5-話す技術

【連載】みんなの前で話す技術(第11回):話の補助としてのスライドの作り方

金曜日は「みんなの前で話す技術」講座を連載しています。今回は「話の補助としてのスライドの作り方」を書きたいと思います。

前回はなんらかの構造を持った話をするときには、スライドを作るのが良いということを言いました。スライドは、話し手の台本となり、聞き手のガイドマップにもなり、事後の資料として残るという3つのご利益があるからです。

ではそのようなスライドを作るにはどうしたらいいでしょうか。話の補助となるスライドは、次のように作るのがポイントです。

 1. キーフレーズのみにして字数を少なくする
 2. グラフィック、イメージ、写真を活用する
 3. スライドの枚数を限定する

1. キーフレーズのみにして字数を少なくする

文章をそのままスライドに貼り付けていく人がまれにいますが、ダメです。字数が多くなると必然的に文字の大きさ(ポイント)が小さくなりますので、後ろの方に座っている人は読めません。人は読めないものを提示されると、フラストレーションが溜まってきます。そうなってしまうと、もはやあなたの話も聞いてくれないでしょう。

スライドに文字を載せる場合は、キーワードあるいはキーフレーズのみにして、字数を可能な限り抑えるのがポイントです。人は文字が目に入ると自然にそれを読もうとします。電車に乗っていて窓の外を眺めていても、広告の文字が目に入ると、自動的にそれを読んでしまいます。読みたくなくても読んでしまうのです。これは「自動的読み(Automatic reading)」と呼ばれる現象です。

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