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「人事データ利活用原則」とは? #2 取得① 適正取得原則

みなさま、こんにちは。koei(@koei2024)です。

「人事データ利活用原則」について、note記事で整理しながら理解を深めることを目指しています。

前回は、人事データ利活用原則について注目した背景と概要、ステップ別分類についてお伝えしました。

今回は1つ目のステップ「取得」に位置づけた「適正取得原則」について理解を深めていきたいと思います。

人事データはその特性上、適正に取得することが重要です。どのような点を押さえておくべきなのか、確認していきましょう。

※原文はこちら


「適正な取得」とは

適正取得原則では、以下点を遵守すべきと記載されています。

  • 個人情報の不正手段による取得はNG

  • 要配慮個人情報は、本人同意なしでの取得はNG

  • プロファイリングで要配慮個人情報を推知する場合、要配慮個人情報保護の取得に準じた措置を講じるべき

「要配慮個人情報」とは何でしょうか。個人情報保護法の第2条 第3項には、以下のように記載されています。

「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。

個人情報の保護に関する法律 (令和6年4月1日施行)

人事情報でいうと、例えば健康診断結果から病歴を推測できてしまう可能性があります。こういった情報については、より厳格に取り扱う必要がある、ということかと思われます。

留意すべき事項

適正取得原則では、求職者や職業紹介事業者に関連する個人情報取り扱いについても触れられています。これらのポイントは、人事としても留意しておきたい内容となっています。

  • 労働組合への加入状況の収集、推知は不可

  • 本人以外の第三者からデータ提供を受ける場合、適法かつ公正な手段によるべき

また、適法性・公正性を担保する措置として、以下のような事項が検討対象として挙げられています。

適法性・公正性を担保する措置(筆者にて分類、作表)

実務への適用

人事データ利活用において、都度本人同意を取得することは現実的ではありません。入社時に「個人情報の取扱い同意書」を提出してもらう方法が一般的なのではと思います。

同意書においては、「対象項目」とその「利用目的」を一覧表などで具体的に記載しておくことが望ましいでしょう。例えば「写真」について、社員証などだけでなく社内システムでの利用も明記しておくと、タレントマネジメントシステム等での顔写真にも適用できます。

実際の項目や目的は業種などによる違いもあり正解を示すことは難しいですが、「従業者の方々にとって、納得感を感じてもらえる運用にできているか」が重要であると考えます。

まとめ

今回の記事では、「適正取得原則」について人事として押さえておきたいポイントと、実務への適用について解説しました。

  • 不正取得NGはもちろん、要配慮個人情報を含め本人同意は必須

  • 取得にあたり、背景や目的の提示、体制や運用の整備、安全性の確認・向上なども留意

  • 入社時に本人同意を取得。従業者の方々に納得感を感じてもらえる運用にできているかが重要

個人情報の取得は人事データ利活用の出発点となります。適正な取得の運用となっているか、確認の際のご参考になれば幸いです。

次回は、取得ステップ2つ目の原則に位置づけた「正確性、最新性、公平性原則」について共有します。よろしければ引き続きご覧ください。

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