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神戸の野鳥 05月~06月の見どころ

 この季節、ぜひ見ておきたいものを中心に紹介します。
 ゴールデンウィーク前後はバードウォッチングには最高の時期。人があふれる行楽地に行くより、近くのフィールドで存分に楽しみましょう。

■夏鳥の渡来は続く
 5月上旬は、夏鳥渡来のベストの時期。神戸で繁殖はしない種もどこに現れるかわからない、本当に楽しめる時期といえます。
 コルリ、サンコウチョウ、アカハラ、クロツグミ、エゾムシクイ、カッコウ…楽しみです。
 少し遅めの5月中旬以降に渡ってくるのがホトトギス。ゴールデンウィーク明けの記録もありますが、メインは5月中旬から下旬。夜空を渡りながらさえずることも多いので、市街地でも夜に声を聞くことがあります。
 5月中旬から目立つのはオオムシクイ。「チョチョリ チョチョリ・・・・」というさえずりが特徴です。下旬にはほぼ渡りは終わりを迎えますが、そのころに記録されるのがアシ原のコヨシキリ、運次第ですがヤイロチョウ、エゾセンニュウ。そうそう出会えるものではありませんが、頭の片隅に意識しておいてください。

■街中の公園はおもしろい
 5月上旬の渡り時期、街中や海辺の公園に思わぬ渡り鳥がいることがあります。山や郊外の公園は周りに緑がたくさんあり、鳥たちの居場所もたくさんあります。それに対し街中や海辺の公園はいわば「砂漠の中のオアシス」。渡り鳥たちは限られた緑に集まって休息するしかありません。滞在期間は短いですが、街の公園で鳥たちのうつくしいさえずりをきくこともめずらしくありません。この時期、出勤前の30分、観察をお勧めします。

■鳥たちの繁殖最盛期
 留鳥に加え、渡ってきた夏鳥たちも繁殖行動にはいります。巣材運び~抱卵~子育てといろんなシーンに出会えます。大きな影響を与えないようにそっと観察しましょう。
  鳥たちのファミリーにも会うことが多くなります。巣を離れても親鳥は子供たちの世話をしばらく続けます。

■ハチクマも帰ってきます
 5月にはいるとハチクマも帰ってきます。
 朝鮮半島をいったん南下して九州北部からはいってくる個体が多いと考えられ、サシバとコースが異なる可能性が高いです。六甲山西部で春に次々とハチクマが飛来する様子を観察したことがあります。神戸市上空をどのように通過していくのか興味深いところです。

■シギ・チドリ
 市内にはシギ・チドリ類に適した環境(干潟のような)が少なく、多くの種類を一度に観察するのは簡単ではありません。海辺では河口の小さな干潟、須磨から垂水にかけての砂浜、消波ブロックの上などがポイントです。落ち着ける環境は少ないので滞在時間は短いと考えられます。家の近くにそのような場所があれば、短時間でも毎日チェックすればおもしろい出会いがきっとあるはずです。田園地域では、水が減っている池、5月中旬までの田稲が伸びるまでの田に淡水を好むシギ・チドリがやってきます。西区の岩岡町、神出町が中心です。
 ※田園地域を車でまわるときは、農作業をしている方や地元の方へ最大限の配慮をしていただけたらと思います。皆の道だといってしまうのは簡単ですが、トラブルにならないことがこれからも長く楽しむことにつながると思います。最近の野鳥観察者やカメラマンの増加、めずらしい鳥が出た場所への集まり方は強烈で、ネガティブな評判が広まることを心配しています。

■6月に入ると
 渡りの個体はほぼ通過してしまい、このあたりで繁殖している種がメインになります。営巣中の個体も、巣立ちビナを連れた個体もできるだけ見つかりたくないので派手な動きはしません。この時期、じっくりと腰をすえて周りを観察しましょう。ひっそりと動いている鳥たちに気づくはずです。その鳥たちが見えてくると、フィールドが命に満ち溢れていることに驚かされること間違いありません。
 渡りの時期は過ぎましたが、ときどき時期外れの渡り鳥たちが姿をみせることがあります。油断は禁物です。

 
 


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