見出し画像

トラブルを回避する!Webデザイナーの見積書作成ポイント

こばやす(@kobayas_s)です。
普段私はWebデザインがメインのお仕事ですが、Webディレクターをしていた過去もあります。

最近フリーランスのデザイナーさんから「見積書の返信が来なくてヤキモキしてしまう…」という話を度々聞くようになりました。
確かに制作をやるのか、やらないのか分からないと、他の仕事が来た時に受けていいのかどうか分からない。わかる。

でも依頼者側だったら…どうだろう。
「依頼しないから返事もしなくて良いよね」と思ってしまうのでは…?
それから、私が会社でディレクションに携わっていた時は「上司の承認」が無いと依頼ができないため、返事がすぐにできない時もありました。
こういった背景は制作者も依頼側も経験したから分かる事だったので、私がフリーランスの時に行った対策を呟きました。

私にとっては些細な事でしたが、意外と大きな反響を頂きました。
同時に見積もりの段階から依頼者と制作者でコミュニケーションの差が生まれるのは悲しいなとも感じました。
というわけで他にもこんな見積書だと双方助かるのではないかと思った事をまとめてみました。


0. 見積書を1から作る人へ

まず初めて見積書を作成するよ!という方へ、簡単に書類が作れるオススメの無料サービスを紹介します。

これは私が仕事をする時も使っているものです。
見積書を作るだけでなく請求書の作成もでき、見積もりから受注になった時もスムーズに作成が完了するので大変便利です。
また、やよいの青色申告オンラインとも連携する事ができるので確定申告がスムーズだったり、年間などで絞り込みをして受注の推移グラフなども見られるのでとても便利です。

ひな形は紹介したものを利用するとして、具体的にどんな事を記載するとお互いに助かるのか、Webサイト制作ならではの項目を中心にあげてみました。

1. 有効期限

まず前述のポストでも呟いた事ですが、これは制作者、依頼者の双方にとって以下のメリットがあります。

❶返信のストレスが減る
制作側:〆切以降は失注したと割り切り次の仕事のリソースを確保する行動に移れる
依頼側:不要の場合に返事をする手間が省ける

❷区切りが良くなる
制作側:値上げしても有効期限を言い訳にできる
依頼側:社長などの決裁者へ催促しやすい(窓口担当だった場合)

このように有効期限を設定すると、制作側は決め切れない不安と戦わなくて良いし、依頼者は煩雑になるタスク量を軽減します。
所謂お守りのような役目を発揮するのです。

それからもう一つ重要な要素で、期限後の取り扱いも下記のように書いておくと良いです。

期限以降は再見積もり、改めてスケジュールを組ませていただきます。

期限がないと返信が後回しになりがちですが、これを書いておくと「早く返事しないと値上がりしちゃうかも!?」「予定通りに制作したいから急がなきゃ」などと感じるせいか、返信率が高まる傾向にありました。
そして、もう始めていないとマズイ時期なってから「見積もり時のスケジュールで!」とごり押しされる事も防げます。

2. 制作の内訳

「Webサイト制作費」などとひとまとめにして見積もりに記載していませんか?
Webサイト制作はデザイン、コーディング、Wordpress組み込みなどなど様々な要素があって構成されている制作物です。
ひとまとめにしてしまうと「この制作も含まれていると思った!」と認識違いが発生しやすくなってしまいます。
特にモバイルファーストまたはPCのみのデザインで作った場合、レスポンシブにする費用も含まれていると思ったと勘違いされる事は結構あります。
こういったトラブルを避けるためには以下の例のように、どういった作業が含まれた見積書なのかを記載しましょう。

内訳の書き方例
Webサイトデザイン(トップページ)    1P  〇〇円
Webサイトデザイン(下層ページ)     3P  〇〇円
Webサイトデザイン(スマホ・タブレット)    4P  〇〇円
コーディング                4P  〇〇円

Webサイト制作をまるっと1人で引き受ける場合、デザイン費とコーディング費は分けて書くようにした方が良いです。
何故かというと、デザインには事業税がかかり、コーディングにはかからないので節税になるからです。
(参照:フリーランスにかかる個人事業税!?都税や県税事務所からのおたずね(手紙)
「Web制作費」と書いてしまうと、全てデザイン費の勘定になってしまう場合があるので、損しないためにも内訳は書きましょう。

そしてこちらも良くあるのですが「デザインにしようするイラストを1から描く」場合もイラスト代という項目は別で作り請求しましょう。
フリー素材などを少し変える程度なら許容範囲なんですが、似顔絵を一から書いて欲しい、マップをトレースして書いて欲しいなどなど、1から作るものや作るものに数時間かかるものってもうそれは一つの制作ですよね?

3. 制作条件

以下は案件ごとに異なってくるものにはなりますが、トラブルになりやすいので備考欄で注釈を付けておくと安心です。

❶着手金をもらうのか

業務委託契約書を取り交わさない時や個人からの依頼の時は特に注意で、着手金は貰うようにした方が安心です。
Webサイト制作は長期になる事が多いため、不払いが起きると致命的です。

❷写真、テキストの素材は支給か

制作者側が有料の写真や素材を購入したり、テキストを考えたりする場合はその費用も含めましょう。

❹サーバー、ドメインは取得代行するのか

制作したWebサイトのデータはWebサーバーに上げる事で世界に発信できます。これを知らないクライアントもいますので、初期の段階で説明しておくようにしましょう。
また、取得代行すると個人情報がサーバーに紐づくので、UP後の運用の取り扱いについても記載しておいた方が良いですね。

4. 見積と内容が変わる場合の特記事項

❶別途見積になる場合の話

見積もり後に1ページ増える、ページ内のコンテンツが増えるなどのボリュームが増えた場合は別途見積もりになるなど、制作中にはよく発生します。
なので見積もり段階でこの費用が発生する線引きをしっかり決めた注釈を入れておきましょう。

❷振込手数料の負担

通常は振り込む人が負担するものなのですが、稀に振り込まれた後「あれ?この微妙に足りない額はなんだ?」となる時があります。
大体は振込手数料が引かれてた…という感じなので、どちらの負担かは明らかにしておきましょう。

請求書のタイトルはこう書いて!

私がディレクターをしていた時、請求書のデータタイトルを「弊社名_ご請求書」というように書いてきてくださる方が多かったのですが、色んな制作者とやり取りしていると同じ名前が付いた請求書ばかりになってしまい、データの書き換えが地味に大変でした…。

なので依頼者側からのお願いとしてはこう書いて欲しいというのを呟いた事があるので合わせて共有しておきます。

その他トラブルを避けるためにクライアントと決めておきたい制作ルールのお話も書いたので気になる方は読んでみて下さい!

この記事が参加している募集

仕事のコツ

with 日本経済新聞

記事制作のエネルギーにします!