2-教える技術ヘッダ

学習ビデオは前置きなしに単刀直入に内容を伝えるもので数分の長さのものが最適。

火曜日は「教えること/学ぶこと」のトピックで書いています。ここしばらくは、授業や研修の設計と実施について書いています。

前回は、新しい知識を自分にあったスピードで、しかも完全に理解する方法として「個別化教授システム=PSI」を紹介しました。その特徴は以下の4点です。

 (1) 講師は講義をせず、学習者は用意された独習教材を使って、自分のペースで学習を進める。
 (2) 1つの学習ユニットが完全に理解できたかどうかは、通過テストに合格することで保証される。
 (3) プロクターは、学習者10人程度に対して1人の割合で用意され、学習者から求められたときに、個別に指導する。
 (4) 講師は授業内容としての講義をしないが、動機づけのため授業内容に関連した短い話をすることができる。

PSIの革命的なところは、講師が壇上で長々しいレクチャーをしないということです。それはすでに1960年代に提唱されていたのです。そこから、1990年代の「学習者中心主義」として復興し、そして現代の「アクティブラーニング」へと繋がっていると見ることもできます。

しかし、本当に「学習者中心」であることをうたうならば、個々の学習者に最適なペースで学習が進められることを保証しなくてはなりません。私の見るところ、それは未だに実現されていません。学習者中心主義を実現しようとするのであれば、講師は時間の多くを壇上の話で使うことをやめなくてはなりません。

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