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「診療」と「往診」の違いわかります?

今回はちょっと気になるけど、めんどくさい話。薬剤師の在宅医療への取組が徐々に普及してきました。「お届け」から+αの薬学的なサポートを日々模索し取り組んでいることかと思います。今回はそんな薬剤師さんたちの会話に出てくる一つの違和感について取り上げてみます。

「診察」「診療」の違い

非常にめんどくさい話をしてしまい、申し訳ないなーと思いながらも、知っておいてほしいので書くことを決めました。最近のトレンドとして医師の診察に薬剤師が同行をすることがあります。いわゆる「往診同行」ですね。私的にはこの言葉が非常に引っ掛かります。

普段何気なく使っている「診察」「診療」ですがこの言葉の違いを説明できるでしょうか?私も以前何気なく調べたのですが、似て非なる言葉だということを本日は知ってもらいたいと思います。正確な定義づけはどこどこが発表と調べるとあるかもしれませんが、割愛させて頂きます。

「診察」・・・医師が患者の症状・病因などを探ること
「診断」・・・医師が患者の病状・病因などを判断すること
「治療」・・・医師が患者の病気やケガをなおすこと
「診療」・・・診療・診断・治療をひとくくりにした総称

言葉を定義づけるとこんな感じになります。なんとなく理解してましたか?
医科の報酬を見ると「診察料」という設定でなく「診療料」という名目になっているかと思います。(※診察料があったらすいません)
言いたいことなんとなく理解して頂いてますか?

「往診」とは・・・

次に、この言葉「往診」を見てみたいと思います。診療報酬の「往診料」から定義を引っ張てきてみます。

往診料は、患者又は家族等患者の看護等に当たる者が、保険医療機関に対し電話等で 直接往診を求め、当該保険医療機関の医師が往診の必要性を認めた場合に、可及的速や かに患家に赴き診療を行った場合に算定できるものであり、定期的ないし計画的に患家 又は他の保険医療機関に赴いて診療を行った場合には算定できない。

というの往診料の通知にある文章です。「電話等で直接往診を求め」「医師が必要性を認め」「可及的速やかに患家に赴き診療」とあります。
そうです。往診とは私たちの感覚で言う「緊急訪問」を指すのです。
もう本日は何がお伝えしたいことわかりますよね?

「訪問診療」と「往診」

往診が計画的ではない患家等への訪問に対して、定期的な計画に基づく診療は「訪問診療」です。診療報酬でいうと「在宅患者訪問診療料」です。
言葉の定義を理解したところで、「往診同行」という言葉を改めて考えてみたいと思います。

「往診」・・・計画にない、患者の求めに応じた緊急性のある訪問
「同行」・・・言葉の通り同行する

「往診同行」って非常にアジリティ(敏捷性)の高い言葉になっていることを理解いただけますか?

医師「今すぐ来てよ?」
薬局「さすがに今すぐは無理ですよ」
医師「往診同行するっていったじゃん」
薬局「事前に行ってくださいよ」
医師「それじゃ訪問診察だろ」

注:実際にこんなくだりはないと思います。

ということです。

まとめ

別にこんな細かく考えなくてもいいことだと、正直思います。ただ本当の意味を知っているって非常に重要だと思います。在宅医療に対する取り組みが求められる中、薬局からの営業を行うケースも増えています。
あるあるですが、実際にやりもしないことを「やるやる」言っている営業も多いように感じます。会社の経営的なこともありますが、私たちが取り組む在宅医療は「医療」です。仮に本当に「往診同行」を求めている医療機関があった際に、「勘違いでした」では済まないのが医療だと思います。

結局最後は、めんどくせーなって感じで終わっていいと思いますが、「高齢社会」を「高齢化社会」って言ってる人みたいに、見る人によっては、「こいつしらねーな?」という判断基準になるのも無きにしも非ず。
ということで、言葉の定義は大事にしましょう。


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