2-教える技術19

【学びの場】04 学習者をそろえるための方法:参加費の設定

火曜日は「教える技術/学ぶ技術」のトピックで書いています。しばらく「学びの場とその設計」という話題で書いています。

前回は、グループレッスンをするときに大切なことは、グループ内の学習者をそろえることであるとして、次の3点でそろえることが必要だといいました。それは、レッスンへの情熱、すでに持っているスキル、そして目的が一致していることです。

この3つの側面で、グループ内の学習者をそろえることによって、レッスンは非常に効果的なものになります。なぜかというと、1つは教える方の進行がスムーズになるからです。学習者のレベルがそろっていることによって同じレッスンメニューで進めていくことができます。また、学習者間で差が現れたとしても、細かい調整で解決することができます。

もう1つは、学習者同士が切磋琢磨し、また助け合うことができるからです。同じレベルの学習者であれば、お互いを相手にして練習することができますので、そのことによって成長が速くなります。しかし、レベルの差があると、レベルの高い人にとっては足踏みしなくてはならない時間がある一方で、レベルに追いついていない人は焦ったり、不安を感じたりします。焦りや不安がある状態では、学習はうまく成立しません。レベルの高い人が低い人を教えれば解決するだろうと考える人がいるかもしれません。しかし、それは教えるという行動が訓練の目標になっている場合に限ります。通常は、学習者同士の教えあいのオプションを期待してはいけません。

では学習者をどうそろえればいいのでしょうか。それには次の3つの方法が考えられます。それは、参加費の設定、テストによる確認、そして、前提条件としてのトレーニングを受けてもらうことです。順に説明していきます。

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