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ひとり税理士+ソフト屋さんの攻防記 RPAについて考えてみた。

いつかブーメランのように自分に帰ってくるんじゃないかと思い、今年は、「毒を吐かない、disらない」ことを目標にやっていこうと思います。

 正月早々、オグ・マンディーノの世界最高の商人を読み、ドラマ3年A組の菅田将暉を見てその思いを強くしました。

 さて、今回は業界で話題のRPAについて、税理士とソフト開発者の視点で毒を吐かないように考察してみたいと思います。

 結論からいうとRPAの将来性は高いと思います。実は、RPAという言葉が普及する以前から、「会計ソフトから法人税申告書が自動で作成できたらいいのになあ」と妄想していました。

 今は、UipathというRPAシステムの無料版を使用しています。無料版と言ってもおそらく現在最強のRPAの機能をほぼ全部使うことができます。他のRPAはデモでしか見たことがないのですが、Uipathで、できないことはおそらく他のRPAでもできないのだろうなと推測して書きます。

 Excelということに限定すれば、VBAで書くマクロは最強です。しかし他のソフトウエアにまたがる場合は、使えません。そこにRPAのシステムが登場するわけです。

 私が作ったRPAのロボットは基本的に、Excelのデータを他のソフトウエアに転記させるものです。

 現状、こがねむしクラブの申し込みがあると、Excelデータから、Wordpressの会員サイト登録、自社システムへの登録、Kintoneの会員データベースへの登録を、RPAで行ってます。

 ここで問題が生じるのは、自社システム以外は仕様変更が予測できず、少しでも入力位置がずれると、たちまちロボットは動けなくなります。

 うちの場合も、Kintoneへの登録では頻繁にロボットが停止します。自社システム登録は問題なく動きとても助かっています。


 会計ソフトから、Excelにデータをエクスポートして、RPA経由で税務ソフトにデータを転記しようとする場合も、税務ソフトはRPAを前提に作られていないので、なかなかうまくいきません。

 法人税の達人への転記ロボットを作りましたが、10回に3回くらいは失敗します。それでも何百件も申告書作成があれば、メンテしても使う価値がありますが、数件とか数十件だと普通に手作業の方が早くなると思います。


法人税の達人への転記ロボットの動画です。

https://vimeo.com/332153902/8bbc0bed87


 今、日本でRPA導入で最も成果をあげているのは、自社システムを使っている、お役所や大企業で大量のデータを扱っているところです。


 自動車に例えるなら、現在のRPAはハイブリッド車です。本格的な電気自動車が現れるまでのつなぎのような位置づけだと思います。

 現在は、自動というより半自動で、職人的な技も必要です。まだ3歳児くらいの知能を持つロボットという感じです。

 今後、AIで少々の位置のずれは補正できたり、技術革新がおきていくだろうと期待しています。

 T社、J社、M社のように、会計ソフトと税務ソフトの両方をもっているところは、やる気になれば、いいものが作れると思います。

 問題は、会計ソフトだけつくっている会社、(こちらの方が圧倒的に数が多いと思います)と、税務ソフト間の連携がどうなるかです。

 メジャーな会計ソフトだけでも20種類以上が共存し、縦割りでデータ形式すら統一できなかった業界でそういうことが可能になるかどうかどうか?

 よほどイノベーティブな業界の風雲児が現れない限り難しいのではないかと思います。


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