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アンケート調査の基礎

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この連載では「アンケート調査の基礎」と題して、意味のあるアンケート調査をするためのスキルをワンステップずつ身につけていきたいと思います。
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【アンケート調査】(11)回帰分析によって複雑な現象を切り取る

前回は2つの変数の関係を見るために、散布図を作りました。散布図の全体的なプロットを見ると、2つの変数の関係が読み取れます。もしプロットが右上がりになっていれば、1つの変数が大きくなるにつれてもう1つの変数も大きくなります。これを正の相関と呼びました。もしプロットが右下がりであれば負の相関です。 この相関の強さを数字で表すことができると便利です。相関の強さを表す数値が「相関係数」です。相関係数は、-1から0を通って+1までの値をとります。相関係数がマイナスのときは負の相関で、

【アンケート調査】(8)量的なデータ分析

頻度(回数)や度数(人数)、また「1=そう思わない」から「5=そう思う」のような尺度では、データは数字で得られます。このようなデータを量的データと呼びます。一方、自由記述で得られた文章やインタビューで得られた語りは数字では表せません。このようなデータを質的データと呼びます。

【アンケート調査】(7)フェイスシートと回答の種類

フェイスシートフェイスシートではまず、回答者の基本的な属性を聞きます。性別や年齢などです。そのほかに、調査目的からみて重要だと思われる要因についてもここで聞いておきます。たとえば学生生活の満足度を明らかにしたい調査であれば、それに影響しそうな要因である、通学時間、自宅か下宿か、所属しているサークルとその種類などです。

【アンケート調査】(6)質問項目の作り方

前回はアンケートの基本的な構成要素について説明しました。アンケートの構成要素は、(1) 表紙、(2) フェイスシート、(3) メインの質問項目、(4) 自由記述です。

【アンケート調査】(5)アンケートの基本的な構成要素

前回は、アンケート実施の時期と回数を取り上げました。アンケート実施の時期と回数については、その目的によって、(1) 1回限りのアンケートで済む場合、(2) 事前と事後の2回とる場合、(3) かなりの期間を過ぎて新奇性効果が薄れた頃に行うフォローアップ調査を行う場合があります。

【アンケート調査】(4)アンケート調査の目的によって実施の時期と回数を決める

前回は、アンケートの目的を取り上げました。アンケートの目的は大きく分けて次の3つがあります。 実態を知る 検証する 改善する 今回は、アンケート実施の時期と回数について目的と照らし合わせて考えてみましょう。

【アンケート調査】(3)アンケート調査の目的には「実態を知る、検証する、改善する」の3つ

前回は意味のあるアンケート調査をするためのポイントとして次の3点を挙げました。 アンケートの目的を明確にすること 目的にあった質問を考えてアンケートを設計すること 目的と質問にあった分析方法を使って分析すること

【アンケート調査】(2)アンケートのポイントは「目的・設計・分析」

意味のあるアンケート調査をしたいとは誰もが思っていることでしょう。しかし実際には、テキトウなアンケートや惰性でやっているアンケートによくお目にかかります。また、せっかく回答を集めても、データ分析せずにそのままになっているアンケート調査もあるのではないでしょうか。意味のあるアンケートを作るためにはどうしたらいいのでしょうか。

【アンケート調査】(1)意味のあるアンケート調査をするために

先日(2017年)、早稲田大学アカデミックソリューションの企画で、「アンケート設計の基礎」という4時間のセミナーを開きました。各地から大学職員・教員の方に参加していただきました。