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お初天神近くでぼったくりバー被害

(はじめに)


 
先日(2004年)、大阪でぼったくりバーの被害に遭い、大変な思いをしました。すっからかんになって長野県○○市に帰るため関西在住の友人にお金を借りて帰って来ました。以下は警察に届けた被害届と、その友人への礼状です。皆さんに御一読頂き、もし何かのご参考になれば幸いです。なお、差し障りがあるので伏字が多々ありますが気にせず読み飛ばして下さい。
 

1.  被 害 届

 
平成XX年5月4日
長野県○○市△△0-00-0
氏名 凸山凹夫
昭和XX 年YY月ZZ日生
職業:凸凹大学助教授
 
(概要)
 5月1日(土)の夜、大阪曽根崎2丁目でぼったくりバーの被害にあいまし。ビール3本と水割り1杯で54,000円も取られました。
 
(詳細)
 5月1日(土)大阪市北区曽根崎で凸凸大学工学部応用化学科○○研究室の同窓会が、16:30から19:00の予定で、曽根崎2丁目X-Yの「○○大厨新天地」(お初天神北口前)で開かれ、出席しました。約20名の出席があり、19時に閉会しました。2名を除き、その近くで幹事があらかじめ予約しておいた2次会会場へ行き、20時頃閉会。3次会はさらに4名ほどを除き、阪急かっぱ横町で21時頃まで行い、大いに語り合った後、散会となりました。そこで、阪急で帰る者、新幹線で広島や東京に帰る者などと、再会を約して別れました。私は長野県在住でその時間からは帰れないので、皆と別れ一人で、先にチェックインを済ませておいたホテル(梅田○○ホテル:曽根崎2丁目X-Z)へ、阪急梅田から御堂筋沿いを歩いて向かいました。しかしホテル前に来たとき、ラーメンを食べてからホテルに帰ろうと思い、ホテルの前を少しすぎて、少し御堂筋を南に行き一つ目の角を左に曲がって、もう一度お初天神北口の通りに入りました。
 
 そのあたりでラーメン屋を探してあちこち眺めていたら、その路上で、47~8歳のなまりのある叔母さんに声をかけられました。灰色がかった薄青の、薄手の春物のコートを着ていました。日本語は完璧でしたが少しだけなまりがありました。それで私が「アンニョンハシムニカ」と言ったら、韓国人と悟られたことにびっくりして、自分はプサンの出身で、プサンといったり来たりしていると言いました。そして「うちの店に来て」と言われました。しかし、私は「いや、私はラーメンを食べたいだけだからいい」と断りました。しかし、しつこく誘うので、「ぼったくりの店じゃないの。いやだよ。」と重ねて断りました。しかし、「うちはそんな店じゃないよ。ラーメンもつけて出すから1万円でどう?」となおも誘われた。ラーメン屋も見つからなくて困っていたので、1万円までならいいかと思ってついて行ってしまいました。
 
 この通りのすぐ近く(お初天神北口から30メートルくらい)の雑居ビルを、その叔母さんとエレベーターで上り店に入りました。店に入ると客が全くいません。入り口付近のソファーに、飲みつぶれたのか眼をつぶって、一人ふんぞり返るように座っている45歳くらいの男がいました。誰もこの客の相手をしていません。これはあぶない店だと直感しました。
 しかし、一番奥のソファーに案内されて、壁を背にして座りました。私の前に机があり、私から見て左手に、37~8歳で155センチくらいのぽっちゃりした女の人が来て座り、右手には30歳くらいで160センチくらいですらっとした女の人が来て座りました。私の正面にはさっきの私に声をかけた47~8歳で155センチくらいの叔母さんが座りました。左手の女の人は、黒のTシャツを着て灰色のスカートをはいていました。名前は金○子(日本名は凸本○子)と言いました。なまりは全くなく、日本で育った在日ではないかと思いました。しかし、さっきの叔母さんの妹だといいます。正面の女の人は、つまり、さっきの叔母さんは、この姉さんで48歳、名前は金△淑(きむ△じゃ)と名乗りました。漢字で書いてくれと言ったら、それぞれ上のように書きました。私の右手の女の人は、横顔から見ると鷲鼻で目つきが悪く、きつい顔をしていました。白いブレザーを着て白いスカートをはいて座っていました。しかし、日本語が余り出来ず、左と正面の姉妹によると、ソウル(だったと記憶?)から来たばかりで、姉妹ではなく、友達だということでした。名前は朴(パク)なにがしと言ったように思いますが発音が聞き取れませんでした。このように一通り紹介が終わると、あなたはどこから来たと私に、正面の叔母さんが聞きました。韓国だよ答えたら手をたたいて喜んでいました。私は、ハングルを以前習っていたことや、英語がしゃべれることなど、外国語に興味があることを話しました。
 そしたら、叔母さんがまたしつこく私の出身を聞くので、名刺を1枚見せたら、左の女の人がそれを胸のブラジャーの中へしまってしまいました。(しまった、これは変だ。名刺なんか見せるんじゃなかったと後悔しました。)それで、ああ長野県の人かと言われました。そしてどこに泊まっているかも聞かれたので、梅田○○ホテルだと答えました。(なぜそんなことが必要なのか不思議でしたが、不覚にも、あまりその時は深く考えていませんでした。)21:15~22:00くらいの小一時間ほどいて、小瓶ビール(銘柄、diet)3本が出ました。私はその1本を飲んだだけでしが、あとの2本は左手と右手の女の人が飲みました。つまみは全く何も食べませんでした。
 
 小一時間して話しもあまりないので、出ようとすると、正面の叔母さん金△淑がすーっと奧へいなくなりました。そして、左手の女の人、金○子に3万5千円ですと言われました。1万円だったはずだし、ラーメンも出てこなかったので、約束が違うと思い、キャッチ役の叔母さん金△淑を呼んでくれと言ったのですが、出てきませんでした。やっぱりぼったくりの店だったんだと怖くなりました。ここで名誉にかけて言いますがエッチなことは何もしていません。私の職業でどこに行こうとそんなことは出来ないのです。ですから、ただ座ってビールを飲み、よもやま話をしただけなので、こちらに全くやましいことはなく、小瓶ビール3本で3万5千円はひどいと思いました。しかし余りしつこく言って、けんかになると奧から男が出てきそうなので、財布から3万5千円を出し、現金で払いました。道頓堀や淀川に死体で浮きたくはなかったのです。このとき、彼らは明細書も領収書も出しませんでした。ぼったくりの店だから出すと足がついてやばいのだろうと思いました。なお、後で判ったのですが、私が財布にVISAカードを入れているのを、この時金○子はしっかり見ていたようです。
 
 私が席を立つと、左右から、2人の女の人つまり金○子と朴が、私の腕をガッチリと組んで、「次、行くよ。私達2人のどっちがいい?」と思わせぶりなことを言って、私の股間を金○子が触りました。私はもう金がないからと言って振り切ろうとしましたが、入り口付近にさっきから眼をつぶった男がいることを思い出して怖くなり、振り切れませんでした。なぜ入り口に男がいたのかその時はっきり判りました。もめたときに入り口をふさぐ用心棒なのです。客ではありません。そう言えば、小一時間いましたが、その間この男は1曲だけ韓国語の歌をカラオケで歌っていたのに、全く店の者が一人も相手していませんでした。飲みつぶれて寝ていた訳ではなかったのです。それでおとなしく2人に両側から腕を組まれたまま、店を出てすぐ近くの別の店に連れて行かれました。
 
 この店も先の店から50~60メートルくらいしか離れていませんでした。おそらく前の店とグルなのでしょう。3人で私を真ん中にして横1列にソファーに座りました。逃げられない。店長らしい50歳くらいのズボンをはいて、髪を後ろでお団子にした女の人が出てきて、私の正面に座り、ウイスキーの水割りを作り、私に飲ませました。とても濃いもので、それで私をつぶしてしまおうとしているのではないかとさえ思ったほどでした。そこで10分か15分してこの水割りを1杯飲んだだけで出ようとすると、1万円ですといいます。もう金はないよと言うと、左側で私の腕をつかんでいる金○子が、「カード、あなた持っているじゃない」というのです。さっき、人の財布の中見ていたんだとこの時気がついきました。カードを出すと、店長の女の人が、そのまま持って奧に入ってしばらくしてから帰ってきました。料金書には¥19,000-となっていて、これも話が違っていてひどいと思いました。料金書には店の住所も書いていないし、通常こちらの認めのためサインをするはずですが、それもしろと言いませんでした。ただその料金の紙を渡されただけなのだ。私は、きっとカードのスキミングをされたと思い、心配になりました。その上、水割り一杯で10分か15分しか店にいないのに¥19,000-はひどいです。でも、この店もグルなのだろうからケンカすると危ないと思って怖くなりました。しかしあまりにも納得がいかないので、また来るから名刺をくれと言ったら、店長の女の人は、名刺を持ってきました。横にいた金○子は一瞬顔色を変えましたが、店長の女の人は気にせず持ってきて、私に名刺を渡しました。それによると店の名前と住所・電話番号は次の通りでした。
 
「ラウンジ ○○」
  〒530-xxxx大阪市北区曽根崎2丁目X番X号
梅田○○ビル5階
Tel. (06)6xxx-xxxx
 
もうスッカラカンになったので、左右に座っていた金○子と朴(パク)は、私を両側から腕を組んで、梅田○○ホテルの前まで送ってきました。そこで私を解放しました。部屋に着いたのは午後10時45分から11時の間でした。ラーメンを一杯食べたいだけだったのに、警戒していたはずのぼったくりバーにつかまり、わずか1時間半から2時間のあいだに、現金35000円とカードで19000円の合計54000円も払わされてしました。私には在日朝鮮人や在日韓国人の友人が数人いがますが皆いい人なので、このぼったくりバーで韓国人のイメージが甚だしくダウンしてしまいました。
 
 次の日の5月2日(日)朝起きて、もう一つの小銭入れに忍ばせておりた1万円を使って、京都北区の友人のK君宅に行き、相談しました。この1万円がなかったら路頭に迷うところでした。K君と相談した結果、取り急ぎ、VISAカードに電話して、この私のカードを停止してもらうことにしました。しかし、連休で休みではないかと言うことになりました。それで連休明けということにして、夕食を、K君の行きつけの京都市北区白梅町の大将に行って、とっていると、K君が、昨日大阪の「お初天神」近くで私がぼったくりバーの被害にあったことを、おもしろおかしく話題にした。それを聞いていた大将のマスターが、「私も以前カードで被害にあったんですわ。お客さん(私のこと)、それ韓国マフィアですよ。その店では明細も出さず、目の前でカードを処理せず裏に持って行ったんでっしゃろ。それは怖いですよ。スキミングされていますよ。お客さん自分のサインもしてないでしょう。サインのないもんに¥19000払う必要なんか無いですよ。もし電話が来たら私警察に行きますと言えば、そんな奴ら警察の方が怖いから、¥19000で取りに来たりしませんよ。安心しなはれ。カードは24時間受付があるから、今すぐ電話して、明細を聞いて、止めてもらいなはれ。」と勧めてくれました。しかし、カードを止めると○○市まで帰る電車賃がないので、K君に2万円借りることを了承してもらってから、K君の携帯で電話をかけました。午後9時頃でした。VISAカードの人が、私の本人確認をしてから、昨日の5月1日に処理されている明細を、読み上げてくれました。○○市から大阪までの電車代、梅田○○ホテルの料金までで、午後10時頃のキャッチバーの¥19000はまだ処理されていないとのことであった。仕返しが怖くて少し躊躇して、「¥19000を払った方が、後腐れがないでしょうか?」と私が言ったら、VISAカードの人は、「お客様次第ですが、こちらではサインのあるものを登録のサインと照合して処理しますので、サインのないものは受け付けません。」と言ってくれた。それで決心して止めてもらった。VISAカードの人は、「お止めしますので以後この番号のカードは使えません。今すぐカードをはさみで切って使えなくして下さい。そして、被害届を必ず警察に届けて下さい。」と言われたので、私は「長野県の○○市に帰りましたらすぐ警察に被害届を出します。」と答えて電話を切りました。その晩はK君のお宅に泊めてもらいました。
 5月3日(月)朝、K君に2万円を借りてそのお金で、○○市まで帰ってきました。
                                                                         (以上)
 

2. お金を借りたK君へのお礼の手紙


 
前略、
 此の度は大変お世話になり有難う御座居ました。全く大変な御迷惑をおかけしまして、済みませんでした。今度○○市に来られて時に必ず償いたいと思います。
 5月3日貴君に借りました2万円を早急にお支払いしたいと思いますので、振込先を教えて頂ければ幸いです。
 
  銀行名:
  名義:
  普通預金か当座預金かの区分:
  口座番号:
 
 お陰で長野に帰ることが出来ました。帰ってから深夜迄かかって、「被害届」を書いて、つぎの朝、○○市警察署にもって行きました。しかし、担当者は、この届けをなかなか受け取ってくれませんでした。
 
1. 大阪曽根崎署に出せ。大阪のことは大阪で出せ。
  「あの状況で金もなく動きようがありません。お金を友人に借りてやっとの思いで帰って来ました。」と答えました。
2. この形式では被害届にならない。形式があってそれに則って書かないといけないので、・・(書き直さないといけないので、こちらは面倒だ・・という顔でした)。
3. この内容ではどこにも犯罪はないので、何の罪で被害届を出すのか?
 「一般市民は、そんなに法律に詳しくないのでそんなことはわかりません。」
 「名刺を渡したことや、ひょっとして2つ目の店の19000円をVISAカードで支払う前に止めたので、恐喝されるかもしれません。そういう不安があります。」
 しかしながら、
 「市民を不安にするという罪はない。」
と言われました。
 「しかし、桶川の事件とかで警察が何もしなかったので、事件が起きたではないですか。事件が起こってから動いてもらっても、一般市民としては、困るので、○○市でもこの届け、家族とか私に何かあったときには、○○市警察署が、一応承知してくれているという、安心があるので受け取って下さい。」と言いました。
 
 このようなやり取りの末、大阪の曽根崎署にも私から同じ被害届を送るということで、何とか○○市署でも受け取ってもらいました。どうも一般市民の感覚と警察の感覚は大きくずれているようです。警察は人が死んだり、殴られてけがしたり、とかという実際に犯罪が起きてからでないと動かないということらしいです。私は怖くて何も反抗しなかったので、殴られたりしませんでしたが、警察の人に訴えるにはどうしても私は殴られてけがをしてないといけないということらしいです。そんなバカな!?未然に犯罪を防止するという観点はないのでしょうか。警察が頼りにならなくて悔しいです。
 まあ、ぼったくりバーに引っ掛からないことですね。自分としては久々の都会で警戒していたのに引っ掛かってしまい、田舎ぼけしていたのでしょうね。
                                 草々
 
                                                 凸凹大学                                                凸山凹夫
 

(おわりに)


 
 皆さん、上のことどう思われますか?ぼったくりバーなんぞに引っ掛かるのは、やはり私にも油断があったので、何割かは、今、はやりの「自己責任」ですが・・・。それにしても、警察の対応は一般市民から見ると理解できかねるし、税金を払っている市民を守るという観点がないようで、とても悔しいですね。
 以上、皆さんに、何らかのご参考になれば幸いです。
 
 
 
平成16年(2004年)5月17日 随筆
令和5年(2023年)10月17日 加筆
 
 
*なお冒頭の写真は、下記のURLのお初天神社(正式名:露天神社)のホームページのものを使用させて頂きました。https://www.tuyutenjin.com/

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