まだ眼球にできることはあるのだろうか。こうして人は視えぬ世界へと惹かれていくが、近年、私は眼前に映る物質を愛でるようになってきた。量子的に虚構でもよい。今ここで触れる奇蹟はなかなか味わうべきものであろう。そして、やがては視ること自体が眼で触れる感覚にまで昇華していくようである。
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