1-アドラー用ヘッダ

【アドラー心理学の実践】#09 “勇気”についての質疑応答

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。10月4日(木)から始まった早稲田大学エクステンションセンター中野校での「アドラー心理学実践講座」(全8回)が終了しました。この連載では、この講座の内容をお伝えしています。講座に参加できなかった方にも、その雰囲気が伝わればいいなと思っています。

今回は、勇気に関連した質問を取り上げます。

[Q1] 勇気に関連して「勇気づけ」とはどういうことでしょうか。

勇気 Courage に対して、「勇気づける」は英語では Encourage という動詞になります。「勇気づけ」はその名詞形で Encouragement です。

勇気というのは、ライフタスクに対して共同体感覚にしたがって決断し、行動することと前回定義しました。そうすると、勇気づけるということは、相手がさまざまなライフタスクに対して共同体感覚にしたがって決断し、行動できるように援助することです。共同体感覚にたがうということは、自分の利益のためだけに行動するのではなく、自分の行動がより大きな共同体のためにもなるように行動しようとすることです。

このように言うと、「まず自分のためにも行動できないのに、それ以外の人々や共同体のために行動なんてとてもできません」と言う人がいます。しかしこれは逆なのですね。「自分のために」と思うからこそ失敗が怖くて行動できないのです。自分のためと考えると、失敗の全てが自分にかかってきます。だから怖いのです。そうではなく、自分のためでもあるけれども、他の誰かのためになると思うから、失敗が怖いという個人的な感情を乗り越えて、挑戦ができるのです。

[Q2] 相手を勇気づけるためにはどのようにすればいいでしょうか。やはりほめることが大事でしょうか。

ここから先は

390字
この記事のみ ¥ 100

ご愛読ありがとうございます。もしお気に召しましたらマガジン「ちはるのファーストコンタクト」をご購読ください(月500円)。また、メンバーシップではマガジン購読に加え、掲示板に短い記事を投稿していますのでお得です(月300円)。記事は一週間は全文無料公開しています。