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20世紀の知

ダーウィンの進化論、マルクスの資本論、そしてフロイトの精神分析学。近代の人間観に大きな変革をもたらした本。

実は私の大叔父は古澤平作という人で、実際にドイツに渡りフロイトに弟子入りしている。そんな縁もあり、この本を手にとりました。

今日は序章について。この本は講義形式であり、おそらく医学生に対しての講義。序章では、精神分析学の理解の困難さと世間からの非難について語っている。

理解の困難さの第一は、心的な過程は、それ自体が無意識なものであるという点。当時の学問や教養(今でもそうかもしれないが)では、意識的なものこそ心的な事象という常識があった。

第二は心的、神経的な病気は性的欲動に起因しているという点。それどころか芸術や文化や社会的創造についても性的欲動が昇華されたという。これは社会的にむしろ忌避されてきた性的なものを学問のど真ん中に持ってくるという点でかなり世間から非難されていると語っている。

その他にも精神分析療法の結果が目に見えないものであることも、世間から紛い物、怪しげな宗教のようなものという批判がある。

世間からは理解されていないが、それでも興味を持つものは講義を聴いてよい、と語っている。

明日以降はその続きを。

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