギター教則本ときて今は漫画を売っています。私はマキシマリストなのでモノに溢れすぎてずっと苦しかったのですが、モノを手放すことである種救われました。libertyってこういうことかもしれません。

 バイト最終日は1/2だったのですが、メルカリで得た資金とバイトで取り戻した体力を以て、新年早々エフェクターボードを新調しました。これは兼ねてよりやりたかったことなのですが、みなさんご存じの通り抑うつ状態にあり2年程停滞していた作業でした。未練晴らし、個人的成仏です。ちょうど後輩にエフェクターボードを売ったところだったので、少し大きめのボードを買いました。

 で、なんやかんやあり。完成したボードがこちらになります。

 美しすぎる!!!!!!!!!!!!!!!!
 今回はこちらの解説noteになります。

接続順

 

 番号をつけてみました。見た目通りの順番ではないんですね~。

概要

 前回のボードは直列でしたが、今回は直列ではありません。信号の流れは

ギター
 ↓
①→②→③
 ↓

(Loop1 : ⑤→⑥⑦→⑧→⑨)
(Loop2 : ⑩)
(CTL in : ⑬⑭)
 ↓

 ↓
アンプ(JC-120 Ch1)

です。ブロック図を書くのがダルかったのでテキストで説明していますが、理解してください。

① Xotic EP Booster

 まず最初はこれ。今も昔もこれ。ただし単体では説明がつかないので後述の③と一緒に説明します。

② TC Electronic Polytune 3

 最強。これないとライブできないかもしれない。私はペダルチューナー絶対入れろ派閥です。Polytuneは精度が良く、反応速度が早く、視認性が高いの3拍子揃っていつつ、ジャラ~ンとすればチューニングの確認もできる優れものです。ポリフォニックのチューニングは頭が混乱するのでほとんど使いませんが、単音の精度も素晴らしいので最強です。
 Polytune3にはBonafide BufferというTC Electronicの高品質なバッファを搭載しています。これがまた自然でめちゃくちゃ良いです。しかもトゥルーバイパスも選べます。僕はオンにしていますが、現在はクリーンブースターを前段で常時オンにしているのであんまり意味ない気がします。

③Electro-Harmonix Crayon

 このボードの根幹です。常時オンでクリーン~クランチを作るプリアンプ的な働きをします。私はJC-120を使うので、アンプに若干の歪みと飽和感をプラスする役割ですね。
 CrayonはTimmyのコピーだとか、BB Preampだとか言われています。音の特徴は、Full-Range Overdriveと銘打ってあるように、とにかく原音を崩さない(トランスペアレント系)かつ綺麗に歪みます。しかしこのCrayonは上と下は割と削れてしまいます。そこで、それを補正するために前段でEP Boosterでプッシュしてあげています。つまりニコイチで1つの音作る感じです。①と③は常時オンです。EP Boosterだけ前段でオンにする人はよく居ますが、僕の場合は後段の歪みに対するゲインブースターの役割です。
 このCrayonの位置はアンプの元の音を崩さず、かつ後段の歪みの性質に悪影響を及ぼさないことが大事です。ここにJan Ray等他の歪みを置いたこともありましたが、結局これが一番良かったです。Crayonは音が固いんですよね。でもそれが逆に後段のMaestosoや9/9にマッチして良いんです。エフェクターは可換でないので、歪みの順列を考えるのは非常に大切です。

④BOSS GT-1000core

 このボードの司令塔です。心臓です。シグナル的にはここまで直列で繋げていますが、GT-1000coreのoutputからは⑪に出てアンプで終了です。
 と、ここで説明を終わる訳にはいかず。GT-1000coreにはセンド/リターン(ループ)が2系統搭載されています。
 Loop1には⑤→⑥⑦→⑧→⑨と4つのエフェクターが直列で接続されています。このループは常時オンでオフにすることはありません。繋がれている4つのエフェクターは直接踏みます。なぜこれらを直列でなくループに入れているのかというと、歪みの前にも後にもマルチでエフェクトをかけるためですね。例えばピッチシフターは歪み前がいいし、ディレイは歪みの後ろが良い場合もあります(ディレイは歪みの前にもかけたい)。
 Loop2は⑩のジャンクションボックスが繋がれています。ただ繋ぎやすくしただけです。これは例えばたまーに使うペダル、コピーで使うペダル、新しく投入したいペダル等を挟むためのものです。具体的にはワウペダルやワーミーなどですね。Loop2はLoop1の前にも置けるので、ボードを組み直さなくても自在にエフェクトの追加が可能です。
 肝心のマルチエフェクトですけど。アンプモデリングは使用しません。主に使用するのはディレイ(ショート・付点)、オーバートーン、フランジャー等ですかね。ピッチ系・モジュレーション系・ディレイが多くなると思います。コピーの際は歪みやコンプも使うかもしれません。BOSSのエフェクトはとにかく綺麗で馴染みやすく(特にモジュレーション)使えないエフェクトがありません。加えてオーバートーンやテラエコー等個性的なエフェクトも使えるので案外飛び道具としても優秀です。ヴィブラートもペナペナ系で最高ですよ。

⑤Vemuram Jan Ray

 言わずと知れたブティック系ペダル。オーバードライブ界の王。評判は伊達じゃないです。僕はファングッズの一種として買った(TKやNCISの2人が使用)のですが、価格に見合うだけの価値はあると思います。
 とにかく音が上品。Timmyのパクりだの言われてますけど、Jan Rayは結構味付けが強めに感じます。Crayonは原石でJan Rayは宝石です。
 あととにかくローとハイが出ます。すっげーロー出ます。ありえないくらいローが出るので、後段の歪みとの組み合わせは凄く難しいです。なので、僕は後段でメイン歪みとして使う方が好きです。①~③が常時オンの状態でこれをオンにするとジャキジャキの素晴らしい歪みになります。割とドンシャリです。邦ロックのコピーで使っていたのですが、とうとうボードに入りました。割と普遍的なジャキジャキしたい時用ですね。

⑥Leqtique Maestoso

 最強~!!!!お前を一生愛す。TS系なんですが、クッソ歪みます。あとローが出ます。Toneを上げるとハイも割と出ます。ありがたい。TS系のクリーンミックスのニュアンスも出て非常によいです。歪んでいるのに芯が残る感じ。歪みのアルデンテ。TS系特有の塊感はやはりこれでないと出ないです。しかしこのままだと分離感に欠けます。
 そこで18V駆動!これにより分離感が出て最強になります。3ピースバンドのギタボとして最強の存在感を放つ歪みがここに誕生しました。音圧はこうやって作るんです。

⑦Leqtique 9/9

 カスエフェクター。愛すべきカス歪み。どこで使うん?ってくらい歪む。High(Tone)のノブがちっちゃすぎ。これは固定で使う感じですね。そして問題のBottom。上げるとどんどん分離感が無くなってブーミーになります。これは…… ビッグマフ!?マフのトーンを下げた感じの、あのブーミーさにそっくりです。それを利用して爆音でコード感を薄れさせたり、音の厚い単音ソロを弾く用途で使用しています。
 そしてそして、最もカスなのが、内部トリム!表に出せボケ!!!!!マジで。しかもこれいじるとめっっっちゃ音変わります。そんな大事なものを、筐体の中に……?せめてJan Ray方式にしろ。てか普通にノブ足せ。
 ちなみにこれ踏むとずっとハウります。ハウリングは、カッコいいからね!!!!Bottom下げてちゃんと音作りすると非常に良い感じの(しかしメタルでない)ハイゲインが得られます。アニソンとかやるとき良さそう。

⑧ARION SPH-1 Stereo Phaser

 凛としている。フェイザーは個人的に最もマルチとコンパクトの乖離が大きいエフェクトの1つだと思います。これは迫真機材部(cly)modです。フェイザーの一番好きなところは、前段の歪みの量に応じてエフェクトのかかり方が変化するところですね。クリーンではやさしく水中にいるような感じ、歪んでいると渦のようにぐるぐるです。カッティングにもアルペジオにも単音にもリフにも使えます。大好きなエフェクターです。

⑨Digitech Digidelay

 凛としすぎている。もちろんMod Delay。これを踏めばあなたも鮮やかでSadisticになります。グァーッという感じです。ディレイなんですが、空間の広がりを感じます。リバーブのアンチでもある私としてはこれでガシャアアアアアするのがたまらなく好きです。ピッキングニュアンスへの追従性も良く、コードストロークで踏むと大雨みたいな音になります。最近はもう手放せなくなってきました。好きすぎて普通にスクリーモのオリジナルバンドやPeripheryのコピーとかでも使ってました。唯一無二。替えの効かないエフェクトです。

⑩Junction Box

 Yahoo!フリマで3000円。1500円引きのクーポンがあったので1500円。自作より安いので買いました。クライオ処理とか書いててよくわかんないんですけど、普通に動作するのでOKです。

⑪TC Electronic Spark Mini Booster

 GT-1000coreのアウトプットって上にあるんですよ。僕はアンプへ向かうケーブルは左下から出したいんですよ。そのためのアレです。ぶっちゃけなんでもいいんですが、どうせならただのジャンクションボックスでなく、常時オンで効果を発揮するものがよかったので、アウトプットバッファや音量調整として使えるクリーンブースターのこちらを採用いたしました。
 もしかしたらノイズリダクションとかにするかもしれません。今気になってるのはMXRのM109S 6 band eqです。グライコ最後段は普通に便利そうですよね。

⑫Vital Audio VA-08 MkⅡ

 すべてのエフェクターをこれ1つで電源供給しています。天才か?
 アイソレートタイプのパワーサプライで、電圧可変800mAが2口、9V500mAが6口の計8口です。まずEP BoosterとLeqtiqueを18V駆動したいので可変の2口はこれ。GT-1000coreの消費電流は670mAなので9V500mAでは許容を超えます。ここでカレントダブラー。CAJが出してるのでこれを購入。これで2口。
 残りは4口。まずDigidelayとJan Rayに1口ずつ。残り2口。エフェクターは4つ。ここでVA-08についてきた電流分配ケーブルを使います。SPH-1とCrayonは分配で供給(両方アナログのためOK)。最後にPolytune3に繋ぎます。Spark miniは?実はPolytune3(というかフルサイズのチューナーには)DC outがついています。そのDC outからSpark miniへ。ちょうど8口。完璧だ……。

⑬Mission Engineering TT-2

⑭Hotone Ampero Switch

 この2つはGT-1000coreに繋いでエフェクトのオン・オフに使います。用途によってはLoopのオン・オフも割り当てられるので使い方は無限大です。ライブ中は本体のフットスイッチは踏みません。4個あれば大体エフェクトは足りるし、足りなくてもMC中にパッチ切り替えればいいから大丈夫です。

こだわり

 こだわり、たくさんありますけど特にこだわっている部分をば。

ボードのサイズ

 私はボードはできるだけ小さく、無駄な隙間は少なくしたい主義なので、ギリギリエフェクターが収まるサイズのボードにしたいんです。
 今回の新調前はキョーリツのEC-50というボードを使っていまして。それを横に伸ばしたようなサイズ感のものがいいな~と思って同じくキョーリツのEC-80を購入しました。私はほとんどギター弾くときは目の前にマイクがあるんですが、ボードに奥行きが増えるとマイクスタンドとの位置が変わるので感覚がズレて嫌なんですよね。キョーリツ(KC)のエフェクターボードは軽くて安価でとても良いです。

すのこ

 私はこれまでも、上記のキョーリツのボードにすのこや板材を敷いてボードとしてきました。ボードの中にすのこを敷くメリットは大きく3つ。
 1つ目は嵩上げです。私はCANAREのシールドケーブルを使用していますが、ストレートプラグのものですと、キョーリツのボードのように縁がある(受け皿状になっている)ものの場合は干渉してしまいます。すのこを敷くとそこの嵩上げができます。
 2つ目はマジックテープを貼れることです。キョーリツのボードの底には柔らかい布が張られているのですが、これが厄介で。直接マジックテープの固い方(Hook)を貼るには力が弱く、しかし柔らかい方(Loop)を貼ろうにも布なのですぐ剥がれてしまいます。そこですのこを間に挟んで、すのこに柔らかい方を貼ることで、エフェクターをガッチリ固定できます。
 3つ目は配線を裏に隠せることです。これにより見た目がスッキリ見えます。配線を表に出したまま綺麗なボードを作るのはパッチケーブルやDCケーブルの長さを考えなければならないので面倒ですし、費用がかさみます。それを誤魔化せるのは結構大きなメリットですね。結束バンドやマジックテープでケーブルをすのこに固定すれば、演奏途中で抜けるリスクも減らせます。
 以前使っていたキョーリツのEC-45やEC-50は100均一にたまたまジャストサイズのすのこが売っていたのですが、今回はジャストサイズのものがなかったので自作しました。小さめのすのこを4つ購入し、ノコギリでギコギコし、ボンドでくっつけました。このままでは味気ないのですのこを青と黒のグラデーションみたいな感じで塗りました。かっこよく塗れたと思います。
 すのこはできるだけ横の板の幅が細く、厚みが薄いものがいいです。材は桐がいいですね。軽いし、吸湿性があります。アルミ製のすのこボードを買えば楽ですが、こういうところこそこだわりたいところです。

スペクトラムアナライザみたいでカッコいい

汎用性・拡張性

 前のボードは直列で歪み前でMS-50Gを使っていたのですが、今回のボードはそれをGT-1000coreに入れ替えてループに入れることでエフェクトを歪みの前後にかけられるようになりました。また単純にエフェクトの性能が向上しています。フットスイッチの数も増えたことで、マルチで出せる音の数が増え、様々な音色に対応できるようになりました。
 歪みもJan Rayが追加されたことで幅が広がりましたね。Jan RayをMaestosoの前段ブースターにしてもいいし、逆にしてもいいし、いろいろできそうです。
 さらに⑩のジャンクションボックスを追加したことで、Whammyやワウ等(個人的には)たまにしか使わないエフェクトも追加が容易になりました。メタル用の歪みをここに挟めばメタルだって楽勝です。
 さらに普通にGT-1000coreの歪みも素晴らしいです。全体的に汎用性が高く、拡張性も高いので敵なしのボードに仕上がっています。

演奏時のことを想定した配置

 これは前のボードからそうですが、配置についてこだわっているところが大きく2つあります。
 1つは踏むエフェクターは手前にしか置かないことです。写真をよく見ればわかるんですが、フットスイッチハット(だっけ?)は手前のエフェクターにしかついてないです。これはハットが付いているエフェクターだけを踏むということでして。奥のエフェクターは踏まないような配置になっています。そのためにGT-1000coreに外部スイッチを4つもつけています。奥のエフェクターを踏むのはツマミがズレるリスクにもなりますし、何より歌いながらノールックで奥のエフェクターを踏むのは至難の業です。踏むは手前に限ります。
 もう1つはエフェクター間の間隔を空けることです。これも同様、ギターボーカル時にノールックでパッパッと踏むためです。多少雑に踏んでも目的のエフェクトの音になるよう間隔を考えて空けています。Twitterとかで見るボードは結構詰め詰めの人が多いので、踏むとき間違わないのかなーと思っています。少なくとも僕は詰め詰めだと2個踏んじゃったりするので、間隔を空けるのは大事です。

重量

 これも重要なファクターです。さすがに今回のボードは多少重たくなってしまいましたが、それでも同サイズ・同じような音を出せるボードよりは軽いと自負しています。
 まずボード、あとすのこ、これはかなりボードの重さに寄与します。せっかくならARMORにしようかとも一瞬思いましたが、クッソ重いのでやめました。
 1つ1つのエフェクターの重さも結構重要です。僕が載せているものは全部比較的軽いエフェクターですね。例えばMXR distortion+のような設計が古いもの、iSP Technologies DECIMATORとか特殊なものなんかはクッソ重いので、そういうのは避けています(Jan Rayはブラス筐体なので重いですが致し方なし)。
 あとできるだけマルチに頼るようにしてますね。本当はディレイやオクターバーはコンパクトで用意してもよかったんですが、GT-1000coreをなるべくフル活用する方向にしました。歪みエフェクターは個性もありますし、その場その場で細かくEQを調整するためにもできるだけコンパクトを使用しています。逆にディレイ等はタイムを固定していたほうが良い場合もありますね。

ケーブル

 あまり上等なものは使用していませんが、基本的にパッチケーブルはEBSのフラットパッチケーブルで統一しています。僕の知る中で最も省スペースで、音質も良いパッチです。GT-1000coreのアウトプットからSpak miniへの接続はEx-proのぶっといシールドで繋いでいます。なんかこれで繋ぐと音良いです。
 今まではソルダーレスケーブルを使用することもありましたが、ソルダーレスは事故が多いし、結のプラグとFTTのケーブルで作っても結局結のプラグが良くなくて音質も微妙なので今回はできるだけ使いませんでした。でも結局GT-1000coreのLoop2とジャンクションボックスの接続に2本使いました。常に使うセクションではないので妥協です。
 DCケーブルはVital Audio純正、Ex-pro、Custom Audio Japanを使用しました。本当は全部LLプラグが良かったんですが、分配とか長さの関係で妥協しています。でも変なDCケーブルはなんかノイズとか乗りそうなんで一応信頼できるメーカーのものに絞っています。今はVA-08にこれですけど、例えばZumaにオヤイデにしたら音変わるんでしょうか?いずれにしろそんな金は今はないので妥協です。

おわり

 かねてよりやりたかったこと、成仏のため、断捨離の一環でボードを組み直しました。マジでめっちゃ疲れました。特にDCケーブルの配線。Twitterとか見ててもこんなにこだわっている人間はあんまり居ないと思います。
 今回ボードを作ったことで、さらに自分に必要なものとそうでないものの境界がはっきりしてきたように感じます。断捨離はまだまだ続きそうです。そしてモノを手放したら、また新たなモノとの出会いがある筈です。俺の人生はまた1つ動き出しました。
 みんなもボードをつくろう!たのしいよ。

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