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地方勤務と海外勤務を経験し、現在東京在住のサラリーマンで、二人の子を持つ親。ソーシャル…

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地方勤務と海外勤務を経験し、現在東京在住のサラリーマンで、二人の子を持つ親。ソーシャル・ビジネスや地域活性化を中心に投稿しようと思います。

マガジン

  • 「さくらやぼん」の制作

    「学生服リユースショップさくらや」の馬場加奈子社長が作る、想いをカタチにして一歩踏み出す女性に向けて書いた本の制作ストーリーです。

  • 学生服×SDGs

    「学生服リユースショップさくらや」を創業した馬場加奈子社長が、「子どもの貧困対策」、そしてSDGsに関わるようになるプロセスを追っていきます。

  • 女性の起業支援塾 〜構想→誕生→発展の軌跡〜

    四国・香川県の高松信用金庫が主催する女性の起業応援塾「Sanuki Womam キャリスタ塾」。地域金融機関が、なぜ女性向けに特化した起業塾を運営することになったのか。話は5年前に遡ります。

  • 学生服リユースショップさくらや 創業ヒストリー

    10年前にシングルマザーが始めた全国初の学生服専門リユースショップが、なぜ全国54店舗にまで成長したのか? 地域共感型ソーシャルビジネスの足跡をまとめました。

最近の記事

  • 固定された記事

学生服リユースショップさくらや研究【創業ヒストリー編その1】

 北は青森から南は鹿児島まで、全国54店舗を展開する「学生服リユースショップさくらや」。その起業の原点は、創業者である馬場加奈子社長の「母親としての体験」でした。 始まりは、身近な「困りごと」 「さくらや」は、2011年1月に香川県高松市で誕生しました。そのきっかけは、創業者である馬場加奈子さんが経験した、学生服をめぐる「困りごと」でした。  シングルマザーとして一男二女を育てる馬場さんは、当時小学4年生だった次女から「制服がきつくなったから、新しいのを買って」と言われた

    • 優良学生服リユース店の認定制度が開始

       去年の記事で、優良な学生服リユース事業者の認定制度の創設を提言していましたが、今年の5月に設立された「学生服リユース協会」において、優良学生服リユース店の認定制度が開始されたようですので、紹介したいと思います。  その前に、なぜ優良な学生服リユース店の認定が必要なのかを改めて説明します。  学生服のリユースは、中古の学校制服や体操服を扱うという商品の性質上、それらを「趣味」として収集する人たち(本来の使用方法ではない用途で使う人たち)に販売しないということが、売りに来る

      • 二度目の「がっちりマンデー!!」とその後(後編)

         6月4日の「がっちりマンデー!!」の放送のインパクトは、前回放送の5年半前とは比べ物にならないほど大きいものでした。2015年12月の放送の際も、全国からの問い合わせがたくさんあり、さくらや高松店に訪れる全国のお母さんたちからのお土産でお店のカウンターが山盛りなるほどでしたが、今回の反響はそれ以上でした。  番組が放送された6月4日には、さくらやのパートナーになりたいという問合せメールなど、100件以上のやり取りに馬場さんは追われました。問合せメールへの早い返信を心がけた

        • 二度目の「がっちりマンデー!!」とその後(前編)

           「学生服リユースショップさくらや」の馬場加奈子社長が2015年12月に「がっちりマンデー!!」に出演してから5年半。さくらやは大きく成長しました。放送当時は香川県内の高松店と宇多津店の2店舗だったさくらやが、その後、パートナー制で全国60店舗以上に拡大しました。  そんなさくらやが、「あのがっちりは今?」ということで、5年半ぶりに取り上げられることになりました。さくらやが取材候補になっていて、今どうなっているのか教えて欲しいという連絡が今年のゴールデンウィーク前にTBSか

        • 固定された記事

        学生服リユースショップさくらや研究【創業ヒストリー編その1】

        マガジン

        • 「さくらやぼん」の制作
          8本
        • 学生服×SDGs
          4本
        • 女性の起業支援塾 〜構想→誕生→発展の軌跡〜
          6本
        • 学生服リユースショップさくらや 創業ヒストリー
          4本

        記事

          メディアによるさくらやの紹介

           約5ヶ月ぶりの投稿になります。この間、さくらやの馬場加奈子社長はテレビやラジオに何度か取り上げられました。それらを紹介したいと思います。  1月25日には、毎日放送「ちちんぷいぷい」で、大阪の松原店が紹介されました。番組内の「SDGsのススメ」というコーナーで、松原店の学生服リユースやランドセル無償提供の取組みが取り上げられました。馬場社長も松原店まで出向いて取材に応じ、制服リユースを始めたきっかけや、地域をつなげる取組みを語っています。毎日放送の男性アナウンサーが制服の

          メディアによるさくらやの紹介

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その8】

           クラウドファンディングで目標額の500%超えを達成して1か月半が経った7月7日に、さくらやぼんは無事出版されました。さくらやぼんは、講演の機会が多かった馬場さんが参加型の講演のテキスト(ワークブック)として活用することも想定して作成したのですが、講演自体がコロナでできなくなったので、お披露目の機会もないままでした。  出版記念パーティーを開催することもあり得たのですが、緊急事態宣言が終了したとは言えコロナ禍の中でパーティーを開催するわけにはいかないだろうと判断し、代わりに

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その8】

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その7】

          逆風下でのクラウドファンディング開始 馬場さんは、さくらやぼんのクラウドファンディングを予定より1週間早めて4月8日に開始しました。ちょうど緊急事態宣言が4月7日に公示された直後のタイミングで、クラウドファンディングの周知のための活動が制約される状況でした。  そこで、地元香川の電鉄会社「ことでん」(高松琴平電気鉄道)琴平線の電車1編成の車内広告を全部「さくらやぼん」の広告にする、「ことでんジャック」をすることにしました。ちょうど車内広告が少なくなっていた頃だったので、そん

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その7】

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その6】

           さくらやぼんの出版に向けて、資料をまとめたり対談企画を組んだり寄稿の依頼をしたりと、出版社の担当者と打合せを重ねながら作業を進める馬場さんでしたが、制作費用の捻出が課題になっていました。 制作費用がかさむ中で さくらやぼんの出版に当たっては、「オシャレで見やすく」のコンセプトを大事にしていました。そうするとカメラマンやデザインの仕事が必要になるため、制作費用は一般的なビジネス本の数倍もかかりました。それでも、 全国の「何かコトを始めたい」女性たちへ少しでも役立ちたい

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その6】

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その5】

           「さくらや」での経験を講演会やセミナーで話すうちに、地域で何かしてみたいと思っている女性の背中を押してあげられる本を作ろうと決心した馬場加奈子社長。インタビュー取材が新聞記事になったり、書籍で取り上げられたりすることはありましたが、体系的な本を出版するとなると、全体を通じた監修が必要になります。馬場さんは、本の監修役を地域再生コンサルタントの大西正泰さんにお願いしました。  大西さんは、もともと社会科の教員で、35歳のときに学校を辞めて起業し、徳島県で起業家育成によるまち

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その5】

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その4】

           馬場さんは、出版する本について、「さくらや」を紹介するだけの内容にするつもりはなく、地域デザインのことが分かる、オシャレなMOOK本にしたいと考えていました。 喫茶ランドリーでの対談 「さくらや」以外の事例として、東京都墨田区にある「喫茶ランドリー」というカフェのオーナーとの対談を盛り込むことにしました。  「喫茶ランドリー」は、最寄り駅からさほど近くもないランドリー兼喫茶店なのですが、連日近所の人たちや遠方から訪れる人たちで賑わっているそうです。そして「喫茶ランドリー

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その4】

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その3】

           起業について、福祉について、まちづくりについて、子供の貧困について、SDGSについてなど、テーマは様々ですが、馬場さんは全国から講演やシンポジウム、セミナー、フォーラムといった場に呼ばれて「さくらや」での経験を話す機会が増えました。  「さくらやの事を話しているだけ」と馬場さんは言いますが、呼ばれるからには社会が求めている「何か?」があるのかもしれないとも思っていました。  全国津々浦々、馬場さんが講演に行って話しに行くと、多くの女性たちから声を掛けられるそうです。みん

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その3】

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その2】

           「さくらや」の馬場加奈子社長は、地元香川の経済誌で巻頭特集が組まれたり、日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017」に選出された際には記事で取り上げられたり、英誌「エコノミスト」の元編集長から著書出版のための取材を受けたりするうちに、出版を身近に感じるようになっていきました。  地方公共団体向けの「地方行政」や、金融機関向けの「銀行実務」といったお堅い雑誌にも、ソーシャルビジネスとしての「さくらや」や、高松信用金庫と取り組んだ「キャリスタ塾」が取り上げられるように

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その2】

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その1】

           2011年1月に香川県高松市で「学生服リユースショップさくらや」の店舗を開設した馬場加奈子さん。最初の取材は、早くも2月26日号のリビングたかまつという無料のコミュニティ新聞でした。開店情報が写真付きで掲載されました。  そして3月4日には、毎日新聞の四国版に「さくらや」が紹介されました。その後、産経新聞の地方版や四国新聞(香川県内の地方紙)にも「さくらや」の記事が掲載されました。学生服のリユース店自体が全国初で珍しかったので、取り上げられやすかったのかも知れません。

          学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その1】

          学生服リユースショップさくらや研究【ウィズ・コロナの店舗運営編その2】

           新型コロナ感染症の拡大に伴う今年2月の学校の休校を受けて、馬場さんはさくらや高松店に「ちいさなとしょかん」を開設しました。学校や図書館で本を読むことができなくなった地域の子どもたちが気軽に本を借りたり読めたりできるように、さくらやの店先に作った空間です。置いてある本は、企業や、子育てが一段落した家庭から「さくらや」に寄贈されたものです。 ●いつでも借りていい ●いつでも返せばいい がコンセプト。  雨よけのひさしはありますが、屋外に置いてあるのでどうしても砂ぼこりが本

          学生服リユースショップさくらや研究【ウィズ・コロナの店舗運営編その2】

          学生服リユースショップさくらや研究【ウィズ・コロナの店舗運営編その1】

           「学生服リユースショップさくらや」は、扱う商品が学生服や体操服であるという特性上、毎年3月と4月が繁忙期です。  3月は、卒業した生徒・児童の制服を売りに来るお客さんが多く、特に高松市内で小学校や中学校の卒業式が集中する日には、「さくらや」の店内が来店客でごった返すそうです。  そして3月いっぱいは、新入学の生徒・児童用の制服を買い求める地元のお客さんが来店します。4月になると、転勤で引っ越してきた保護者が転校先の学校の制服を買いに来ます。  ちょうどそんな繁忙期に当

          学生服リユースショップさくらや研究【ウィズ・コロナの店舗運営編その1】

          学生服リユースショップさくらや研究【学生服×SDGs編その4】

          SDGsとの出会い 2017年4月、三井住友海上が高松で子ども向けイベントを開催するに当たり、「さくらや」が協力する機会がありました。その準備のために、馬場さんが三井住友海上の東京の本社で担当者と打ち合わせをした際に、「さくらや」の店舗には様々な背景を抱えた家庭が来店することや、店舗の隣の「otomari」と名付けたスペースで、子ども食堂や、養護学校の卒業生向けのイベントなどを行っていることを説明したそうです。  それを聞いた三井住友海上の担当者は、「誰ひとり取り残さない社

          学生服リユースショップさくらや研究【学生服×SDGs編その4】