マイナー裁判シリーズ第2回「行動する保守とカウンターのメインキャスト級が対峙した民事訴訟」

訴訟の経緯がまったく触れられない大物同士の民事訴訟

 マイナー裁判シリーズ第2回は、民事訴訟の当事者が街宣とカウンターのメインキャスト級であるにもかかわらず、その訴訟の経緯がまったく触れられていないものを取り上げます。この民事訴訟は大阪地方裁判所に係属しており、訴訟当事者は次のとおりです。

原告 川東大了
被告 泥 憲和

 この民事訴訟は、元在日特権を許さない市民の会副会長の川東大了さんが街頭宣伝活動を行うに際して泥憲和さんが批判した内容が名誉毀損にあたるとして提起したものでした。その民事訴訟は弁論準備手続を経て審理がなされていきましたが、審理がストップせざるを得ない出来事が発生することになります。それは被告泥憲和さんの死去でした。

泥憲和さんの戸籍謄本を提出して訴訟を継承した相続人

 被相続人が借金を抱えているなどの事情がない限り、相続人が被相続人の財産や立場をそのまま承継することになります。泥憲和さんについてもそうであったようで、配偶者とお子さんが相続があったことを立証する泥憲和さんの出生から死亡までの戸籍謄本を提出して被告の立場を解消しました。訴訟代理人が同一であるとはいえ、当事者でもなく川東大了さんとの経緯を知らないと思われる相続人が訴訟を続けていくのには難しい面があると思われました。

ギリギリで良心を見せた川東大了さん

 そのような局面で川東大了さんは思わぬ行動に出ることになります。それは民事訴訟を取り下げて訴訟を終結させたのです。それは相続人相手に民事訴訟を継続し続けることが自分に対する批判に結びつくのを恐れただけなのもしれませんが、相続人にいたずらに訴訟の負担をかけることを回避したその決断に対しては高く評価します。