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ちはるのファーストコンタクト(2017年)

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2017年に書かれたマガジン「ちはるのファーストコンタクト」の記事をすべて収録しました。300本以上あります。
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#感情

【アドラー実践講座】#05 感情の意味を知ればコントロールすることができる。

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。早稲田大学エクステンションセンター中野校で開講中の「アドラー心理学実践講座」からの話題を取り上げてお届けしています。 今回は第5回目「”感情” をコントロールする」です。 心理学では、感情 (affect) は持続する状態、情動 (emotion) は一過性のものとして区別しています。しかし、一般的には両方をまとめて感情と呼んでいます。 基本的な感情には以下のものが挙げられます。 ・ポジティブな感情:楽しさ、満足、安心、

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怒り感情が起きたら、それをやり過ごしたあと何か問題なのかを考えるトレーニングをする。(感情論#08【最終回】)

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。ここしばらくは「感情」についての連載をしています。今回は「感情」の最終回です。 前回までに、おもに、怒りや不安、後悔というようなネガティブ感情を中心として、アドラー心理学の立場から見てきました。これまでの内容をまとめてみると以下のようになります。 ・感情は、感情(emotion)と情動(affect)に分類できる。情動は、特定の対象に対して短時間しか持続しないのに対して、感情は対象を特定しないで長時間持続するという特徴がある

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怒り感情は「今目の前で起きていることについて何か問題がある」ということを知らせるために自分が起動するのです。(感情論#07)

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。ここしばらくは「感情」についての連載をしています。 前回は、過去の出来事に対して起動する「後悔」という感情を取り上げました。 後悔感情は、アクティブ(能動的)傾向の人であれば、「あのときこうしておけば良かった」と考えて、自分がその行動を取らなかったことを悔やみます。これが強くなると、自分の思う通りにしてくれなかった他者を怨んだり、行動できなかった自分を「怨む」という感情に変わります。 一方、パッシブ(受動的)傾向の人であれ

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なぜ、後悔や怨みや罪悪感といった、過去の出来事についての感情があるのでしょうか。(感情論#06)

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。ここしばらくは「感情」についての連載をしています。 前回は、未来の出来事に対して生じる不安感情を取り上げました。不安感情は、アクティブ(能動的)傾向の人であれば、「焦り」や「イライラ」という感情に変化しやすくなります。一方、パッシブ(受動的)傾向の人であれば、「心配」を経て「諦め」や「ふてくされ」のような感情に変化します。 未来の出来事に対しては「不安」という感情を起動させます。一方、過去の出来事に対しては「後悔」という感情

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未来への不安感情はアクティブな人では焦りになり、パッシブな人では諦めになります。(感情論#05)

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。ここしばらくは「感情」についての連載をしています。 前回は、ネガティブ感情はそこに「何か問題がある」ということを知らせるという働きを担っているということを書きました。アドラー心理学的には、そこに何か問題があるので、それをなんとかしようという「目的」のために「感情を起動する」という説明になります。 「不安」という感情が起こるということは、未来の出来事に何か問題がありそうだということを示しています。たとえば、試験があるとか、発表

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ネガティブ感情が起こったときにどうするか。(感情論#04)

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。ここしばらくは「感情」についての連載をしています。 前回は、ネガティブ感情の機能について書きました。不安やイライラするというようなネガティブ感情は、「そこに問題がある」ということを私たちに知らせてくれます。そうすると私たちは、それを解決しようとして、注意の資源(注意力)をそこに集中します。このようにして、その問題をなんとか乗り切ろうというわけです。 ネガティブ感情は「何か問題がある」ということを知らせてくれるので、それ自体で

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ネガティブ感情が注意を狭めることによって問題解決をますます困難にする悪循環のパターン。(感情論#03)

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。 前回は、ポジティブ感情とネガティブ感情について次のようなことを書きました。  ・ポジティブ感情とネガティブ感情はそれぞれ独立している。  ・ネガティブ感情は、注意を狭め、局所的な認知や処理を高める。  ・ポジティブ感情は、注意を広げ、全体的な認知や処理を高める。 Fredrickson の「ポジティブ感情の拡大-構築理論 (broaden-and-build theory) によると、 ポジティブ感情は、その時々の思考-行動

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ポジティブ感情は思考と行動のレパートリーを広げ、個人の資源を高める。(感情論#02)

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。 前回は、スタートレックに出てくるバルカン人のことを引いて、もし感情という厄介なものがなければスッキリ生きられるかもしれないと書きました。とはいえ、そんなわけにはいきませんし、人類が感情という機能を進化させてきたからには何らかの理由があるはずです。 感情には、「わくわくする」や「熱中している」のようなポジティブな感情と、「心配している」や「いらいらしている」のようなネガティブな感情があります。今回は、山崎(2006)の論文「

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感情の問題を考えるときスタートレックに出てくる冷静なバルカン人のことを思い出します。(感情論#01)

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。 前回で、13回に渡る「ライフスタイル」についての連載に一区切りを入れました。今回からは「感情」について取り上げていこうと思います。 現代ほど感情の問題が重要になっている時代はないかもしれません。感情は、私たちが幸せに生きるための鍵でもあり、一方で私たちを悩ませる元にもなっています。いつでもイライラしている人もいますし、ときどき怒りで爆発する人もいます。一方で、楽しい感情やワクワクする感情などのポジティブな感情は、私たちに幸

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