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神戸の野鳥 03月~04月の見どころ

 この季節、ぜひ見ておきたいものを中心に紹介します。
 ずいぶん日差しが暖かくなってきました。まだ動き出していない森は見通しが良く、初心者でも山の鳥を見つけやすい季節です。
暖かい春の日差しのもとバードウォッチングを楽しみましょう。
 冬鳥が北へ帰り始め、夏鳥がそろそろやってき始めます。フィールドで思いもよらない鳥に出会えるチャンスも増えてきます。

■めったに来ない冬鳥イスカ、残されたチャンスはあとわずか

 今シーズン久しぶりに六甲山に多く渡来したイスカ。
 このようなチャンスは稀で10年に1度あるかないかです。今シーズン見逃せば次に六甲山地に多く渡来するのはいつになることやら。全国的に見れば毎年どこかには来ているので、どうにもチャンスがなくなるわけではありませんが、地元のフィールドで見るのに残された時間はそう多くありません。3月終わりには移動期に入りますので、今月が勝負です。
 ではどうすれば見られるのか。残念ながら100%確実な方法はありません。いたよという情報をきいたときに、すぐであれば同じところにいる確率は高いと思いますが、餌を求めて大きく動くので一週間もたてば難しくなります。

 アドバイスとしては六甲山地の標高の高いところ(摩耶山~最高峰にかけて)の尾根筋を歩いてみましょう。少しでも多く、長くフィールドにいることが出会う確率を高くします。もちろん今シーズン観察された場所の周辺は確率が高いと思います。ポイントは餌となるマツ(過去にはスギやヤシャブシの種子を食べているのを見たこともあります。)、イスカがマツの種子を食べているときにマツボックリをちぎるので、たくさん落ちていたり、上から落ちてくるのがフィールドサインになることがあります。20~30羽くらいの群れでいることが多く、採餌中は静かですが飛び立つときに「チュチュチュチュ」といった感じで結構大きな声で鳴きます。ぜひ、イスカ探しにでかけましょう。
 さらにはベニヒワ、オオマシコも渡来しているようです。残りの冬はアトリ科に重点をおくのがおすすめです。

■レンジャク類現れる
 レンジャク類が各地で記録され始めました。先週末には自宅前で、今日(3/4)は北区で大きな群れの報告をいただいています。
 チェックすべきはまだ実が残っている木。ピラカンサ、クロガネモチなど赤い実が多く残っているところは要注意。ある日突然群れでやってきます。 
 ゴールデンウィーク頃まで観察され、ヤドリギやマツグミ、ヤツデ、サクランボなどの実に集まることがあります。

■春です、最高の季節の訪れです
 3月上旬にはツバメがやってきます。今日、明日にも上空に現れるかも。いや、もう初認された方もいらっしゃるかもです。
 3月の終わりころ、センダイムシクイとヤブサメが到着します。4月上旬にはオオルリ、キビタキと夏鳥が続々とやってきて、中旬には美しいさえずりが聞けるようになります。
 コマドリの渡来は4月中旬~下旬がピーク。街の公園でも出会えるかもしれません。姿は難しいですが、声は特徴的ですぐわかります。
 4月下旬はさえずりのベストシーズン。思わぬ夏鳥に出会えるかもしれません。

■留鳥は繁殖中
 留鳥は繁殖本番。巣材運び~抱卵~子育てといろんなシーンに出会えます。大きな影響を与えないようにそっと観察しましょう。
  田園では3月下旬、ケリが抱卵しています。ケリが田んぼや畦の上に座っていたら卵を抱いているかもしれません。ただ、田起こし前の田で卵を産むため、耕耘機に巻き込まれる悲劇もめずらしくありません。

■ツグミの仲間
  今シーズンは少なめですが、ツグミ、シロハラの警戒心は薄れ、近くで餌をとる姿を目にするようになっています。トラツグミの情報もちらほら耳にします。しっかり大きく撮影できるチャンスです。

■ジョウビタキの動向
 ジョウビタキの動きに注意です。神戸ではいままで冬鳥で、秋は10月中旬~下旬に渡来、春は3月下旬には渡去していました。おやっと思ったのはだんだんと渡去の時期が遅くなったこと、ゴールデンウィークに姿を見るなど変化を感じていました。ほどなく兵庫県の中部で繁殖の知らせ。神戸市では六甲山地の標高が高く開けたところの林縁、建物への営巣の可能性があると考えています。

■サシバが帰ってきます
 3月下旬からサシバが帰ってきます。淡路島方向からやってくる個体が多いので、その方向の見晴らしがいいところで、晴れた穏やかな日に観察してみてください。昔、菊水山山上で半日で500羽以上の渡りを観察したことがあります。よくわからないところも多いので観察の積み重ねが必要です。


 


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