見出し画像

二度目の「がっちりマンデー!!」とその後(後編)

 6月4日の「がっちりマンデー!!」の放送のインパクトは、前回放送の5年半前とは比べ物にならないほど大きいものでした。2015年12月の放送の際も、全国からの問い合わせがたくさんあり、さくらや高松店に訪れる全国のお母さんたちからのお土産でお店のカウンターが山盛りなるほどでしたが、今回の反響はそれ以上でした。

 番組が放送された6月4日には、さくらやのパートナーになりたいという問合せメールなど、100件以上のやり取りに馬場さんは追われました。問合せメールへの早い返信を心がけたのは、放送を見てすぐに反応してきた人の熱い思いに応えたかったからです。

 2015年の放送時と違ってコロナ禍ということで、パートナー説明会もZoomによるオンラインで行うことになりました。オンライン説明会は放送当日の夜から早速始めました。各回30人ほどの参加がありました。30分の説明会に参加した後、希望者はさくらやのホームページからパートナーの個別相談を申し込むという流れです。

画像3

 放送日から3日間で、問合せは約300人。放送時にはさくらやのホームページサーバーがダウンしてしまうほどで、ホームページのPVは4万を超えていました。その後も問合せが相次ぎ、8月上旬の時点で400件に達しているそうです。

 400人以上の人たちとメールやオンラインでのやり取りをする中で、馬場さんは問合せをしてきた人の本気度や可能性がどの程度かが見えたそうです。申込欄にある住所や連絡先をなぜか書いてこない人(テリトリー権の関係で住所は重要)、オンラインミーティングで顔出しをしない人、個別相談で自分語りが長い人、最寄りのさくらや店舗にアポ無しで行って根掘り葉掘り質問する人・・・。さくらやのパートナーになると、必然的にお客さんの対応が多くなります。地域の困りごとに目を向け、自分たちに何ができるのかを考えて行動することが必要なのです。

 さくらやパートナーとして成功するポイントは、「人の話を聞くこと、そして素直であること」と馬場さんは言います。これは子育てにも通じることなんだそうです。相手の立場に立って思いやりのある行動ができるかどうか。せっかくさくらやを始めるなら、地域のためになる活動をしながら、長く続くお店にして欲しい。そんな思いを馬場さんは持っているのです。

画像3

 パートナーを希望する問合せの中には、地域のために何かしたいというお母さんや、退職した学校の先生、会社をリタイヤした男性など、さまざまな人がいました。コロナで本業が厳しくなったり、多角化を模索している企業からも、さくらやのパートナーになりたいという相談があったそうです。

 馬場さんがパートナーの採用を決めるに当たって重視したことは、「その人が地域のためになる店舗を運営できるのか」ということでした。もちろん、さくらやはボランティアではなくビジネスなので、営業もしなければなりませんし、売上げも上げなければなりません。そのことは強調しながらも、説明会や個別相談では、コミュニティづくりや地域循環の話に時間を割いたのだそうです。

 「がっちりマンデー!!」を見て、「さくらやパートナーになればがっちり儲けられる」と思った人も多いかも知れません。そんな人は、説明会で地域貢献やコミュニティについて力説する馬場さんの姿を意外に思ったことでしょう。でも、売上げや利益を大事にすることと地域の支援活動をすることは、矛盾することではありません。補助金や支援金をあてにすることなくビジネスとしてさくらやを継続することが、結果的に長く地域貢献できると馬場さんは考えているのです。

 「がっちりマンデー!!」の放送から2か月ほどが経ち、馬場さんは15件のパートナー契約を締結しているそうです。契約した一人一人にメッセージを書きながら、全国各地で学生服の購入で困っている人たちや、それ以外のことでも悩んでいるお母さんたちの支援を「さくらや」を通じて頑張ってくれると思うと、馬場さんは感謝の気持ちで胸が熱くなったそうです。

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?