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米津玄師の曲と私

エンタメの分野でもデジタル化が進んだ。
調べると Apple Music は2015年にサービスを開始した。
Spotifyは2016年、Amazon Musicに関しては過去のサービスを含むと2006年から開始していたらしい。

音楽のサブスクモデルが定着し、私は音楽を消費するようになった。
Apple Musicで気になる曲を探しては聴き、飽きたら別の曲を聴く。
目的もなくApple Music のおすすめを覗き、少しでも気が向けばダウンロードしてストックする。

時期ごとにマイブームなアーティストが入れ替わり、久々に過去のプレイリストを覗くと、その半数が聞かなくなっていた。
そんな中でも、どの時期も変わらず聞き続けるアーティストがいる。

米津玄師だ。

米津玄師だけは音楽を聴くことが習慣になってから今に至るまで、いつでも聞いている。どのプレイリストにも絶対に入っている。
今回は、米津玄師の曲の中でも特に好きな曲について書きたいと思う。

米津玄師との出会い

少し前のnoteでも書いたが、私は過去にネットで雑談配信をしていた。

ネットで配信をしていると、ネット文化に徐々に染まってくる。
当時の配信界隈は黎明期にあたる時期であり、世間一般に配信者がいるような世の中ではなかった。
少しアンダーグラウンドな雰囲気がありつつ、配信の文化によってリアルとネットの世界が混ざり始めた、そんな時期だった気がする。

そんな中、ニコニコ動画で注目を集めていたのがボーカロイドだった。
毎日のようにランキングをチェックしていた私が出会ったのが、ハチ名義で活動していた米津玄師が公開した「THE WORLD END UMBRELLA」である。
※以下はリテイク版の WORLD'S END UNBRELLA。公式にあったので。

初音ミクが歌う曲は基本的に声が上滑りになる。
基本的に落ち着いた曲調に合わせると、なんだかボーカルが浮いてしまうことが多かった。
機械的な歌い方を利用して、逆に恐ろしく早口な楽曲などがランキング上位に上がる中、THE WORLD END UMBRELLA は少し暗い雰囲気であっても初音ミクが上滑りせずに調和がとれているように感じた。
初めて聞いた時から、なんとなく好きで、聞き続けるうちにすごく好きになった。

それからはハチが動画を上げれば、まず聞いた。
聴いたうえでリスナーや他の配信者と、この曲が好き、あの曲が好き、リリースのペースが速すぎる、などと夜な夜な会話した覚えがある。
※リリースペースについては2009年の投稿数を見ればよくわかる。月に二曲公開することもあり、手書きのMVまでついている。

振り返れば、パンダヒーローやマトリョシカなど、思わず口に出していた曲も多く(というより、ずっと頭に残っている感じ)、当時からヒットメーカーだったのだと思う。

色々な思い出と米津玄師

その後は色々とあった。
というのも、配信を始めた当初は色々な意味で未熟だった私は、現実世界で様々な苦悩にぶつかる。

雨模様な感じを表現したいので。画像に意味はありません。

配信を見に来るリスナーは、確実に配信者にプラスの感情を持っている。
だから配信者に対して甘い。そんな環境に甘んじていた人間が、現実世界の人間関係で悩まないわけがない。

交友関係や恋愛、社会経験など、悩みの種は色々あった。
配信が億劫になって少しの間、メンタルのバランスのとり方が分からなくなった時期があった。

気を紛らわすため、当時は近所のTSUTAYAに入り浸って、DVDやCDを借りまくった。そんな中、米津玄師と二度目の出会いを果たす。
ハチと米津玄師が結びついたのはドーナツホールのカバーを聞いた時だった。

それからは夢中で米津玄師の曲を聴いた。
私が米津玄師がリリースした中で一番好きなアルバムはBremenだ。
当時の私にとって、明るすぎず暗すぎず、ちょうどいい曲が揃っていた。

その中でも一番好きなのは「雨の街路に夜光蟲」だ。
MVなどは無かったもののクロスフェードで少し聞ける。

Bremen は全体的に物憂げでありながら、時に力強く、時に優しい曲がバランス良く配置されている。
雨の街路に夜光蟲はどちらかと言うと力強く、元気付けられるような曲だ。
アップテンポでありながら、幻想的でもある。それでもサビは力強く歌いあげている。

私が思い出の曲として挙げるなら、間違いなくこの曲だと思った。
空き時間は常に音楽を聴いていた。当然毎日のように聞いていたし、これまで一番長い時間、音楽を聴いていた気がする。

あの鬱屈していた時期に元気をもらい、毎日を頑張る活力を生んでくれた、私の思い出の曲だ。

米津玄師と現在の私

2020年に米津玄師の曲がサブスク解禁された。
当時の心境としては、少し寂しかった。

それまでシングルやアルバムが出ると、発売日に欠かさず楽曲を購入し、その日は飽きるまで(飽きないけど)聴いていた。
購入する価値があると思っていたし、むしろ米津玄師というアーティストを応援する意味でも購入することがうれしかった。

サブスクで得られる曲の一部になってしまう事が寂しかった。
サブスクでは楽曲をダウンロードして聴く事に対するハードルが低い。
お金をかけている感覚はないし、月額料金を払うなら、より多くの楽曲を聞きたくなるのが当たり前だとも思う。

私の中で米津玄師がそんなアーティストになってしまうのが嫌だった。
また、自分が大事にしていた物が低いハードルで入手できるようになってしまった事が少し悲しかった。

と、まあ色々書いたが、冒頭に書いた通り何だかんだで私は今でも米津玄師を聞き続けている。
なんなら米津玄師だけで構成されたプレイリストを1週間に一日は聞いている。

結局、好きなものはいつまでも好きなのだ。
数か月前に出た「LADY」もリリースしたすぐ後はずっと聞いていた

おわりに

実は何度かブログを始めようと思ったことがある。(なんの話だ)
その度に大好きな音楽をテーマに記事を書こうとした。

しかし、書いては消して、消しては書いてを繰り返し、結局ブログを始めないで閉じた。
人に教えられるくらい、そのアーティストを心底好きなのか。
読み返すと、なんだか内容が薄く感じて、結局全部書き直した。
好きな分野だからこそ納得ができなかった。

今回、ようやく音楽をテーマに記事を書けた。
これは私が一番好きなアーティストについて、初めて自分の考えを世にアウトプットした記事である。

#思い出の曲

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