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ケアをするって?「スピノザの診察室」を読んだ

画像、みんなのフォトギャラリーからお借りしました。
今回読んだ本は、甘いものが頻繁に登場して、とても気になります。
今度京都に行ったら、絶対に食べよう!と思った人も多いのでは?

さて、感想です。

普段だったらあまり手に取るタイプの本ではなかった。
数年前に父を見送って、今、姑が人生の終着点をそろそろ迎えようとしている。
やはり人生の終盤に差し掛かると、医療関係、介護関係の方にお世話になる機会が増える。
介護する中で、ケアワーカーの人たちの温かい気持ちに触れることが増えて、ちょっとこういった本も読んでみようかなという気になったのだ。
それと、純粋に人の最期の様子が気になった。姑や、あまり遠くない将来の自分の母、そして自分自身。最期はどうなるんだろうかと、そういった興味もまたこの本を手に取るきっかけとなった。

さて、お話はマチ先生の往診のシーンから始まる。往診中に、早速病院から呼び出しがかかるのだが、全体的にはゆっくりとしたテンポで物語はすすんでいく。
マチ先生は、凄腕のお医者さんなのだが、とある事情で、大学病院を辞職して、小規模ながらも病棟を抱えた原田病院に勤務している。
患者のほとんどが高齢者だ。

病気が治ることが幸福だという考え方では、どうしても行き詰ることがある。つまり病気が治らない人はみんな不幸なままなのかとかね。治らない病気の人や余命が限られている人が、幸せに日々を過ごすことはできないのかと

本文から

マチ先生のセリフだが、この一文がすべてのような気がする。
著者がお医者さんだからか、伝わってくるメッセージはストレートだ。しかし、わかりやすいけれど、その奥は深い。

京都の街並みと甘いものと、マチ先生の温かいセリフが本当にいい。
色々と考えはするけれど、無力感にとらわれずに今を生きることを大事にしていきたいと思った。

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