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おとなの研究

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現場で働いているフツウのおとなが研究を始めたらどうなるでしょうか。何か意味のあることができるかもしれません。
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【おとなの研究】(12)テーマからトピック、そしてリサーチクエスチョンへ

2024年2月10日(土) 前回は、「自分だけが気づいている」と思っているテーマについて研究を探してみると、すでにたくさんの研究がなされていることを発見するだろうということを書きました。 たとえば「子どもへの賞罰」ということを研究テーマとして設定してみると、たくさんの研究がなされていることがわかります。

【おとなの研究】(11)すでに確立した理論が自分の現場においても適用可能なのかということを検証するところからスタートする

2024年2月3日(土) 前回は、Google Scholar で先行研究の調査をして、関係のありそうな論文を探して、その論文を読むことについて書きました。学術論文には共通の形式がありますので、それを把握していれば、読むのは難しくありません。もし難しく感じるとすれば、それは自分にその知識がないだけの話ですので、そこから勉強を始めればいいのです。 さて、自分の研究テーマに関連する論文を集めて読んでいくと、最初は思いつきに過ぎなかったものが、徐々に1つの研究テーマとして形作ら

【おとなの研究】(10)研究論文を読むのは本を読むよりも簡単

2024年1月27日(土) 前回は、現場で問題を発見して「自分だけが気づいている」という楽しさを一瞬でも味わったら、先行研究の調査に移ろうということを書きました。先行研究の調査は Google Scholar で検索して、関係のありそうな論文を読むところから始めるといいでしょう。

【おとなの研究】(9)「自分だけが気づいている」という楽しさを一瞬でも味わったら、先行研究の調査に移る

2024年1月20日(土) 前回は、現場/現象をよく観察することによって、そこで働いている重要な要因/変数を見つけることでWhat型の研究がスタートすることを書きました。興味をひくような現場/現象に名前をつけるとそれが研究のトピックになります。

【おとなの研究】(8)キーワードの概念を明確にする

2024年1月13日(土) 前回は、現場をよく観察することによって、そこで起こっている問題の裏側で働いている要因が透けて見えてくることを書きました。それらの要因には、こちら側がコントロールできるものも、できないものもあります。これらすべてのものをまとめて「要因(factor)」あるいは「変数(variable)」と呼びます。 このように、研究の目を持つための最初の一歩は、現場や現象を観察して、そこから働いている「要因/変数」はなんだろうかという視点を持つことです。

【おとなの研究】(7)現場の観察から要因/変数を見つけだすのがWhat型の研究の第一歩

2024年1月6日(土) 前回は、自分の現場の中で「この問題は何なのか」という意識を持つことで「What型の研究」をスタートさせ、それを一般化しようとすると「法則定立的」な研究に、その一回性の中の構造を見ようとすると「個性記述的」な研究に進むということを書きました。もちろんこの両者の視点を持って研究を進めることもできます。

【おとなの研究】(6)自分の現場の問題が限定された工夫にとどまるか、社会に還元できる研究になるかの分岐点

2023年12月23日(土) 前回は、自分の現場の中で、問題だと感じているこの問題は、一体どういう問題なのかということを考え、観察していくことによって「What型の研究」を始めることができるということを書きました。 さて、このように現場の中で問題だと感じたことに目をつけることで研究がスタートします。そうすると、「え? 自分の現場の問題を取り上げることで、それを "研究" と呼んでいいのですか?」と考える人がいるでしょう。つまり、自分の現場の問題は、そこそこ特殊なものであっ

【おとなの研究】(5)今自分が問題だと感じているこの問題は、一体どういう問題なのかということを考え、観察していく

2023年12月16日(土) 前回は、研究の視点を持つと、日々現場で起こっている悩みごとや困ったことが研究のネタとして見えてくるということを書きました。 そうしたら、現場で起きている現象をよく「観察」することです。自分の「こうあるべきだ」という思い込みをできるだけ少なくして、現場の問題を「ありのまま」にラボノートに記録していくことが大事です。

【おとなの研究】(4)研究の視点を持つと現場で頭を悩ませるすべてのことが研究のネタとして見えてくる

2023年12月9日(土) 前回は、「ラボノートを用意しよう」と題して、一冊のノートを用意して、そこに自分の研究トピックに関することをすべて時系列順に記録していこうということを書きました。

【おとなの研究】(3)ラボノートを用意しよう

2023年12月2日(土) 前回は、「まず Google Scholar で先人の研究を探す」と題して、単なる「思いつき」を研究トピックにするために、先人たちがどのような研究をしていたかをリサーチすることがスタートになるということを書きました。 今回は「ラボノートを用意しよう」ということを書きたいと思います。

【おとなの研究】(2)まず Google Scholar で先人の研究を探す

2023年11月25日(土) 前回は、フツウの大人が「研究」のようなことを始めると、大人の人生は楽しく、意味のあるものになるだろうということからスタートして、現場のリアリティ(Reality)と、現場との関連性(Relavance)が「おとなの研究」のキーになるということを書きました。

【おとなの研究】(1) 「おとなの研究」とは何か

2023年11月18日(土) フツウのおとなが「研究」のようなことを始めると、おとなの人生は楽しく、意味のあるものになるだろうな。そしてそういう人たちが増えていくと、社会は全体としてより良くなっていくんじゃないかな。そんな予感がします。 私は自分の仕事として、いろいろなところで講演やワークショップをします。そこでは専門家や研究者として、さまざまな質問をもらい、それに答えます。私は質問に対して自分の知っている範囲で答えるわけですが、知らないこともあるし、現在の段階の研究とし