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(129) コロナ2年目のオンライン授業をどうするか

2021年4月4日(日)

明日から大学の授業がスタートします。1年前を思い返すと、4月はキャンパスもロックアウトされていて、もちろん授業はできませんでした。授業が始まったのは5月の連休のあとでした。そしてすべてオンラインによる授業が始まったのでした。

コロナ2年目です。この一年でオンライン授業はすべての大学で実施されてきました。これからは、文科省の方針のように、できる限り対面授業を増やしていくという方向でいくことになるでしょう。しかし、感染拡大のリスクが容易に減らせないのであれば、オンライン授業をベースとして考える方が理にかなっています。オンライン授業を基本として、状況により感染リスクが下がれば、順次対面授業に戻していけばいいからです。

コロナ2年目のオンライン授業をどう考えるかが大学運営の分岐点になります。ただ緊急避難的なものとしてオンライン授業を捉えるか、あるいは、オンライン授業こそが大学授業のコアな部分になると捉えるかによって、その後の大学像はまったく違ったものになるでしょう。

・eスクールのバージョンアップ

早稲田大学人間科学部通信教育課程(eスクール)は、10年のスパンで見ると入学者数が微減状態で続いていました。しかし、数年前から反転し、入学者数が増加しました。そして2021年度入学者数は前年比20%増ということになりました。その原因はよくわかりませんけれども、「人生百年時代」というフレーズが行き渡ったことによって、生涯学習の機運が高まっているのが背景の1つだろうと思います。もちろん、eスクールの知名度が徐々に上がってきていることも要因の1つです。

2003年度に開設されたeスクールは、当初からフルオンデマンド授業を実施していました。科目の組み合わせによっては、一度もスクーリング(対面授業)を受けなくても卒業が可能であるとうたわれてきました。このシステムだからこそ、海外在住のまま卒業することも可能なのです。

したがって、昨年度のコロナ下においてもeスクールは平常運転でした。ただ、通常対面で行われる卒業論文口頭試問がZoom開催に変わったことを除いては。しかし、この1年で、Zoomに代表されるようなWeb会議システムがオンライン授業でも活用できるということが広く行き渡ったのは大きな社会変化でした。ですので、社会全体の変化に対応して、eスクールもまた、そのオンライン授業の方法をバージョンアップしていく必要があります。

・静的なオンデマンド授業からダイナミックなオンライン授業へ

オンデマンド授業のビデオはそれ自体で1つのトピックの標準的な内容を導入してくれるものです。たとえば放送大学の授業のようなイメージです。放送大学ではだいたい4年間でビデオを改訂しますので、4年間は利用できるようなビデオ教材の作り方をします。それは、その時点での特定のトピックを扱う授業のスタンダードとして位置づけられます。

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