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私の税理士事務所敗戦記EPISODE10出版敗戦記

 これまで、自著3冊 翻訳書2冊を商業出版しています。そのうち3冊は大手有名出版社から出しています。

 世間的には成功と映るとかもしれません。

 だけどあえて出版敗戦記として書きます。

 なぜなら売れんかったからです!

 一冊目はビギナーズラックで重版しましたが、しかしその後は全て初版で終わっています。

 印税率はだいたい定価の10% 翻訳本だと著者と折半でその半分になります。

 最初のマイケルEガーバーの翻訳本は1年半かけて、激しい肩こりと戦いながら上梓しましたが、初版3000部。

 印税は、

 2000円✕5%✕3000冊

 ひまな人は計算してみて下さい。

 翻訳に普通のサラリーマンの人の年間労働時間の約半分1000時間くらいは、かかったと思います。究極のワーキングプアです。

 かつては、商業出版できる人は勝ち組の時代もありました。ビジネス書といえば大前研一さんとか竹村健一さんの時代です。

 しかしこの15年ほどで出版のハードルはすっかり下がりました。

 本を出版するのは簡単というか、色々な方法があります。今は、無理だと思いますが、一冊目の頃は、まだ出版社への持ち込みができました。

 出版セミナーや、出版プロデューサーのところに行くのが早道でしょう。

 翻訳出版は意外と簡単で、海外で売れている本を探してくればあとは熱意と根性で何とかなります。クラウドソーシングを使えば安く下訳をしてくれる人も見つけられます。

 しかし、問題は出版したあとです、どうやって売るかを教えてくれる人は、ほとんどいません。

 山頂までは連れていってもらえるけど、スキーの滑り方は教えてもらえないようなものです。
 
 先日Voicyで幻冬舎の箕輪厚介さんが本がどうやって売れるかについて語っておられました。

(音声ブログのVoicyはおすすめです。スマホアプリを検索してみて下さい。西野亮廣さんの話などは、ものすごく勉強になります。)

 本が売れるのは初速が勝負、かなり前からSNS特にtwitterで仕掛ける必要がある。箕輪さんクラスが仕掛けるとアマゾンだけで最初に5000冊くらい売れて、その時点で重版が決まるそうです。

 さらに初版で1万5000冊くらいないと書店の面がとれないので初速がかせげない。

 しかしながら無名の人が箕輪さんに編集してもらうことはまず不可能です。

 が、

ここで考えたいのは我々は、 

 村上春樹になりたいのか?

 池井戸潤になりたいのか?

 印税生活したいのか?(できたらいいですが)

そうではないはずです。

 私が学んだコンサルタント養成塾の五島万晶先生は、

元編集者で、出版のプロですが、

コンサルタントにとって、

 セミナーは商談

 本はチラシ

と、断言しておられます。


 ひとつ例をあげると

 日経新聞の2面以後の書籍広告は、大手出版社の本ですが、1面の書籍広告は、聞いたことのないような出版社の本がほとんどです。

 ずいぶん前のことですが、

 日経新聞1面の左下隅に、頻繁に
「外断熱工法の家造り」の本の広告が出ていました。 

 不思議に思って、出版社の人に聞いてみたら
あれは著者が自分で広告枠を買っているということでした。

 この建築家はまさに本をチラシにして何百万円も払って書籍広告を出しているのです。

 その本の読者が家を建ててくれたら十分もとがとれると考えたわけです。

 私の友人のベストセラービジネス書著者に、

「どうやったら、そんなに本売れるん?」

と、聞いたら、彼もかなりの広告費をかけていました。

 つまり200ページのチラシをお金をかけて配っているのです。

 ビジネス書著者は、バックエンドとなる商品への導線を設計する必要があるのです。

 ホリエモンや西野亮廣さんの場合は、出版がオンラインサロンへの導線となっているのだと思います。

 私はそこの部分が欠けていました。山頂に着いた時点で満足してしまいボーゲンでゆるゆると滑り降りていました。

 最後に翻訳したPROFIT FIRSTは少しそれを意識していっぱいセミナーをやり、こがねむしクラブへの導線を作りました。

 勿論バックエンドを売ることだけが全てではなく出版した本で世の中に良いインパクトを与えたいという想いは大事です。

 しかしながら自費出版ではなく、商業出版は、出版社に印刷代を出してもらい印税まで頂く以上売れなくてはならず、独りよがりでは成り立たないので、そこのバランスをとるのが難しいところです。

 結論、商業出版は本が出た後が執筆以上に大事!!

 

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