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素敵な作品を生み出している三國万里子さんをもっと知りたい!「編めば編むほどわたしはわたしになっていった」 を読んだ

「みんなのフォトギャラリー」からタイトル画像をお借りしました。テーマにピッタリで、シンプルなところも、なんだかかわいいところも素敵。

私は、編み物が全くできない。何回かチャレンジしたけれど、仕上がったことがない。せっかちでおおざっぱすぎるのだろう。ミシンは好きで、手で何かを作ることもとても好きなのに。
三國万里子さんの作品は、主にほぼ日で目にしていて、素敵なのはもちろん「編んでみたい」と思いつつ、絶対無理だろうな・・・と半ばあきらめ、素敵な作品群を鑑賞するにとどまっていたのだった。
そして、何かの折にエッセイを読んで、「これいい!」となって、やっと今回まとめて読むことが出来た。

この一冊には、三國万里子さんという人が詰まっていて、こんなものが好きだ。家族はどんな人?育った環境、今の仕事について。など、とにかくいろいろぎっしりだ。
ちょっと繊細で敏感。少しだけ世界を人とは違う方向から見ている。そんな思春期のころ話や、初めて本を出した時のこと、レストランの店先で作品を売ったこと、ちょっと思い切った買い物をした時のことなど。
なんせ、文章がとても素敵なのだ。ちょっとした心の揺らぎが、しっとりとした手触りで伝わってくる。
ドキドキもワクワクも、不安な思いも、全部三國万里子さんのレンズを通してみると、彼女の思い出が、なんだか彼女の作品群と遠くで重なってより味わい深く感じられる。

私のエッセイの読み方は、共感するというより、その人と一緒に散歩をするような感じだ。
この一冊で、昭和のころの懐かしい風景も一緒に散歩ができた。
世界は広い。その中で黙々と編み物をされてきて、自分の世界を大事にされてきて、今があるのだとこの本を読んで強く思った。

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