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世界で何が起きているのか

ソ連の崩壊、アラブの春、トランプの当選などを予言し注目を浴びた現在のヨーロッパ最大の知性と言われる方らしい。

教育格差がもたらす階級化社会という副題からは、昨今の格差の固定の要因に、教育格差があるというような論調を予想させる。

ただ、彼の発想は、とても独創的で、そこに留まらない。更に踏み込んで、学歴と知性が分断され、エリートが本当に知性的なのか、がわからなくなってしまったという。

要するに、世界的に学歴が経済的成功を約束する資格と化し、知性的には劣化しているという事だ。

その他、グローバル疲れから反自由貿易つまり保護貿易主義が生まれた必然性を説き、むしろ好意的に論じている。英国のEU離脱やトランプの保護貿易主義にも好意的である。

また、将来的には米中の対立は決定的で、米国一国では対応できないため、ロシアと組むのではないかと大胆な予想も。

日本については、楽観的な部分が私は同意できないが、少子化が国力を決定的に損なうこと、女性の地位が低いこと、完璧を求めすぎるところ、が大きな問題となっている点は同意できた。

自国のフランスやドイツ、EUについては総じてかなり辛口で、フランス人はもはや民衆革命の子孫ではないとまで言っている。

全体的に独創的視点で刺激的であり、お勧めです。

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