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#26 どうしてこんなにも団体行動が出来ないんだろう 4

集合時間となり、いざバスは空港へと向かう。
離陸まで2時間ほど時間があったので再び自由時間。
各自夕食やお土産購入のためグループになって空港内を歩き回る。もちろん、僕はひとり。

空港内の行く先は限られているため、知り合いとすれ違う可能性は大いにある、と言うかあった。
基本の目線は左斜め下、自分が先に気づけばUターンしてエスケープ。人と話したくない気持ちが最高潮。
普段どうやって仕事してるか不思議なくらいコミュニケーションを避け続けている。

グループでラーメン屋に入る知り合いを横目にひとりで夕食を取った。頼むから誰も気付かないでくれ。声を掛けないでくれ。

そうこうしてる間に集合時間。
手続きを済ませ、待機場所にて座って待つ。
1列向こうには社員の集団。ここでも僕はひとり。

こんな感じにも関わらず席が近くになるようにと僕の分もチケットを貰ってくれた先輩。申し訳ない。
座席は1列社員が揃っており、隣は元上司。
最近仕事はどう?とか旅行楽しかった?とか気を遣ってか色々と話しかけてくれる。ほどほどに応対して会話に間ができたのをいい事に胸元のポケットからイヤホンを取り出して耳にはめる。元上司の切なそうな顔を横目に目を閉じてシャットアウトした。限界だった。

飛行機が着陸するまで誰とも話さなかった。
着陸し、人が出て行く流れに沿って早々に空港を後にする。駅へ向かう時、ここでもよくしてくれる他部署の課長さんと鉢合わせてしまった。最近仕事はどうだ?とか彼女出来たか?とか。あれこれ聞かれた。電車の中なので流石に撒くこともできず。悪気は無いのは分かってる。僕のことを気にかけてくれているのも分かる。でも彼女作れとかそういう話はしたくない。その人が乗り換えで降りるまで何とかやり過ごした。いや、多分やり過ごしてないくらい失礼な態度だったと思う。もはやどうだっていいのだ。家に着いて死んだように眠りにつく。

ただの知り合いとの2泊3日がこんなにも苦痛とは思わなかった。おかげでボロが出まくり。いい大人として我ながら本当に情けない。でも、分かっていてもできない。

どうしてこんなにも団体行動が出来ないんだろう。

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