絶対に行かなきゃいけない国が、そこにある。
この物語は、好奇心溢れる学生時代に経験した「インドひとり旅」の話で、全て事実である。
またこれから記述する文章は、旅中にSNSに投稿していた文章であり、それらを読みやすくするため編集を加えている。
旅をしながらSNSに投稿していた時は、
「そんなことが起こるはずがない」
「作り話しじゃないか?」「絶対嘘だ」
といった反応も見受けられた。
しかし、何度もいうが全て事実であり、仮に信じられないのであれば実際にインドにいって自分の目で確かめてみるといい。
インドでは想像もできないことが毎日起きたのであった。
卒業旅行シーズンに悩む、1人の学生
2017年11月中旬、寒さが厳しくなる季節。
街ではハロウィンが終了し、休む間も無くクリスマスのための準備が始まる。
その時、僕は悩んでいた。ひどく悩んでいた。
「彼女のクリスマスプレゼント、何を買おうか」といった平凡な悩みではない。
ひどく悩みながら見ていたものは航空券予約サイトだ。
当時、学生の身であったため、出国日や帰国日を柔軟に決められた。
いつ旅行しようかなど、悩むまでもない。
悩んでいたのは「行き先」だ。
僕は航空券予約サイトをじっと見つめながら、ひどく悩んでいた。
しかし気づけば無意識に出発地を「関西空港」、行き先を「ニューデリー」と設定し、あと1クリックで予約する状態になっていた。
出国日は1月27日、帰国日は2月24日と設定していた。
約1ヶ月間の旅となる。
期間も自分で決めればいい。怖いのであれば2週間でもいい。
しかし、なぜその時「1ヶ月」と設定したのかもわからない。
これがインドの魔力なのだろうか。
拒んでいるはずなのに、どんどんインドに引き寄せられていく。
インドは旅人をジワジワと魅了する。
「インドかぁ〜〜〜〜やっぱ怖えええよおお」
当時、すでに海外に慣れていたとはいえ、インドはさすがに身構える。
当時、インドと聞けば何を連想しただろう。
牛。カレー。嘘つきインド人。ぼったくり。そして何よりも不浄の左手だ。
様々な試練が待っている。もはやバカンスではなく修行だ。
googleでいくら情報収集しても、快適に旅している姿が全く想像できない。
しかし、現地の情報を調べれるにつれて、「行かなきゃいけない国が、そこにある」と強く感じ始めていた。
「みんな、インドに行く前は、こんな気分なのだろか。」
きっとみんな最初はインドの混沌さに怖気つくはずだ。
しかし、ジワジワとその「混沌」に惹かれ、気づけば飛行機を予約してしまっている人も少なくないだろう。
そうこうしているうちに、悩みが徐々に「混沌への好奇心」に変わり、『予約確定』のボタンをタップしていた。
自分もインドが放つ魔力の犠牲になってしまった。
人生で絶対に忘れることのできない、インドの混沌旅が始まる。
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