株安で始まってしまった10月

いやぁ、下げましたねー。
日経ラジオを聞いていても専門家の方々もハッキリと説明できない、つまり目に見えて新しい悪材料があるから下がったわけではなく、夏から続くアメリカの不安要素がさらに大きくなって売られているんじゃないかと。

主な原因は、アメリカに対する不安感の増加だと思いますが、以下の原因も折り重なっての海外投資家の利食い売り。株から債券への資金移動。さらには債権も売って現金化。金でさえ下がる現状。

・イールドカーブを正常化させるには長期金利が上昇するしかなく、この場合、金利上昇余地もまだかなり残っている。

・8月の米国債の格下げと秋の議会閉鎖問題から『アメリカには財政、債務問題を解決する能力に欠けている』という認識が強くなった。

・日本国内に悪材料があるわけではない。

・異常気象による農作物への影響。
7月には世界最大のコメ輸出国であるインドが、国内価格の安定を目的にコメ輸出を部分的に禁止した。

・ドイツの不振


ここからはグダグダと…

振り返ってみても年初には今年のアメリカの前半は苦しいのではないかと見られていたが、株価は思いの他順調に上げていった。
上げていったのだが、アメリカの将来に対しての不安感は心の奥底に張り付いたままだった。

不安感を煽る動きがハッキリと出始めたのが7月。
アメリカの長期金利の上昇ペースが加速し10年債利回りは8月21日に4.35%に。
これは2007年11月以来の高水準。

金利上昇は、インフレに対する懸念が非常に高いか、あるいは、あらためて高まる状況下でのものだったのだが、夏にはインフレは沈静化に向かっているという見方だった。
原油高によるインフレはあったが来年にかけて落ち着いて行くだろうという予測もある。

原油需要と価格の推移

金利が下がってくれるといいなーという楽観的な雰囲気もあったのだが、9月には改めてインフレ抑制のために長期にわたり金利を高く維持する姿勢が示された。
さらに逆イールドカーブになっている現在の状況を解消するには10年債の金利は更に上昇するだろう。

アメリカ10年債
アメリカ2年債

10月2日に連邦準備制度のMichelle Bowman総裁とMichael Barr副議長が別々のイベントで高い金利を長期間維持するという声明を繰り返した後、10年債利回りは16年ぶりの新高値である4.7%を上回った。
じゃあ、株売って債権を買おうという動き。
これによりアメリカの株は下落して日本にも波及した。

8月にはフィッチが米国債を格下げした。
その理由が、
「財政、債務問題を含め、過去20年間にわたりガバナンスが悪化している」
当時、何をいまさら、だから何?という見方もあったがこの秋の予算問題に関しての議会閉鎖危機で改めて『アメリカって財政債務問題を解決する能力ないんじゃね?』
格下げされて当然だよねー。

なんだ、アメリカの国債もヤバいかも?
じゃあ国債売って現金にしよう。


穀物関係は、ウクライナ紛争が始まって畜産業に必要な飼料が高騰。
その後企業努力で調整が行われたが今年の異常気象でさらに世界的に農作物が不振。

東南アジアやインドでのコメや綿花も不作。
綿花はギリシャでも嵐の影響で不作。
水不足が農作物に悪影響を与えている国もあり、インドが米の輸出規制をしたように食糧問題はこれからもっと大きくなってくる。

日本でも家庭や個人が引き締めているので肉は安い鶏肉が買われ、高い牛肉が敬遠されている。
そうなると飼料高に悩む牛肉の業者さんが売り上げも減少して赤字幅が大きくなり廃業される方もでてきそうだ。

ドイツ…
自業自得というか、老害国家というか…
例えばEV。
CO2ビジネスの一環で、新しいレギュレーションを作って自動車産業でも欧州が再びリードしようという思惑もあったはず。
日本のハイブリッドを潰す意図もあるだろう。
欧州委員会は35年に販売できる新車をEVなど走行時に温室効果ガスを排出しない車に限定し、HV、PHVを含むガソリン車、ディーゼル車の新車販売を事実上禁じる方針だった。
それが2023年3月25日、欧州委員会とドイツ政府が2035年以降も内燃機関車の販売を認めることで合意した。
大気中の二酸化炭素(CO2)を再エネ発電のバッファ等から得られる水素と掛け合わせてつくられるe-FUELを内燃機関の代替燃料として利用すればカーボンニュートラルは達成できるとし、ドイツ政府が欧州委員会で環境政策提言を取りまとめるティメルマンス上級副委員長を説き伏せたらしい。

ドイツは以前はEVの分野でリードしていた。
2010年にダイムラーがBYDと共同出資で「深圳BYDダイムラー・ニューテクノロジー社」を設立。
電気自動車のアーキテクチャーや安全性に関するダイムラーのノウハウと BYD 社のすぐれたバッテリー技術、電気駆動システムを上手く活用してEV車の開発が行われた。
2010年以前は小型車が中心であったが、これでBYDが大躍進。
電動バスなどの大型車。
高級車でもメルセデスBクラスのプラットフォームを使ったコンパクトEV「500」やアウディからデザイナーを引き抜いてオリジナルデザインも開発。
ドイツのEV車をはるかに上回る成長を見せてしまった。
2023年にはVWが小鵬汽車(シャオペン)の株式を4.99%取得し技術提携をしている。
その結果9月には小鵬汽車がドイツ市場に本格参入している。

ドイツの高級車も陰りが見えている。



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