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ワンチャンス

最近日中でも冷え込むようになってきた。大学では、メインストリート沿いの木々が紅葉の真っ只中だ。毎年恒例なのだが、美しい紅葉と共に、写真を撮る観光客と大学内を自転車で行き来する学生との攻防も見ることができる。むしろこちらがメインかもしれない。

ここで先日見た映画を紹介したい。タイトルは「ワンチャンス」。1人の男性がオペラ歌手になり成功するまでの話なのだが、主人公には自信がなく、一歩を踏み出せない。それでも歌手になるべく単身で留学する。ある時、憧れのオペラ界の巨匠の前で独奏する機械を勝ち得るのだが、自信がなく緊張のし過ぎで声が十分に出せないで終わってしまう。ましてや巨匠に、「一生歌手にはなれないだろう」とまで言われてしまった。彼は酷く落ち込んでしまった。それどころか一時期は歌うことすらやめてしまう。そんな時に主人公を支えてくれた女性がいた。この女性、もちろん妻になるのだが、と共に慎ましい生活をおくる中、歌の練習も続けた。そんな中偶然見つけたオーディションに出て成功するというお話である。

驚くべきことは、このストーリーが実話にほぼ忠実に基づいていることである。実際にブリテンズ・ゴット・タレントというオーディションに出場したポール・ポッツという人の半生がモデルになっている。私は実際のオーディション映像を見たことがあるのだが、とても感動的だった。彼は、オーディション出場時、街の携帯電話屋さんだったのだが、もし自信を持てないという理由だけで(本人には深刻な問題だろうが、)オーディションに出ると決めていなかったら、歌手になれるという可能性すらも掴めなかっただろう。

私自身、大学生活の中で、この映画のような人生を決定的に変えてしまう機会は巡ってこないかもしれない。だけど何か一歩踏み出す勇気が、それを裏付ける自信が必要な時には、出来ない理由を考えるよりも、挑戦できるような自信を持ちたい。そう思わせる一本であった。

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