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私の税理士事務所敗戦記EPISODE11学習法敗戦記

 コンピュータープログラムを作っているので理系と思われたり。

 翻訳してるので学生時代から英語が得意だと勘違いされたり。

 税理士なので計算が得意という先入観を持たれたりします。

 しかしながら、中高大エスカレーターなので、理系も文系もなく、ラグビーばっかりやってた運動部系です。

 高校時代、英語は赤点でした。
(キリスト教の学校だったのですが、礼拝欠席の記録を作りました。うちは浄土真宗ですと言ったら怒られた)

成績表

 計算、これが一番やばくて、小学生の頃、同級生はみんなソロバン3級くらいとってたのですが、私はどうも苦手で最後まで級がとれませんでした。

 もしかしたら最近良くいわれる発達障害的なものもあるかもしれませんが、やはり勉強のやりかたにもタイプがあると思います。

 プログラミング、翻訳、税理士試験を克服したことに共通する勉強法みたいなのがあったのではないかと振り返ってみます。

 まず翻訳とプログラミングへのアプローチの仕方は、よく似ています。どちらも基礎から学んだのではないということ。

 まず登る山を決めてから、必要なスキルと道具だけを揃えました。これがもしも、いつかはエベレストをみたいな漠然とした高い目標をたてて闇雲にトレーニングしてたら途中でケツを割っていたと思います。

 翻訳は、どうしても日本語に訳したい本があり、英辞郎という辞書ソフトとGoogle先生だけで300ページの本を訳しました。30年ほど前にカナダに2年ほど滞在したことがありましたが、その後英語からは遠ざかっていました。翻訳したあとのTOEICのスコアは850点くらいでしたから、そんなに大した英語力ではありません。

(TOEICは、英語の苦手な日本人向けに作られたテストなので比較的簡単です。)

 プログラミングは、資金繰り実績表ソフトをつくるという目標から、VBAのFor とIfだけを使って何万行のプログラムを書いて、27000円で販売しました。

 ですので、その道のプロから見れば「おまえなめてんのか?」というような噴飯物だと思います。

 
 税理士試験に関していうと、税理士試験は、理論問題と計算問題に別れています。計算問題はひたすら練習問題を解けば合格レベルに達します。ソロバンは苦手でしたが電卓が使えるので問題ありませんでした。

 問題は理論問題です。法人税や所得税になるとボリュームが多いので200ページぐらいの本を一字一句丸暗記する南方熊楠レベルの記憶力を必要とします。

 普通の人は、まじめに一字一句暗記して、それを書き出して覚えていきます。私の場合性格的にすぐにショートカットをみつけようとします。

 まず、その当時世の中にあった記憶法というのを調べ始めました。そして、最初にやったのが、漫画雑誌によく広告が出ていた渡辺式記憶法というものです。

 ちなみに子供のころから、漫画雑誌の広告に弱く、空手の通信教育や、長身法を実践しておりました。(余談ですが、その後、川端式長身法を考案された川端博士の娘さんが顧問先になり、えらく感動しました。顧問先の本棚で川端博士の本を発見したのです。)

 渡辺式記憶法とは、今でも記憶法の王道となっているイメージを使った連想法です。自宅から専門学校に通う道筋にある郵便ポスト、八百屋さんなどと所得税の条文を結びつけて記憶していくのですが、条文の量が膨大すぎて、おっつかず断念しました。

 その次にやったのが、当時韓国から日本に上陸してきたキム式速読法です。今は、日本にも色々な速読法がありますが、そのルーツをたどると、ほとんどはここにたどりつきます。

 ◯がいっぱいならんだテキストをみてひたすら速く目を動かすというもの。

 そのうち1ページがそのまま頭の中に飛び込んできて記憶されるという謳い文句でしたが、無理でした。

 おそらく何万人にひとりは、いわゆるフォトグラフィックメモリーを持つ特殊な脳を持つ人もいますが普通の人には不可能だと思います。

 いまだからこういう風に冷静に考えられますが、けっこうな金額をぶっこんでいたので、あきらめることができません。

 これは、きっと脳波がアルファー波になってないからだということに思い至りました。人間が持つ潜在能力を使いこなせていないのだと!

 そこで、漫画雑誌の広告に出ている、アルファー波を出す機械、バイオフィードバック装置を購入することにしました。

 合成皮革張りのアタッシュケースに入った瞑想用カセットがセットになったハイエンド商品です。大きな箱で郵送されてくるのですが、親にみつかると何を言われるかわからないので、ラグビー部の後輩の家に送ってもらいました。

 毎日、ろうそくを見つめながら、頭に電極が入ったテープを巻き、瞑想用カセットを聞き脳波がアルファー波になると、インジケーターが緑に光ります。ハイエンド商品なのでその秒数を記録することもできました。

 隣の部屋にいた兄は真剣に心配していたようです。あと20年遅かったらオーム真理教に入っていたかもしれません。(ちなみに、その瞑想用テープで唱えるマントラはオームでした)

 その他、税理士試験の受験雑誌によく広告の出ていたキオークマンという、SKYPEで使うようなヘッドセット型の記憶装置も試したことは言うまでもありません。
 
 まあ、なんだかんだあって、結局毎年、試験の3ヶ月前になると、
「やっぱり普通に覚えたほうがええ。」と、
ボールペンで書きなぐって理論問題を暗記し、6年かけて税理士試験に合格しました。

 その数年後、脳内革命という本がベストセラーになったり、速読がブームになり、

「コンドウ、お前の先見の明はすごい!次は何がくるねん」と、当時馬鹿にしていた友達が心を入れかえるケースもありました。


 以上、ノーマルな人には、ほとんど参考にならない勉強法でした。

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