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子連れ句会宣言

こんにちは。子連れ句会問合せ先の西川火尖です。
今日はひとつご報告があります。当会はおとなしはやさんが提唱する

「句会や歌会におけるハラスメントについてのお願い」に賛同し、子連れ句会においてセクハラやアルハラを始め、あらゆるハラスメントの防止に取り組むことを宣言します。

子連れ句会は、出産育児によって句会が遠のいた方、反対に出産育児を機に俳句を始めようと思った方、俳句は作らないけどとにかく子供同士遊ばせて、その間に一息つきたいという方、そういった趣旨に賛同してくれる方によってここまで続いてきました。その根っこの部分には「句会が初めてだったり、参加できなくなったりした人同士が集まって、負担を減らし合い、句会をしたい。」という思いがあります。そして、その意義に照らせば、ハラスメント被害によって句会に参加できなくなった人たちにとっても安心して参加できる句会でなければならないし、加害と被害を未然に防ぐための方策を考え、そのことを句会として表明する必要があると考えました。

もしかしたら、中にはそういった宣言によって、表現の自由が脅かされ、創作や選評の場が息苦しくなることを心配する人もいるかもしれません。しかし、句会とは対等な個人同士による創作と批評・鑑賞、交流の場です。少なくとも子連れ句会ではそう考えています。その考えに立てば、「個人の尊厳を傷つけるハラスメントの防止」と「表現の自由」を天秤にかけること自体がそもそも適切ではないことに気づくと思います。むしろ、個人の尊厳が十分守られる中にあって、初めて本当に自由闊達なやりとりが可能になるのではないでしょうか。つまりハラスメント防止の考えは参加者を守るためであると同時に、よりよい俳句を生み議論をするために必要不可欠なプラスの要素でもあるのです※1。

ハラスメントは他者に対する発言・行動等が(発言者)本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることを指します(※2)。そして、セクハラは性、パワハラは職場の地位といったように、固定化した関係や属性を背景に行われています。私たちが対等な個人同士の場と定義した句会は、一方で、閉鎖性、密室性、場合によっては結社内のヒエラルキーなどによって人間関係が固定化しやすく、特に二次会の酒席などはハラスメントが発生しやすい環境であるとも言えます。

子連れ句会は、その個人尊重的な本質と、相反する側面を持つ環境的な特性を自覚し、句会が対等な個人同士による創作と批評・鑑賞、交流の場であり続けるために、また、子連れ句会を必要とする人たちのために、あらゆるハラスメントの防止に取り組むことを宣言します。

尚、具体的なガイドラインについては策定次第公開します。

                      子連れ句会宣言賛同者一同

補足----------------------------------------------------------------------------
※1例えば、セクハラがはびこる句会で性的な句や解釈が出た場合にセクハラに怯えることなしに句の批評ができるでしょうか?非常に慎重さを求められる問題ではありますが、ハラスメント防止の合意によって、危害を感じることなく議論に加われる環境を作り、性的な作品や解釈がより深まる場面を想定しています。

※2大阪医科大学ハラスメント等防止委員会「ハラスメントとは?」より


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