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野鳥撮影の履歴書 #2【デジタル一眼時代】

 写真は一旦あきらめましたが、フィールドでの出会いを残せたら‥という思いはずっと心の中にありました。PCの発展はすばらしく、ウィンドウズでも解像度の高い写真を扱うことが楽にできるようになっていました。デジタルカメラが発売されて、最初おもちゃみたいだったのがPC以上に進化はすごく、一眼レフタイプのデジカメも発売されました。コンパクトデジタルカメラを望遠鏡をのぞくようにセットして(コリメート法)超々望遠撮影をする「デジスコ」という方法が流行りました。一眼レフ+超望遠レンズよりコストは安いのですが、動体は苦手でした。何となくデジスコには積極的になれず、Nikon COOLPIX 950 や 990 を手に入れ、テレスコマイクロという超望遠にできるテレコンバーターを付けて撮影したりしていましたが、出てくる絵はそれほど満足できるものではなかったです。

Nikon COOLPIX 950
オオワシ 2002/02/09 神戸市西区神出町 Nikon COOLPIX 950

 やはり一眼レフタイプが欲しい。
 キヤノンからEOSのデジタルシリーズが発売されており「EOS 20D」は真剣に買おうかと悩みましたが、まだボディだけで20万円越えと高く(今の水準では安い部類に入っちゃいますが…)手が出ませんでした。そうこうするうちにデジタル一眼はどんどん安くなり、入門用のEOS Kissシリーズ「Canon EOS Kiss X3」を手に入れました。

Canon EOS Kiss X3

 APS-Cサイズのセンサーで1,500万画素、これならある程度満足できる画質を得られるのではないかと考えたのです。キットズームは長尺側が250mm(フルサイズ換算約400mm)なので、あとはもう少し長い望遠を手に入れることが次の目標です。とりあえず昔買った「SIGMA AF TELE 500mm 1:7.2 マルチコート APO」を引っ張りだし、撮ってみましたが今一つ満足できません。かといってEFレンズの超望遠たちは100万前後、どうにもなりません。いろいろ調べているとキヤノンの純正Lレンズに「EF400mm F5.6L USM」という古いながらも画質の良さでは定評があるレンズがあり、しかも実売で当時140,000円程度と手が届く価格です。

EF400mm F5.6L USM

 APS-Cセンサーだと、フルサイズ換算640mmの超望遠レンズとして使える。これしかない‥ただ、当時一般化しつつあったOIS(レンズ内手振れ補正)はなく、手持ち撮影はあきらめた方がいいかもと考えました。そのかわり、しっかりした三脚がいるだろうということで、オーバースペック気味ですが、価格.comの書き込みでアドバイスももらって三脚は「GITZO システマティック三脚3型3段ロング GT3530LS」、雲台は「Manfrotto プロフルードビデオ雲台 503HDV」にしました。

 2010年初めからこのシステムで撮りはじめ、2014年に「EOS 70D」に変えるまで4年間、満足できる写真を残すことができました。
 2代目デジタル一眼レフの「EOS 70D」はキヤノンの中級機の二桁Dシリーズの最新機、ようやくKissを卒業です。この頃、キヤノンには7DというAPS-C最高峰のカメラがありましたが、価格が高い割に高感度の画質が良くないとかネガな評価も多かったので二桁Dシリーズにしました。画素も約2020万画素とトリミング耐性も上がって満足でした。この機種でキヤノンは初めて「デュアルピクセルCMOSセンサー」を採用しました。それは像面位相差AFのために生まれてきたセンサーでしたが、本領を発揮するにはミラーレス時代を待たなければなりません。

 いずれ大口径の超望遠レンズ(いわゆる大砲と呼ばれるレンズ)を手に入れたいと思っていました。ふと考えたのは、高いからといって先延ばしにしていて、ようやく手に入れたときには体が衰えて持ち歩けないでは笑い話にしかなりません。今大砲を買わないと意味がないと決心しました。で、何を始めたかというと500円玉貯金。ターゲットは「EF500mm F4L ISⅡ USM」当時の価格は約80万円。結局、貯金で50万円、残りは無金利の分割払いでマップカメラで購入し、念願の大砲を手に入れたのです。重たく大きいですが画質は最高でした。今もEF-RFアダプターを挟んで現役です。当分RFマウントの500mm単焦点は出そうにないせいか、結構高値で中古が取引されているようです。

 2021年の春に撮っていると画面の隅が黒く陰るような写りに。レンズの前に手を置いちゃったかななんて考えていたら、どうやらシャッターの故障。シャッター数を調べてみたらとんでもない回数になっていました。修理にかかる費用を考えると中古を買った方がよさそうです。その頃、二桁Dシリーズは90Dが現行機種でしたが、さすがに90Dは高いので「EOS 80D」をオークションで購入。5万円ちょいで手に入れることができて、程度もよくラッキーでした。

 SONYが牽引してミラーレス一眼の勢いは加速度的に拡大していました。動きものには向かないだろと思っていたEVF(ELECTRIC VIEW FINDER)も日進月歩で進化、何より鳥を追従するAFは魅力的でした。ただ、出遅れたキヤノンが出したEOS Rはあまり魅力的でなく、7Dの後継になるAPS-Cのミラーレス一眼が出れば乗り換えだと密かに考えていました。いや、公言していましたから密かではないですが。


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